1980年。邦題「暗闇の天使」。バウハウスはイギリスのニューウェーブ、ゴシックバンド。4人編成。ボーカルのピーター・マーフィーを中心とする。バンド名は1910年代のドイツの芸術運動、バウハウスから来ている。一般的にゴシックロックの先駆者とされており、暗い、荘重、陰鬱というイメージがそのままあてはまる。ギターは鋭利で、ボーカルやベースとともにエコーがかかっている。ボーカルは低音で怪しさがある。全体的な音数の少なさが陰影に深さを与えている。
1981年。ボーカルやギター、キーボードの音の重なりが増え、聞きやすくなった。B面は一般的なロックに近い。「ダンシング」はベースがメロディーをつくる。
1982年。A面は「暗闇の天使」と「マスク」を合わせたようなサウンド。「サード・アンクル」と「スピリット」はヒット性がある。「ザ・スリー・シャドウズ」は3部構成で9分弱の組曲。音も実験的だ。
1982年。ライブ盤。「ザ・スカイズ・ゴーン・アウト」の発売時に付いていたライブ盤。3カ所のライブを集めている。9分を超える「ベラ・ルゴシの死」が圧巻。
1983年。近寄りがたさが薄れた。ピアノやキーボードの量が増え、相対的にギターは目立たなくなっている。「WASP」は20秒のインスト。「キング・ボルケイノ」はリードボーカルを立てない合唱がつく。アルバムタイトル曲は9分超の大作。ピーター・マーフィーがボーカルを取る曲と取らない曲があるが、声の力は歴然としている。
1986年。ベスト盤。
1989年。ライブ盤。
1998年。ベスト盤。
1999年。ライブ盤。2枚組。1枚目の前半は「暗闇の天使」と「マスク」収録曲が占め、後半はシングル曲が中心となる。「セヴェランス」はデッド・カン・ダンスのカバー。2枚目はT・レックスの「電信サム」とデヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」を続けた後、最初のシングル曲である「ベラ・ルゴシの死」を13分演奏する。アルバムごとの選曲に偏りがあり、「バーニング・フロム・ジ・インサイド」は1曲だけ。
2008年。邦題「暗闇のごとく現れ、白い陽炎のように去りゆく」。