1982年。邦題「詠時感」。バグルス、イエスのジェフ・ダウンズ、キング・クリムゾンのジョン・ウェットン、イエスのスティーヴ・ハウ、エマーソン・レイク&パーマーのカール・パーマーで結成。大人向けのようなサウンドのロック。プログレッシブ・ロック風味は随所に感じられるが大仰ではない。コーラスも渋い。「ヒート・オブ・ザ・モーメント」「時へのロマン」「孤独のサバイバー」収録。大ヒットを記録。82年のすべて音楽作品で最高の売上だった。全米1位、400万枚。年間総合チャートでも1位。「ヒート・オブ・ザ・モーメント」は4位、「時へのロマン」は17位。
1983年。このアルバムのタイトルを「アルファ」としてから、Aで始まりAで終わる単語をアルバムタイトルにしなければならなくなった。A面は5指に入るすばらしい出来。最後の「永遠の輝き」も強い人気。ややジェフ・ダウンズのクラシック指向が出ておりプログレッシブ・ロック風味が薄まった。「ドント・クライ」「嘘りの微笑み」「ネヴァー・イン・ア・ミリオン・イヤーズ」収録。全米6位。「ドント・クライ」は10位、「嘘りの微笑み」は34位。
1985年。スティーブ・ハウが脱退しクロークスのマンディ・メイヤーが加入。デビューする前からスーパー・バンドと呼ばれ、2枚立て続けに大ヒットを出したためアーティストとしての独立性は十分保証されたはずだ。つまり作品の方向性に関する自由度は限りなく高かった。いろいろなレコーディング技術を使ったりオーケストラを使ったりして予算も十分あったようだが、肝腎の曲が大げさな方に傾いてしまい、適度なポップさは影を潜めた。随所に出てくる機械的印象のサウンド処理が散漫さを感じさせる。「ゴー」「ヴォイス・オブ・アメリカ」収録。全米67位。「ゴー」は46位。
1986年。
1990年。「詠時感」「アルファ」「アストラ」からのベストと新曲4曲。全米114位。
1991年。モスクワでのライブ。ギターはパット・スロール。キング・クリムゾンの「スターレス」と「土曜日の本」をカバー。キーボード・ソロではバグルスの「ラジオ・スターの悲劇」が出てくる。ソ連公演だからジャケットが赤なのか。新曲1曲収録。
1992年。正式なメンバーとしてギターとドラムが不在。アル・ピトレリとスティーブ・ハウ、カール・パーマーがゲスト参加している。ジョン・ウェットンが脱退してELOパートIIのジョン・ペイン加入。プログレッシブ・ロック色はほとんどなくなった。
1994年。ドラムはマイケル・スターギス、ギターはアル・ピトレリが正式メンバーとなった。前作よりは起伏が感じられる。アダルトに落ち着きすぎていたサウンドがハードさを持ち直した。ギターが技巧派であるためか、スティーブ・ハウやマンディ・メイヤーがほとんど弾きそうにないヘビーメタル的なギター・ソロが聞かれる。
1996年。ギタリストが2人になった。「アクア」に近い音。キーボード・サウンドの多さとドラムのバラエティの少なさが単調な曲をさらに単調にしている。
1996年。「アクア」「アリア」「アリーナ」のアウトテイクとデモ音源の第一弾。
1996年。その第二弾。
1997年。91年のライブ。
1997年。「アクア」「アリア」「アリーナ」からのベスト。
1997年。「Live Bootreg」の一つ。大阪。
1997年。「Live Bootreg」の一つ。ドイツ・ケルン。
1997年。「Live Bootreg」の一つ。アメリカ・フィラデルフィア。
1998年。「アクア」「アリア」「アリーナ」からのベスト。2枚組。
1999年。
1999年。
2000年。「アクア」「アリア」「アリーナ」からのベスト。2枚組ではなく1枚。
2000年。
2000年。ベスト盤。
2001年。公式サイトに「Poor」と書かれているライブ。
2001年。82年から90年までの、オーディエンス・レコーディングを4枚組で発売。海賊盤のまがいもの。
2001年。97年の「Live Bootreg」の抜粋。
2001年。
2001年。ベスト盤。
2001年。5年ぶりのスタジオ盤。ジェフ・ダウンズとジョン・ペインのプロジェクトと化しており、それ以外のメンバーは不定。コンテンポラリーなロック。
2001年。ボーカルがグレッグ・レイクの唯一の公式音源。「ASIA IN ASIA」のライブ。グレッグ・レイクはほぼレコード通りのメロディーで、ほとんど違和感はない。スティーブ・ハウのアコースティックギターソロ、ジェフ・ダウンズのキーボードソロもある。「この夢の果てまで」のなかでドラムソロもある。
2002年。ジョン・ウェットン時代のスタジオ盤をリマスターした2枚組。
2002年。97年の「Live Bootreg」の抜粋。2回目。
2002年。2002年10月のライブ。
2003年。
2003年。
2003年。90年、兵庫でのライブ。
2004年。ドラムはクリス・スレイド。近年の作品の中ではいい曲が多い。イエスのキーボード奏者、ビリー・シャーウッドが作曲にかかわった2曲はすばらしい。ハードな曲がもう少しあれば名作になりうる。「ダークネス・デイ」のイントロ部分はミサ曲と思われる。
2007年。ライブ盤。結成時のメンバーによるライブ。2008年に2枚組も発売されている。
2007年。結成時のメンバーでの2007年のライブ。曲はすべて「詠時感」「アルファ」から選曲している。「ラウンドアバウト」はイエス、「クリムゾン・キングの宮殿」はキング・クリムゾン、「庶民のファンファーレ」はエマーソン・レイク&パーマー、「ラジオ・スターの悲劇」はバグルスのカバー。
2008年。1983年の「アルファ」以来25年ぶり、デビュー時のメンバーによるアルバム。12曲のうち7曲はジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズの共作。3部構成になっている曲が2曲あり、両方とも8分ある。それ以外の曲は4、5分。オープニング曲は「アストラ」の雰囲気。「ヒロイン」はかつての「嘘りの微笑み」を思い出させるメロディーだ。同様に「アリバイズ」は「ハード・オン・ミー」を、「シャドウ・オブ・ア・ダウト」は「ヒート・ゴーズ・オン」を思い出す。「オーチャード・オブ・マインズ」はグラバスのカバー。「詠時感」や「アルファ」とほとんど同じようなメロディー、サウンドでもまったくかまわないが、エイジアとしては大作のプログレッシブ・ロックを2曲含んだところが