1994年。ボーカルのジョン・ボヴアーを中心とする4人編成。アメリカ出身。メンバーは全員アフリカ系。ドラムはシック、パワー・ステーションの元メンバーで、大ヒットした「おしゃれフリーク」「ゲット・イット・オン」も演奏している。グランジ・ロック全盛時に出てきたメロディアスなハードロック。キーボードを控えめに使いながら、ジョン・ボヴアーの広い声域を活かした覚えやすいメロディーを作る。コーラスも厚く、80年代のハードロックそのものだ。「ダイン・フォー・ラヴ」は代表曲。
1994年。未発表曲とデビュー前のデモ曲を集めた企画盤。「アイ・ウォント・ウェイト」と「アーユー・レディ?(ラップ・ヴァージョン)」はアルバム収録曲のバージョン違い。6曲目から17曲目12曲はデモ曲で、ギターのミッキー・フリーとボーカル兼ギターのジョン・ボヴワーだけで演奏している。ジョン・ボヴワーはキーボード、ベース、ドラムも演奏している。デビューアルバムとほぼ同じサウンド、メロディーで、未発表曲はアルバムに収録されなかったのが不思議だ。
1995年。ライブを含む企画盤。
1996年。ギター、ドラムが交代。12曲のうち3曲はジョン・ボヴワーと脱退したミッキー・フリーの共作。「ドント・レット・ミー・ダウン」はビートルズのカバーで、残りの8曲はジョン・ボヴワーが単独で作曲している。メロディアスなハードロックは変わらない。ロックン・ロール風のノリの良さはやや減った。キーボードも必要に応じて使う。楽しむというよりは聞かせることに軸足を置いている。メンバーの交代でジョン・ボヴワーの依存度が強まり、それが若干の変化につながっている。
1998年。ヨーロッパのハードロック・バンドのようなサウンドで、ギターとキーボードによるメロディアスなロックとなっている。ロックン・ロール風の若い、前向きなメロディーが減り、デビューのころのカジュアルなイメージも薄れている。ジャケットのイメージがそのままサウンドにも反映されている。
2000年。プログラミングを使った曲が増え、やや時代を反映したサウンドになっている。ジョン・ボヴワーの声が低くなり、落ち着いたロックが多い。「ロスト・カシードラル」と同じ傾向だ。日本盤は出なかった。
2002年。ハードなギターが戻り、ジョン・ボヴワーのボーカルにも張りが出ている。サウンドがキーボードからギター中心になった。「マイ・スイート・ロード」はビートルズのジョージ・ハリソンのカバー。ビートルズのメロディアスな部分はジョン・ボヴワーが影響を受けた源だろう。「シェッド・ノー・ティアーズ」はドロ・ペッシュと共作し、デュエットしている。日本盤は出なかった。
2008年。「カーマ」の路線。ヨーロッパ、イギリスのハードロックによくみられるメロディアスなロックだ。ボーカルがヨーロッパのジョー・エリオットに似てきた。ギターとキーボードのバランスが取れ、ハードさを失っていない。サビは多くがコーラスになる。「ブレイクスルー」以来初めて、ジョン・ボヴワー以外のメンバーが作曲にかかわっている。サウンドは変わらないが、ジョン・ボヴワーの個人プロジェクトではなくなりつつある。「ロスト・カシードラル」以来10年ぶりに日本盤が出た。