BAD RELIGION

  • メロディック・パンクの先駆者となっているアメリカのロックバンド。中心人物はギターのブレット・ガーヴィッツ。
  • 4人編成だったが、現在はギターが3人いる6人編成で、コーラスが厚い。
  • 3枚目の「サファー」でサウンドを確立し、8枚目の「ストレンジャー・ザン・フィクション」で知名度が上がった。
  • ブレット・ガーヴィッツはパンクのインディーズ・レーベル、エピタフ・レコードの経営者として有名。

BAD RELIGION

1980年。6曲入りシングル。日本では「バッド・レリジョン80-85」に収録され、1995年発売。

1
HOW COULD HELL BE ANY WORSE?

1981年。4人編成。アメリカ・ロサンゼルス出身。パンクとハードコアの影響を受けているのが明らかなサウンド。それ以上の大きな個性は見あたらない。日本では「バッド・レリジョン80-85」に収録され、1995年発売。

HOW COULD HELL BE ANY WORSE?

2004年。本来のジャケットに差し替えて再発売。収録曲は「バッド・レリジョン80-85」と同じ。

2
INTO THE UNKNOWN

1982年。未CD化。

BACK TO THE KNOWN

1985年。シングル盤。日本では「バッド・レリジョン80-85」に収録され、1995年発売。

3
SUFFER

1988年。メロディーが分かりやすくなったサウンド。このアルバムから本格的な活動が始まり、コンスタントにアルバムが発表されていく。15曲で26分。

4
NO CONTROL

1989年。前作よりもスピード感が増した。「プログレス」「アングザイヤティ」「ザ・ワールド・ウォント・ストップ」ではサビでコーラスがつく。後半は哀愁のあるメロディーが多く、日本のロック・ファンにアピールしやすい。

5
AGAINST THE GRAIN

1990年。全曲にコーラスのついたサビがあり、バンドの個性を確立した。メロディーはロックン・ロール風の明るさよりも、一般的なロックに準じている。

6
GENERATOR

1992年。ドラムが交代。「アトミック・ガーデン」はピアノを使用。ギターソロがある曲が多く、パンク、ハードコアから抜け出している。新しいジャンルを作ったといってもよい。

7
RECIPE FOR HATE

1993年。前作の路線。バックの演奏はギターがソロをとるのが普通になり、90年代後半のメロディック・パンクの典型となるサウンドを提示している。「サファー」以降は徐々にメロディアスなパンクになっているが、ハードコアのリズムはどのアルバムでも聞くことができる。

8
STRANGER THAN FICTION

1994年。ハードコアのスピード感を戻し、コーラスとメロディーをそのままにした。コーラスも2声を使うなど、ハードさとメロディーの覚えやすさを両立している。このころ、グリーン・デイとオフスプリングが日本デビューして大きな人気を獲得しており、メロディック・ハードコア、いわゆるメロコアの人気が爆発した。このアルバムで日本デビュー。

 
INFECTED LIVE EP

1995年。7曲入りライブ。ラジオ、テレビでの収録。3カ所をばらばらに収録しているので、一本のライブではなく寄せ集めのライブ。「レセピ・フォ・ヘイト」と「ストレンジャー・ザン・フィクション」の曲。

9
THE GRAY RACE

1996年。ギターのブレット・ガーヴィッツが抜け4人編成。前作の路線にミドルテンポの曲も追加し、さらに一般性を獲得。すなわちメロコアから離れたということだ。

 
TESTED

1997年。スタジオ録音3曲を含むライブ盤。1カ所でのライブではない。ベスト盤的な選曲とも言える。「ドリーム・オブ・ユニティ」「イッツ・レシプラカル」「テスティド」はスタジオ録音で、ライブ曲の途中に挟まれている。

10
NO SUBSTANCE

1998年。リズムにハードコアの残像は見られなくなり、一般的なハードロックに近くなっている。バブルガム・ミュージックやロックン・ロール風のサウンドを挟み、バラエティに富んでいるが、バッド・レリジョンがやっていると分からなければ、あまり工夫の見られないアルバム。

11
THE NEW AMERICA

2000年。前作の揺り戻しで、多くの曲がハードコアのリズム。トッド・ラングレンがプロデュースしている。

12
THE PROCESS OF BELIEF

2002年。ドラムが交代し、ギターにブレット・ガーヴィッツが復帰。ギター3人の6人編成。再び「ノー・サブスタンス」「ザ・グレイ・レイス」の路線だが、曲がすばらしい。「ノー・サブスタンス」はロックとして見たときに曲が今ひとつだったが、このアルバムはハードコアやメロコアといったジャンルを考慮するまでもなく、ハードさ、親しみやすさ、勢いが違う。「キョート・ナウ!」は京都の曲だが、詩は特に京都に関連した内容ではない。

PUNK ROCK SONGS

2002年。ベスト盤。「ストレンジャー・ザン・フィクション」から。

13
THE EMPIRE STRIKES FIRST

2004年。「ザ・プロセス・オブ・ビリーフ」の路線。1曲目は曲ではなく2曲目に続く序曲になっており、2曲目はヘビーメタルのようなバスドラム連打がある。前半はハードでスピーディーな曲が並び、前作の勢いをそのままこのアルバムで引き継いでいる。全体的にも前作の路線と同じ。

14
NEW MAPS OF HELL

2007年。16曲のうち、3分を超えるのは3曲だけで、13曲は2分台以下。曲の短さ、前のめりのドラム、すぐに始まるボーカルの3点で、ハードコア・バンドの雰囲気を残している。サビではない部分でもコーラスがかかってくる。メロディック・パンクの多くのバンドと同様、ボーカルに表現力はさほどないが、個々のメロディーのよさは一線のバンドと変わらない。

15
THE DISSENT OF MAN

2010年。前作と同様。ギターの3人はギターよりもサビでのコーラスで活躍する。曲ごとに聴けば、メロディック・パンクよりもやや幅があるサウンドだ。「ロング・ウェイ・キッズ」はイーグルスがやりそうな哀愁のメロディー。初回盤は17曲入りライブ盤がついている。

16
TRUE NORTH

2013年。前半5曲は突進、後半9曲も突進。その間に挟まれた「ダーマ・アンド・ザ・ボム」はメロディーの抑揚を抑えた曲、「ハロー・クルーエル・ワールド」は4分近くある速くない曲。「ランド・オブ・エンドレス・グリード」「イン・ゼアー・ハーツ・イズ・ライト」は明確なギターソロがあり、「イン・ゼアー・ハーツ・イズ・ライト」はコーラスの重なりが曲の中核となっている。16曲で35分。

CHRISTMAS SONGS

2013年。クリスマスソング集。リズムはパンクだがギターの使い方はヘビーメタル風の曲もある。「久しく待ちにし主よとく来たりて」「世の人忘るな」「御使いうたいて」はヘビーメタル風。3声のコーラスはオープニング曲のイントロから聞ける。「御使いうたいて」はイギリス、イングランド民謡のグリーンスリーブスのメロディー。9曲で19分。

17
AGE OF UNREASON

2019年。ギターとドラムが交代。ギター3人の6人編成は維持。ロック全体でもバッド・レリジョンのような哀愁のあるメロディーは少なくなった。「ルーズ・ユア・ヘッド」「エンド・オブ・ヒストリー」「キャンディデイト」「ビッグ・ブラック・ドッグ」といったパンク寄りの曲を挟みながら、ハードコアの性急さ、ポップスのようなコーラスというこれまでのバッド・レリジョンの特徴を守っている。