CODE ORANGE

コード・オレンジはアメリカメタルコアのバンド。4~6人編成。4枚目のアルバムまでドラムがボーカルを兼任。3枚目以降は音の編集、加工を多用している。

1
LOVE IS LOVE/RETURN TO DUST/CODE ORANGE KIDS

2012年。コード・オレンジ・キッズとして発表。ハードコア由来の短い曲もあり、10曲で27分。10曲のうち6曲はタイトルに括弧が付いており、残りの4曲はスラッシュ(//)でタイトルが分割されている。2曲を連続演奏して1曲にした曲と、曲の中に別の曲が含まれる曲があるようだ。1分の「アラウンド・マイ・ネック/オン・マイ・ヘッド」「ルーツ・アー・サートゥン/スカイ・イズ・エンプティー」はハードコア。4分近くある「ライアーズ/トラッジ」の後半はほぼギターだけの部分がずっと続く。「カーム/ブリーズ」はドラムが出てこないインスト曲。5分以上ある「ブルーム(リターン・トゥ・ダスト)」は曲が突然終わる。ハードコアからメタルコア、ポストハードコアに至る過渡期を1枚のアルバムに収めている。

2
I AM KING

2014年。バンド名をコード・オレンジに改名。メタルコアを軸とするまとまりのある曲調になった。1分台の短い曲もあるがハードコアからは脱している。曲の中には音を明確に分かる形で編集している部分もあり、バンド演奏だけで完結するという意識はないようだ。ギターだけが長く続くという自己満足的な演奏も抑えられており、曲をどうまとめるかの技術も上がっている。このアルバムで日本デビュー。

3
FOREVER

2017年。大きく飛躍。メタルコアにインダストリアルロックの要素を含め、メタルコア寄りのスリップノットのようになっている。整形された不協和音とでもいうような、タイミングを合わせたインダストリアルロック風の加工が増えている。「ハート・ゴーズ・オン」はその代表的な曲。「ブリーディング・イン・ザ・ブラー」のようなヒット性の高い曲も入るようになった。アルバム全体の緊張感を保ったまま新しい要素を取り入れたのは素晴らしい。

4
UNDERNEATH

2020年。3人目のギターが加入し、以前からいたギターの1人はキーボード、プログラミングも行う。5人編成。音の加工を大幅に進め、メタルコアというよりもインダストリアルメタルだ。デジタル編集は2000年代のメタルコアよりも多く、2020年代のヘビーメタル、メタルコアのあり方を提示した。編集や加工自体は2000年代からできただろうが、ギター偏重のジャンルでは肉体を酷使する演奏へのこだわりが大きく、編集を忌避してきた面があった。エレクトロ音楽、ヒップホップが定着し、ロック、ポップスにごく普通に電子音が使われる時代に、パンク、ハードコア、ヘビーメタルが数十年前のスタイルを維持しなければならない理由も希薄だろう。演奏に限らず、ボーカルや不協和音のデジタル編集が主流になっていくならば、ヘビーメタルの歴史も再解釈されていくだろう。

5
THE ABOVE

2023年。