2007年。EP盤。男女2人のボーカル、ギター、ドラムだけでロックンロールをやっている。ホワイト・ストライプスと比較されるのは宿命だろうが、ホワイト・ストライプスと異なるのはメインボーカルが女性で、キーボードを使わない点だ。男性ボーカルは女性と似た声なので、ボーカルを厚くする効果も出ている。シングル盤収録曲を集めたEP。
2008年。EP盤と同様の荒削りなロックンロール。ドラムの男性も複数の曲でリードボーカルをとっている。スタジオ録音なのでボーカルを重ねて厚くしたり、2声になったり、ギターが2本分聞こえたりするが、ほとんどの部分はボーカル、ギター、ドラムで完結する。多くの曲が勢いよく、若さを感じさせる。
2010年。ボーカルメロディーをよく聞かせるようになり、ギターの勢いや豪快さが抑えられている。曲の強弱を明確につけた結果、アルバム全体に勢いがあるというサウンドではなくなった。しかし、これは表現力の向上と捉えるべきだろう。11曲のうち10曲が3、4分台で、最後の「カラーズ・フェイド」だけが7分あり、これが最初のシングルになっている。
2012年。ロックンロールからややインディーロック寄りになった。オープニングのアルバムタイトル曲から背景音を使い、ギターもシューゲイザー気味になっている。「ナイト・ライト」はピアノとアコースティックギターがメイン。「トゥー・デッド・ミニッツ」「スリップ・イントゥ・ブルー」は新しいサウンドだ。日本盤は出なかった。
2014年。ギターとドラムによるロックンロールに回帰し、70年代ハードロックや90年代のストーナーロックのような感触がある。オープニングの「ウェルカム・ホーム」は2分弱のインスト曲で、この曲がこのアルバムのサウンド志向を示すのだろう。多くの曲はギターと同じようにボーカルもディストーションがかかっている。勢いのあるロックンロールに戻っているわけではないので、アルバムを出すたびに異なったサウンドになっていることは変わらないものの、ギターとドラムの2人しかいないバンドに期待されるサウンドに近くなったことは好意的に受け取られるだろう。「グレイ・スモーク」はジミ・ヘンドリクスの「スパニッシュ・キャッスル・マジック」を意識したメロディーだ。