1975年。ボーカル兼ギターのデイビッド・パックを中心とする4人組。キーボードを含む。アメリカ西海岸もバンドだが、通常のロック・ポップスよりはアレンジが凝っており、その部分が独自性として記憶される。人によってはそれをプログレッシブ・ロックと評する。ヒットした「涙のイエスタデイ」は、ギターを中心としたイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」の哀感をキーボードで表現したような感じ。どの曲も大仰さを抑えたドラマチックさがすばらしい。「ラヴァー・アライブ」「ドリンク・オブ・ウォーター」収録。全米22位。「涙のイエスタデイ」は17位、「ナイス、ナイス・ベリー・ナイス」は63位。「アンブロージア」とはギリシャ神話の「不老不死の食べ物」の名前。飲み物の方はネクターという。プログレッシブ・ロックのネクター、不二家のネクターはここから来ている。
1976年。邦題「ピラミッドの伝説」。アラン・パーソンズがプロデュース。オーケストラを一部に大胆に導入し、最も実験色の濃い作品。「カウ・ボーイ」は前半と後半でまったく曲調が異なる。後半は完全にクラシック。「ダンス・ウィズ・ミー・ジョージ」はショパンのピアノ協奏曲を借用。全米79位。
1978年。邦題「遥かなるロスの灯」。キーボードが抜け、デイビッド・パックがボーカル兼ギター兼キーボードになった。オーケストラは使わず、デビュー盤よりもポップになった。キーボードの音色にアメリカン・プログレッシブ・ハードロックの雰囲気を残している。「君らしくない夜」収録。全米19位。「お前に夢中」は3位。
1980年。邦題「真夜中の晩餐会」。キーボードが復帰し、さらにもう1人のキーボードと専任ボーカルが加入し、6人編成に。前作と同路線。ボーカルが4人いることでコーラスが厚く多彩になり、「シェイプ・アイム・イン」や「オン・マイ・オウン」はそのような利点を生かしている。全米25位。「愛にときめいて」は13位、「ビゲスト・パート・オブ・ミー」は3位。
1982年。オープニングから3曲はハードロック。後半はアダルト・オリエンテッド・ロックとハードロックが両方出てくる。ロックのハードさはこのアルバムが最も出ているかもしれないが、これまでのプログレッシブ・ロック路線、あるいはバラードのヒットによるイメージを意識的に覆そうとした印象を受ける。全米115位。
1985年。アンブロージアの中心人物だったデイビッド・パックのソロアルバム。ドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルド、トトのジェフ・ポーカロ、アンブロージアのジョー・プエルタ、バーリー・ドラモンド等が参加。カンサスのケリー・リブグレン、ジョン・エレファンテも参加。アダルト・オリエンテッド・ロック。
2003年。85年から90年ごろの未発表曲集。