1994年。ベン・ハーパーはボーカル兼ギター奏者、シンガー・ソングライター。アメリカ出身。アコースティック・ギターとベース、ドラムによる演奏が中心で、ラップ・スティールのアコースティック版のような楽器、ワイゼンバーンもよく使う。アメリカの広い農村部で、2、3人で野外演奏しているような雰囲気だ。ブルースやフォークというよりはもっと間口の広いアコースティック音楽をやっている。「ウィッピング・ボーイ」はニッティ・グリッティ・ダート・バンド、コルヴェッツのギター、クリス・ダロウのカバー。「ライク・ア・キング」収録。
1995年。アコースティックギター中心でありながら、前作よりも演奏に熱がある。バイオリンやオルガンも使い、バンドサウンドに合わせた曲が多い。
1997年。オープニング曲でドライブの効いたエレキ・ギターを使い、聞き手を驚かせる。エレキ・ギターになっても曲調はこれまでと同じだが、ドラムは強い音に変わる。「栄光とその帰結」もハードだ。マンドリンとサックスがメーンの「アッシュ」も新しサウンドを作る。ボブ・ディランと同じように、ロック化、エレキ化という言葉が浮かぶ。アルバムの名義はベン・ハーパーだが演奏者の表記は3人編成のベン・ハーパー&ザ・イノセント・クリミナルズになっている。
1998年。邦題「ベン・ハーパー・ライヴ!」。6曲入り。そのうち3曲は海賊盤から収録したと書かれている。ベース、ドラム、パーカッションを加えた4人編成。「ファイト・フォー・ユア・マインド」はギター、ベースが長く演奏し、アルバム・バージョンの2倍の8分ある。「パワー・オブ・ザ・ゴスペル」は逆に2分短い。「エクスキューズ・ミー・ミスター・バーニン&ルーティン」はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「バーニン&ルーティン」を含んでいる。「ヴードゥー・チャイル」はジミ・ヘンドリクスのカバー。日本のみで発売。
1999年。アコースティックとエレクトリックを対比するような曲が増えた。アルバムを出す度にサウンドの幅を広げている。アルバムタイトル曲は明快なロックン・ロール。「スージー・ブルー」は1920年代のボードヴィルのようなサウンド。
2001年。2枚組ライブ盤。
2003年。曲ごとの演奏人数が増え、結果的に音全体が厚くなっている。オープニング曲はレゲエ。アルバムタイトル曲はザ・バンドの「アイ・シャル・ビー・リリースト」のような曲。「ブリング・ザ・ファンク」はジャミロクワイ「テンポラリー・レメディ」はこれまでで最もハード。エレキ・ギターを何本も使い、ヘビーメタルのようなギターソロがある。
2003年。EP盤。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」はビートルズのカバー。「ソー・ハイ・ソー・ロウ」以外の4曲は「ダイアモンズ・オン・ジ・インサイド」収録曲のライブやバージョン違い。
2004年。ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマはボーカル3人とバックバンド4人の7人編成ゴスペル・グループ。ベン・ハーパーはバンドではなく個人として共演している。「ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ・ウィズ・ベン・ハーパー」とした方が実態に即している。「ピクチャーズ・オブ・ジーザス」はボブ・ディランの「マイティ・クイン」のような曲で「ダイアモンズ・オン・ジ・インサイド」に収録されている。「ウィックド・マン」はブラック・クロウズが演奏しているようだ。「イレヴンス・コマンドメント」はインスト曲、「マザー・プレイ」はアカペラ。
2005年。ライブ盤。
2006年。2枚組。1枚目はおおむねアコースティック、2枚目はおおむねロックとなっている。以前からそうだが、「ゲット・イット・ライク・ユー・ライク・イット」などは、R&Bに傾倒していたころのローリング・ストーンズのようなサウンドだ。「ザ・ワイ・ユー・ファウンド・ミー」はギターがすばらしいブルース。ロック盤のエンディング曲「サーヴ・ユア・ソウル」は8分強ある。特にロック盤がすばらしい。アーティスト側は曲順はないと言っているらしい。ボーナストラックを除くと、1枚目は31分、2枚目は33分。
2007年。
2009年。