2010年。ギターとキーボードでメロディーを作るロック・ポップス。アリエル・ピンクはキーボードとしてオルガン、ファルフィサを使うため音が古風だ。曲によってキーボードが雰囲気を決定するため、1970、80年代風になる。インディーズなので装飾は少なく、華やかさよりはバンドで再現可能な音となっている。若干の編集はされているが、エレクトロニクスや電子音はほとんど使われない。
2012年。5人のメンバーが曲ごとに楽器を持ち替え、多くの曲はギター、キーボードを主体とするポップスとなっている。1970年代風の雰囲気が多い。80年代ポストパンク、ニューウェーブなど、イギリスが発信地であるジャンルに近いサウンドが多いのは、アリエル・ピンクがザ・キュアーのファンだからかもしれない。こもり気味の音をそのままにしている点は2000年代的と言えるが、バンドサウンドとしての実体は古風だ。