1983年。ジューダス・プリーストとスコーピオンズに影響を受けたようなサウンド。他の多くの地方バンドと同じようにボーカルが弱い。声の音域は広くなく、デビュー当初のヨーロッパやヴァンデンバーグのようにやや声がこもる。「チャイルド・オブ・ザ・ナイト」はジューダス・プリーストの「エキサイター」、「ウーマン・イン・ホワイト」はライオットの「炎の叫び」を思わせる。「ナイトウィンド」収録。
1984年。ハードロックバンドとして曲の質が上がり、この当時の北欧のバンドでは上位に入るだろう。ボーカルハーモニーの音にも工夫がみられる。「ミストリーテッド・アイズ」はいい曲だ。「ファイアフォール」収録。
1985年。英米のヘアメタル、グラムメタルとほぼ同じサウンドになり、サビの連呼やギターソロなどはロサンゼルスのハードロックとあまり変わらない。アルバムタイトル曲や「シークレット・ダンス」のような、ギターで駆動していくミドルテンポの曲は国籍を感じさせない。非英語圏のハードロックバンドにとって、英米のヘアメタルが目指すべき目標だったことを確認させるアルバム。
1988年。ボーカルが交代したかのように錯覚するほどボーカルが安定し、音域が高くなっている。ギターの音の種類を増やし、コーラスの整合感を大きく引き上げた。「アイム・オン・ファイアー」「ビート・オブ・マイ・ハート」「アイ・トゥ・アイ」「スティル・イン・ラヴ」は同時代のハードロックの中でも名曲になるだろう。代表作。日本盤と海外盤は曲順が異なる。このアルバムの発売後、1992年に解散。
1997年。再結成。90年前後に録音した曲を収録しているので「アイ・トゥ・アイ」に近いサウンドになっている。ロックンロール調の曲もある。この時期に80年代型のハードロックのサウンドで、グランジやオルタナティブロックの影響をほとんど受けていないアルバムを出すことは挑戦的だ。「ビフォー・ユー・ゴー」は「ビート・オブ・マイ・ハート」を思わせる。ボーナストラックは82年に出したデビューシングルの2曲を世界共通で収録している。日本盤はさらに2曲収録している。
2015年。ボーカルが交代し、ベースが抜け4人編成。一般的なハードロックになり、サウンドを整えるために若干のキーボードも使う。デビュー当初から英米のヘアメタルを追求し、特にこのバンドだけにしかない個性自体は薄かったため、再始動してもそれほど特徴のあるサウンドにはならない。アルバムを出したことと、以前とそれほど変わらないサウンドを維持していることで、安心感を与えることが目的のようになってしまった。