1981年。ボーカル、ギター、キーボードの3人組。ギターはボブ・キューリックで、キッスのブルース・キューリックの兄。ベースとドラムはゲスト。アダルト・オリエンテッド・ロックに近く、キーボードはスティクス以上に透明感がある。アメリカのバンドに特有のロックン・ロールが一曲もなく、大仰な展開もない。大ヒットしていてもおかしくなかった。10曲のうち4分台前半が2曲、残りはすべて3分台というのも見事だ。
1982年。ギターが前面に出て、ハードロック寄りになった。このバンドがアメリカン・プログレッシブ・ハードロックとして語られるのは、このアルバムがギター中心のハードロックに傾いたからであって、「アンダーカバー・マン」はそのまま80年代のラヴァーボーイやボン・ジョヴィにつながる。
2009年。ボーカル、ギター兼ベース、ドラム、キーボードの編成で再結成。ギターが活躍するハードロック。ドラム以外の3人が作曲し、ボーカル、キーボードは単独でも作曲している。コーラスが厚く、楽器の密度も濃いので、常に複数の音が聞こえている。27年ぶりにアルバムを出すと、27年前のサウンドを知らずに聞く人が大半ではないか。ドラマチックさやプログレッシブ・ロック風の編曲はあまり感じられず、ハードロックとしてなじみやすく聞ける。
1979年。特にプログレッシブ・ロックを思わせるところはないが、キーボード、ギター、コーラス・ハーモニー、どれもがこの時代によく聴かれるハードロックをやっている。メンバー5人のうち、キーボードが2人、ギターが3人、ボーカルが4人にクレジットされている。現在プロデューサーのボー・ヒルが在籍していなければ注目されなかったであろうアルバム。曲はいい。「ソルジャー・オブ・フォーチュン」収録。
1978年から81年までに録音されたエアボーンの未発表曲集。未発売のセカンド・アルバムの曲も含まれており、キップ・ウィンガーがバック・ボーカルで参加している。基本的にデビュー盤と同じ路線。音質はそれなり。
1979年。バランスのボブ・キューリックの弟、ブルース・キューリックがギター、マイケル・ボロティンがボーカルの4人組。マイケル・ボロティンはソロ歌手のマイケル・ボルトン。古風であか抜けないロック。
1980年。キーボードが活躍し、ややアメリカン・プログレッシブ・ハードロックの雰囲気もあるが、それほど凝ったアレンジはしていない。シンセサイザーの量が多くなり、「ウェルカム・トゥ・ザ・ワールド」はコーラスも厚い。「エンプティ・ウィズアウト・ユー」はモータウン・レコードの作曲チーム、ホランド・ドジャー・ホランドが作曲している。