BUSTA RHYMES

  • バスタ・ライムスはリーダーズ・オブ・ニュー・スクールのMC。
  • ヒップホップでは圧力のある声で歌う。

1
THE COMING

1996年。ヒップホップのMCでは比較的厚い声だ。歌う、しゃべる、叫ぶ、というような、口(声)で表現できることをおおよそ全部やっている。そこがフリースタイルと言われる理由なのかどうか分からないが、表現の多様さは一般的なヒップホップのMCより勝っている。「ザ・カミング(イントロ)」は4分半ある曲。「エンド・オブ・ザ・ワールド(アウトロ)」はコープランドの「市民のファンファーレ」とオルフの「カルミナ・ブラーナ」をサンプリングしたと思われる。「ウー・ハー!!」収録。

2
WHEN DISASTER STRIKES...

1997年。効果音や会話が増え、物語を持つ曲が多くなっている。ギャングスタ・ラップ流行の影響か、銃や喧嘩の音も入る。「ワン」はエリカ・バドゥが参加。「ウィー・クッド・テイク・イット・アウトサイド」は映画「華麗なる賭け」の「風のささやき」をサンプリング。

3
E.L.E.(THE FINAL WORLD FRONT)

1998年。バスタ・ライムスの声の勢いが激しくなった。「ギミー・サム・モア」「イズ・ゼイ・ワイルディン・ウィット・アス&ゲッティン・ラウディー・ウィット・アス」は高速のMCが聞ける。タイトル曲の「エクスティンクション・レヴェル・イヴェント」はクリフ・リチャードの「しあわせの朝」のカバーがサンプリングされている。「ホワッツ・イット・ゴナ・ビー?!」はジャネット・ジャクソンが参加。「ディス・ミーンズ・ウォー!!(アイアン・マン)」はブラック・サバスの「アイアン・マン」を使っているが、サンプリングではないので演奏しているのはブラック・サバスではない。オジー・オズボーンが参加している。日本盤は1999年発売。

4
ANARCHY

2000年。サンプリングや効果音を少なくし、ドラムマシーンとシンセサイザーによるサウンドが多くなった。ジェイ・ディーとスウィズ・ビーツが関わった曲はバスタ・ライムスのボーカルを生かしつつ、冷たいシンセサイザーの音で不穏な雰囲気を作っている。「メイク・ノイズ」はレニー・クラヴィッツが参加。

5
GENESIS

2001年。「E.L.E.」のサウンドに戻り、会話や効果音が入る。ゲストも多い。「E.L.E.」を意識した曲もあり、前作のサウンドを一時的な変化としたようだ。「シャット・エム・ダウン2002」はパブリック・エナミーのリミックス。「ゼアズ・オンリー・ワン」はめありー・J・ブライジが参加。

6
IT AIN'T SAFE NO MORE...

2002年。全体に音色の数が少なく、ビート音とシンセサイザーだけで構成されることが多い。「アナーキー」のサウンドに近いが、曲間の効果音やゲスト参加は多めだ。「アイ・ノウ・ワット・ユー・ウォント」はマライア・キャリーが参加している。「ワット・アップ」はビースティー・ボーイズの「ザ・ニュー・スタイル」、「ヘイ・レイディーズ」はザ・ノトーリアスB.I.G.の「ナスティ・ボーイ」をサンプリング。バスタ・ライムスのアルバムでは際だってチャート成績が悪い。

7
THE BIG BANG

2006年。ドクター・ドレーがプロデューサーとなり、サウンドが丁寧に整理されている。ビートそのものも聞きやすい。バスタ・ライムス特有のはしゃぐラップは抑えられている。15曲のうち12曲にゲストがついている。スティーヴィー・ワンダー、リック・ジェームス、ミッシー・エリオット、ウィル・アイ・アム、ナス等、これまでよりはるかに豪華だ。1時間以下に収まっているので、曲をたくさん詰め込むという姿勢ではないようだ。

8
BACK ON MY B.S.

2009年。