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SARAH BRIGHTMAN

1
THE TREES THEY GROW SO HIGH
1988年。邦題「ザ・ツリーズ・ゼイ・グロウ・ソー・ハイ」、後に「夏の最後のバラ~フォーク・アルバム」「夏の最後のバラ・フォークソング集:ベンジャミン・ブリテン編」。イギリスの民謡を、歌曲のようにピアノ伴奏のみで歌う。ブリテンが編集した民謡集をもとに選曲しており、「ああ、ああ」「庭の千草」「木々は高だかと」等を歌っている。同一の曲であってもメロディーや拍子や歌い方が多様な民謡を、ブリテンによるクラシック風編曲で、クラシックの様式で歌うことは、民謡を日常の文化から切り離し、質の高い芸術であると認めさせる政治性がある。ただ、サラ・ブライトマンにはそのような認識はないだろうし、純朴に歌っているだけだろう。「ああ、ああ」は「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」で知られる曲。録音は1986年なのでサラ・ブライトマンは26歳前後であり、声はまだできあがっていない。日本盤は1998年発売。
2
THE SONGS THAT GOT AWAY
1989年。ミュージカルの有名曲ではなく、知られなかった曲を中心に選曲したアルバム。伴奏もミュージカル風のオーケストラやジャズバンドになっている。「ドレッタの夢の歌」のみ、プッチーニの「つばめ」から選曲したクラシック曲。「サイレント・ハート」「ハーフ・ア・モーメント」のような曲では、クラシック的な歌い方を習得していることが活かされている。日本盤は2007年発売。
3
AS I CAME OF AGE
1990年。バンドサウンドでポップス、ロックを歌う。オープニング曲の「リヴァー・クライド」はマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」等を作曲したビリー・スタインバーグとトム・ケリーの作曲で、曲も80年代女性歌手に近い。2曲目以降もキーボードとギターを主体としたロック、ポップスのサウンド。サラ・ブライトマンの歌い方も通常の女性歌手と同じだ。「テイク・マイ・ライフ」はビリー・スタインバーグとトム・ケリーがアンドリュー・ロイド・ウェバーと共作し、デイヴィッド・キャンベルがストリングスの編曲をしている。「グッド・ノーニング・スターシャイン」はロック・ミュージカルの「ヘアー」の曲。「アローン・アゲイン・オア」はラヴのカバー。「イエスタデイ」はエイミー・マンの作曲。アンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲した「ラヴ・チェンジズ・エヴリシング」がミュージカルの雰囲気を残しており、ロック寄りのアルバムの中では異色だ。バックの演奏はワディ・ワクテル、マイケル・ランドウ、アンドリュー・ゴールド等が参加している。ソロアルバムの最初の3枚で異なる種類のアルバムを提示したことになる。日本盤は1992年発売。このアルバムで日本デビュー。
4
SINGS THE SONGS OF ANDREW LLOYD WEBBER
1992年。邦題「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソング・ブック」、後に「麗しのメモリー~サラ・ブライトマン・ベスト」。アンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲したミュージカル曲を収録。14曲のうち10曲はサラ・ブライトマンがこのアルバムのために録音し、4曲は80年代にミュージカルで歌った原曲をそのまま収録している。「オペラ座の怪人」の「ファントム・オブ・ジ・オペラ(オペラ座の怪人)」はコックニー・レベルのスティーヴ・ハーリー、「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」はクリフ・リチャードが参加している。「ザ・ソングス・ザット・ガット・ウェイ」よりも曲調に幅があり、曲自体が新しいこともあってポップスに近い。
5
DIVE
1993年。水、海、航海、雨などをテーマとするポップス系のアルバム。エニグマのメンバーがプロデュースしている。ほぼ固定されたメンバーによるバンドサウンド。ビブラートをあまり効かさない、ポップスに合わせた歌い方をしている。ただ、ポップスのアルバムは他の女性歌手との違いを出すことが難しくなる。ミュージカル、クラシック、ポップスをバランスよく歌う方が個性を出しやすいのではないか。「キャプテン・ニモ」収録。
6
SURRENDER
1995年。邦題「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソングブックII」、後に「サレンダー」。アンドリュー・ロイド・ウェバーのミュージカル曲を歌ったアルバムの2枚目。「ジーザス・クライスト・スーパースター」の「エヴリシングズ・オールライト」、「レクイエム」の「ピエ・イエス」、「オペラ座の怪人」の「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」は「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソング・ブック」収録曲と同一。「キャッツ」の「メモリー」はイタリア語、「エビータ」の「アルゼンチンよ泣かないで」はスペイン語で収録。「フレンズ・フォー・ライフ」はホセ・カレーラスとデュエットしている。アンドリュー・ロイド・ウェバーが曲ごとにコメントをつけているのがポイント。「ウィズ・ワン・ルック」「メモリー」のイタリア語バージョンがハイライトか。
7
FLY
1995年。「ダイヴ」と同じエニグマのメンバーがプロデュースしたポップスのアルバム。「ダイヴ」よりもシンセサイザーの割合が増えたが、バンドサウンドは維持している。ドラムはシンプル・マインズの屋敷郷太、ストリングス編曲はソフト・マシーン、アディエマスのマイク・ラトリッジ。「ハウ・キャン・ヘヴン・ラヴ・ミー」「クエスチョン・オブ・オナー」が突出して出来がよく、クラシックとポップスの歌い方を両方使う「クエスチョン・オブ・オナー」はこれまでの集大成のような曲だ。クラシック曲、ミュージカル曲とポップスの曲をアルバム単位で発表していたのを、同一の曲でクラシックとポップスの両方を取り入れた点で新機軸だ。「ハウ・キャン・ヘヴン・ラヴ・ミー」はマンフレッド・マンズ・アース・バンドのクリス・トンプソン、「サムシング・イン・ジ・エアー」はトム・ジョーンズとデュエットしている。「アイ・ラヴド・ユー」はボブ・ディランと60年代後半、70年代前半のヒット曲を歌詞に含めた曲。日本盤が同時期に出なかったのは痛恨とも言えるが、2006年に「クエスチョン・オブ・オナー」として発売。
8
TIMELESS
1996年。邦題「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」。ポップス、クラシックの曲を、時代に関係なくカバーしている。その意味での「タイムレス」となっている。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」以外の11曲はロンドン交響楽団が演奏しているが、曲に応じてドラムも使われている。「リヴ・フォーエヴァー」はクイーン、「テ・キエレス・ボルベール」はジプシー・キングスのカバー。アンコール・トラックとしてプッチーニの「私のお父さん」、モーツァルトの「アレルヤ」が入っており、これも含めると映画音楽、クラシック曲、ポップスがバランスよく入っている。カタラーニの「さようなら、ふるさとの家よ」は前作の「クエスチョン・オブ・オナー」で挿入されたクラシック曲。アンコール・トラックとなっているモーツァルトの「アレルヤ」は、コロラトゥーラ的なメロディーも歌えることを示しており、歌唱力の証明として機能している。盲目のテノール歌手、アンドレア・ボチェッリと協演した「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」が世界的にヒットし、アルバムもヒットした。日本盤は1997年発売。
TIME TO SAY GOODBYE
1997年。「タイムレス」のアメリカ、日本盤。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」をアルバムの冒頭に持ってきている。
9
EDEN
1998年。「ダイヴ」「クエスチョン・オブ・オナー」に続きエニグマのメンバーがプロデュースしているが、バンド演奏ではなくオーケストラが演奏している。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を踏襲するサウンド。プッチーニの「誰も寝てはならぬ」、ヘンデルの「私を泣かせてください」、カンサスの「すべては風の中に」、セリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」のほか、民謡、映画音楽などを歌う。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」はサラ・ブライトマンがアンドレア・ボチェッリの部分も歌うソロバージョン。日本盤は1999年発売。
10
LA LUNA
2000年。オープニング曲を「ラ・ルーネ」、エンディング曲を「ラ・ルーナ」としているが、アルバム全体は月に関する曲ばかりというわけではない。民謡が減り、クラシック由来の曲とポップスが多くなっている。「スカボロー・フェア」は民謡と呼べなくはないが、サイモン&ガーファンクルのイメージが強い。「青い影」はバッハの曲をもとにしたプロコル・ハルムのヒット曲。クラシックはドボルザークの「ルザルカ」のアリア、ベートーベンの交響曲第7番第2楽章とラフマニノフの歌曲、ヘンデルの歌曲を選曲。クラシックやポップスよりも、クラブミュージックのトリップホップから2曲歌っていること、ダミアの「暗い日曜日」を選曲していることがこのアルバムの重要な点。ボーナストラックはビー・ジーズの「若葉のころ」をカバーしている。
THE VERY BEST OF 1990-2000
2001年。ベスト盤。
CLASSICS
2001年。「アヴェ・マリア~サラ・ブライトマン・クラシックス」。過去のアルバムからクラシック風の曲を集めている。シューベルトの「アヴェ・マリア」、ショパンのノクターン、タレルガの「アルハンブラの思い出」を新たに収録し、プッチーニの「私のお父さん」は新たに録音。アンドリュー・ロイド・ウェバーの「ピエ・イエス」もクラシック風に歌われるので収録されている。「ウィンターライト」はリンダ・ロンシュタットのカバーで、ポップスの歌い方。ボーナストラックとしてドニゼッティの「ランメルモールのルチア」の「あたりは沈黙に閉ざされ」がライブ録音で収録されており、この企画盤の聞き所はこの曲にある。「ランメルモールのルチア」の「あたりは沈黙に閉ざされ」は、オペラの中でも特に難易度の高い第二幕の「香炉はくゆり」、通称「狂乱の場」ではないが、第一幕のハイライトになる曲。音階の跳躍が大きいので、高度な技術を必要とすることに変わりはない。ライブバージョンでこの曲を収録した意味は、「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」のボーナストラックでモーツァルトの「アレルヤ」を収録したのと同じ。
ENCORE
2002年。「もし私がふたたび恋に落ちたら」。ミュージカル曲のベスト盤。15曲のうち3曲が未発表曲。
11
HAREM
2003年。アルバムタイトルの「ハレム」とは「ハーレム」。中東を思わせる管楽器のメロディーとパーカッションを多用する。リズムはエレクトロニクス中心。ポップスに近い曲であっても中近東のアーティストがボーカルや作曲で参加している曲が多い。欧米のポップスに中近東のサウンドを取り入れるのは、ブルースやジャズ、ヒップホップを白人が商業化していったのと同様の略奪性を思わせる。「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」はプッチーニの「ある晴れた日に」とエレクトロニクスのリズムとポップスのメロディーを合成している。「この素晴らしき世界」はルイ・アームストロングのカバー。クラシックの歌い方は「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」の「ある晴れた日に」の部分くらいしか出てこない。ボーナストラックの「サラバンド」はザ・フーの「トミー」序曲に似たサウンドで、ヘンデルのハープシコード組曲第2集から選曲。「サラバンド」の語源はアラビア語という説もあるので、このアルバムの内容と合っている。
THE HAREM TOURーLIVE FROM LAS VEGAS
2004年。ライブ盤。
LOVE CHANGES EVERYTHING-THE ANDREW LLOYD WEBBER COLLECTION:VOLUME TWO
2005年。邦題「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソング・ブック2~ラヴ・チェンジズ・エヴリシング」。1995年にも「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソングブックII」という邦題でミュージカル曲のベスト盤を出していたが、2007年に「サレンダー」と改題されている。
FLY
2006年。邦題「クエスチョン・オブ・オナー」。ジャケットを変更した日本盤。
DIVA:THE SINGLES COLLECTION
2006年。邦題「輝けるディーヴァ~ベスト・オブ・サラ・ブライトマン」。ポップスとミュージカルを両方収録したベスト盤。サラ・ブライトマンはポップスとミュージカルではレコード会社が異なっているので両方の曲が1つのCDに収録するのは難しかった。日本で最も販売枚数の多いアルバム。
12
SYMPHONY
2008年。邦題「神々のシンフォニー」。演奏の根幹をバンドサウンドとオーケストラで担い、エレクトロニクスから離れた。「嘆きの天使」「大いなる世界」「ビー・ウィズ・ユー~いつもそばに」「サライ・クイ」「ランニング」はドラムが効いたロックで、「嘆きの天使」はシンフォニック・ハードロックだ。オープニング曲の「ゴシックの夢」はイントロ。「嘆きの天使」は原題がボードレールの「悪の華」で、歌詞は英語とフランス語を織り交ぜているが、邦題は異なる題を付けている。「シュヴィア・トローメ」はドイツ語、「大いなる世界」「サライ・クイ」「アテッサ」はイタリア語、「パシオン」はスペイン語。「シュヴィア・トローメ」はマーラーの交響曲第5番、「アテッサ」はマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲を原曲としているが、「シュヴィア・トローメ」はポップス風、「アテッサ」はクラシック風に歌っている。「サンヴィーン」はデッド・カン・ダンスのボーカルのソロ作、「ビー・ウィズ・ユー~いつもそばに」はシセル・シルシェブー、「サライ・クイ」はフェイス・ヒルのカバー。「ビー・ウィズ・ユー~いつもそばに」はキッスのポール・スタンレーとデュエットしている。日本盤ボーナストラックは坂本龍一・デイヴィッド・シルヴィアンの「禁じられた色彩」のカバー。
13
A WINTER SYMPHONY
2008年。邦題「冬のシンフォニー」。
AMALFI-SARAH BRIGHTMAN LOVESONGS
2009年。映画「アマルフィ・女神の報酬」をイメージしたアルバム.サウンドトラック盤ではない。過去のアルバムから選曲している。新曲やバージョン違いはない。日本のみの発売。
14
DREAMCHASER
2013年。「ダイヴ」から「冬のシンフォニー」まで続いたプロデューサーを変え、20年ぶりに新しいプロデューサーが関わっている。したがってサウンドも変わり、エレクトロニクスとストリングスが中心となっている。コーラスが多くなり、曲によってはサラ・ブライトマンと重なるため、歌唱力を前面に出す歌手の曲としては。「グロウソウリ」はシガー・ロスのカバーで、シガー・ロスの音楽性を考えると、後半の壮大さを増幅するコーラスはあってもよい。現代音楽の有名曲であるグレツキの「悲歌のシンフォニー」は原曲がソプラノとオーケストラだが、この編曲ではコーラスがかなり加えられている。ナチスの強制収容所に書かれた文が詞になっていることを考えれば、装飾は抑制するべきだった。中世のビンゲンによる「アヴェ・マリア」は、原曲を大幅に改作し、ほとんどコーラスだけで歌うアディエマスのような曲になっている。「エバドゥ」「インドの歌」ではもはや過剰だ。このアルバムを、サラ・ブライトマンとプロデューサーのデュオの作品ととらえればこのサウンドでも十分質を保っている。「エバドゥ」はコクトー・ツインズのカバー。日本盤ボーナストラックは久石譲作曲、宮崎駿作詞の「風のとおり道」を日本語で歌う。
VOCE-SARAH BRIGHTMAN BEAUTIFUL SONGS
2014年。ベスト盤。テレビや映画で使われた曲を中心に選曲。ジャケットは「アマルフィ」のブックレットから借用。
GAIA-SARAH BRIGHTMAN THE COLLECTION
2016年。ベスト盤。日本公演で歌われる曲を中心に選曲。

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