1987年。ギター2人の5人編成。このバンドの特徴は、他のスラッシュメタル・バンドに比べて曲がやや長く、そうした長い曲を聞かせるだけの構成力があるということ。5分から6分が多く、アルバム・タイトル曲は10分以上。ゆっくりした部分は少ない。若いということはサウンドにあまり関係がない。
1988年。きちんとした曲としては初めて4分以下の曲がある。前作はほぼ全曲がスラッシュメタル、このアルバムはヘビーメタルと呼べる曲もある。ボーカルはアンスラックスのジョーイ・ベラドナと同じくらい明確にメロディーを追う。「コールド・ジン」はキッスのカバー。「ボアード」収録。
1990年。このバンドが大手レコード会社に移籍したことは、スラッシュメタルがハードなロックの中で最先端であると認められたようなものだった。メタリカやアンスラックスはすでに有名バンドになっていたが、その次のバンドは大手レコード会社の手前にいることが多かった。このアルバムは、スラッシュメタルというよりは高品質なヘビーメタルで、デビュー盤のようなスピードやギターの切り込みはあまり聞かれない。メロディーやリズムの転換での自然さやメロディーの豊富さはすばらしい。最高傑作。
1991年。ライブ盤。
1993年。デス・エンジェルのボーカルを除いた4人のバンド。ボーカルはギターの1人とドラムがやっている。「アクトIII」の幅を広げ、その両端がヘビーメタル以外のジャンルに踏み込んでいるサウンド。曲によってはラップ、ホーン・セクションが入る。ボーカルは前任者にやや似ている。ギターがヘビーメタルに近いロックといってもよい。暗さなどはない。
1995年。ボーカル・メロディーを強化したようなサウンドだが、この時代には、焦点が絞られていないような印象は否めない。「ドゥームズデイ・イヴ」はいい曲。シークレット・トラックはスティーリー・ダンの「ドゥ・イット・アゲイン」のカバー。
2004年。再結成。ギターの1人は異なるが、4人はデビュー時のメンバー。「アクトIII」以前のサウンドに戻った。しかし、「アクトIII」に戻ってそこからどう変わっているのかが見えにくい。ラウド・ロックやパンテラ型ヘビーメタルに影響されずにいることはそれ自体が貴重かもしれないが、もう少し工夫がほしい。
2008年。
2010年。