CHARLIE

  • イギリスのロックバンド。パンク全盛時にデビューし、アメリカのウェスト・コーストのようなサウンドを標榜した。
  • イギリスのアメリカン・プログレッシブ・ハードロックとも言える。
  • イギリスらしさをほとんど出さなかったため、結果的に大きな成功にはならなかった。

1
FANTASY GIRLS

1976年。邦題「T.V.ドリーム」。4人編成。イギリス出身。ボーカル兼ギターのテリー・トーマスが全曲を作曲しているが、中心人物はベースのジョン・アンダーソン。やや哀愁を帯びたメロディーやきれいにそろわないコーラスにこの時代のイギリスらしさを感じることができる。この年にデビューしてこのサウンドとなると、デビューのタイミングが悪かったと言える。アコースティック・ギターが多く、コーラスも多用するのはウェスト・コーストと同じだが、ウェスト・コースト・ロックほど整合感のあるコーラスではない。日本盤は1983年の「シャーリー」で使われたジャケットが使われている。ドラムのスティーブ・ガッドは有名セッション・ドラマーと同姓同名の別人。テリー・トーマスは有名俳優と同姓同名の別人。ジョン・アンダーソンはイエス、ファグスのメンバーと同姓同名の別人。

2
NO SECOND CHANCE

1977年。邦題「ギター・ヒーロー」。キーボードが加入し5人編成。複数の曲でサックス、フルート、パーカッションが入ったが、それほどにぎやかにならない。前作にも若干キーボードが入っていたので、前作と同じ路線。全米111位。「ターニング・トゥ・ユー」は96位。

3
LINES

1978年。邦題「白昼夢」。ギターが交代。サウンドがかなり変わった。キーボード主導のメロディーになり、コーラスもアメリカ風。このアルバムからキーボードが作曲にかかわるようになり、プロデュースもテリー・トーマスとキーボードと新加入のギターが担当している。「ノー・モア・ハートエイク」「ノー・ストレンジャーズ・イン・パラダイス」では女声コーラスも入る。メロディーも明るい。うまくイメージチェンジできている。全米75位。「シー・ラブズ・トゥ・ビー・イン・ラブ」は54位。

4
FIGHT DIRTY

1979年。ベース兼ボーカルだったジョン・アンダーソンがボーカルになり、ギターがベースに転向。10曲のうち7曲をテリー・トーマスが、3曲をジョン・アンダーソンがリード・ボーカルをとっている。ドラムが加入し、ドラムが2人になったが、同時に演奏しているわけではなく、新加入のドラムは2曲でたたいているだけ。専任ギターがいなくなり、アダルト・オリエンテッド・ロックに近い作風。ギターがまったく出てこない曲もある。全米60位。「キラー・カット」は60位。

5
GOOD MORNING AMERICA

1981年。キーボードとベースとドラムの1人が抜け、ジョン・アンダーソンがベース兼ボーカルになり、ギターとドラムが加入。ボーカル兼ギターが2人、ドラムが2人の5人編成。キーボードがいないが、この当時アメリカン・プログレッシブ・ハードロックで使われていたような音のキーボードが全曲で出てくる。ギターもハードロック風になった。ボーカル部分の多くが分厚いコーラスで爽快だ。傑作。CDはボーナストラックで「ファンタジー・ガールズ」「イッツ・インエビタブル」「ネバー・トゥー・レイト」収録。

6
HERE COMES TROUBLE

1982年。ギターとドラムが1人ずつ抜け、ギターとキーボードは「ファイト・ダーティー」のメンバーが復帰。結果的に「白昼夢」と同じメンバーと楽器編成になっている。サウンドは前作を引き継ぐ。コーラスを厚くするため、ドラム以外の4人がボーカルをとっている。しかし、前作ほど厚くない。CDはボーナストラックで「グッド・モーニング・アメリカ」の「オール・マイ・ライフ」「フール・フォー・ユア・ラブ」「ジャスト・ワン・モア・チャンス」を収録。

7
CHARLIE

1983年。再びギターとキーボードが抜け、専任ボーカルとドラムが加入。ドラム2人の5人編成。新加入のドラムは「グッド・モーニング・アメリカ」のときのメンバー。サウンドは「グッド・モーニング・アメリカ」の路線。80年代ハードロックのサウンドで、イギリスのバンドとしてはベイビーズと同じサウンドの変遷をたどっている。大ヒットしてもおかしくない音。全米145位。「イッツ・インエビタブル」は38位。翌年解散。

8
IN PERSUIT OF ROMANCE

1986年。ボーカル兼ギターのテリー・トーマスを中心に再結成されたが、以前のメンバーはテリー・トーマス1人だけ。ベース、ドラム、キーボードの4人編成。ポップなロック。前作のような派手さはない。