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1978年。ロックンロール的なセックス・ピストルズからダブを基本とするパブリック・イメージ・リミテッドに変わり、特にベースの低音はロックではないことを強調する。オープニング曲の「テーマ」は9分。「レリジョンⅠ」は1分半の語りで、「レリジョンⅡ」につながる。ロックとして聞けるのは「アナリサ」「パブリック・イメージ」。最後の「フォダーストンプ」はダブのベースとリズムマシーンの奥でジョン・ライドンが叫ぶように歌い、聞き手を突き放す。
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SECOND EDITION
1980年。邦題「メタル・ボックス(セカンド・エディション)」。ダブ由来のベースの低音と、鋭利なギターの高音の間を埋めないため、両方が聞き取りやすい。前作に続きオープニング曲は10分半の大作。「スワン・レイク」はギターがチャイコフスキーの「白鳥の湖」を引用している。「ポップトーンズ」「キャリアリング」は意識してロックではないポップスをやろうとしており、「ソーシャリスト」はダンス音楽のビートになっている。「ザ・スーツ」はギターが出てこない。
PARIS AU PRINTEMPS
1980年。邦題「P.I.L.パリ・ライヴ」。ライブ盤。ドラムが交代している。7曲のうち3曲が「パブリック・イメージ」、4曲が「メタル・ボックス」収録曲で、演奏はそれほど大きく変えていない。歓声はあまり聞こえない。セックス・ピストルズ、あるいはパブリック・イメージ・リミテッドの「パブリック・イメージ」に近いサウンドを持つのは「ロー・ライフ」「アタック」だろう。「バッド・ベイビー」のイントロでローリング・ストーンズの「サティスファクション」とザ・フーの「マイ・ジェネレーション」のイントロが演奏される。
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THE FLOWERS OF ROMANCE
1981年。ベースが抜け3人で録音。ダブを意識したサウンドから第三世界、特にアフリカ、中東を思わせるサウンドに変わった。ベースがない曲もあるが、ベースがある曲はギターが代役で弾いている。「フォー・インクロウズド・ウォールズ」「フェナジェン」、タイトル曲などは中東、東洋風、「アンダー・ザ・ハウス」「ゴー・バック」はバウ・ワウ・ワウのようなアフリカ風のリズム。
LIVE IN TOKYO
1983年。ライブ盤。ギターが交代し、ベース、キーボードが加入、5人編成。「パリ・ライヴ」よりは歓声が大きい。「ソリテア」「ラヴ・ソング」「バッド・ライフ」は新曲で、キーボードの存在を前提とした曲になっている。「デス・ディスコ」は「スワン・レイク」のタイトルを変更した曲。
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THIS IS WHAT YOU WANT...THIS IS WHAT YOU GET
1984年。邦題「ジス・イズ・ホワット・ユー・ウォント」。ゲイリー・バーナクルが参加し、ジョン・ライドンとともにホーンセクションを担当する。キーボードのメンバーもいるため、前作に比べ音は多彩だ。「タイ・ミー・トゥ・レングス・オブ・ザット」は前作のビート中心のサウンを受け継ぐが、最後の「オーダー・オブ・デス」はシンセサイザー中心のニューウェーブ、シンセポップと呼べるサウンドで、ロックバンドとしての緊張感とは逆方向のものがある。
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ALBUM
1986年。実質的にジョン・ライドンの個人プロジェクトとなり、ベースのビル・ラズウェルがプロデューサー、作曲者となって全面的にアルバム制作を指揮している。ギターに当時アルカトラスのスティーヴ・ヴァイ、ベースにビル・ラズウェル、ドラムに元クリームのジンジャー・ベイカー、元マイルス・デイヴィスのトニー・ウィリアムス、キーボードに坂本龍一、パーラメント、ファンカデリックのバーニー・ウォーレルが参加する。参加すると言っても実質的にはサウンドの主導権を取っており、これまでのパブリック・イメージ・リミテッドを思い起こさせる部分はほとんどない。「ライズ」「フィッシング」「バグス」「ホーム」「イーズ」など、スティーヴ・ヴァイが活躍する曲はハードロックで、厚めのシンセサイザーも時代を反映している。ビル・ラズウェルがジョン・ライドンを使って面白いものを作ろうとしたことは読み取れるが、80年代ファンクとハードロックの範囲内に収まったサウンドになり、驚きが少なくなってしまった。
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HAPPY?
1987年。ギター2人、ベース、ドラムを呼んで5人編成に再編。ギター中心のサウンドになり、アンサンブルの整合感も高い。シンセサイザー、女性コーラスも使う。前作ほど派手ではないもののハードロックの影響を受けたサウンドがあり、「オープン・アンド・リヴォルヴィング」はギターソロらしき演奏も聞ける。
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9
1989年。ギターが1人抜け4人編成。前作に近いサウンドで、ややキーボードが少なくなったか。新しい音を取り入れるエネルギーはもうジョン・ライドンにはなかったようで、ポップなロックがある程度の質を保って10曲並ぶ。女性コーラスも使われるのも前作と同じ。これまでで最も平凡な変化だ。
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THAT WHAT IS NOT
1992年。ジョン・ライドンとギター、ベースの3人を中心に、ギターとドラムをゲスト参加を招いて5人で録音している。硬質のギターが前面に出たロック。若干のキーボードも女性コーラスも使われるが、その量はこれまでで最も少ない。ギター主導のロックとして「ゴッド」「ラヴ・ホープ」「シンク・タンク」「エンペラー」はいい曲だ。「ラックス・アップ」はギターがストーナーロックのように重い。「カヴァード」「グッド・シングス」のホーンセクションはタワー・オブ・パワー。オープニング曲の「アシッド・ドロップス」はエンディングにセックス・ピストルズの「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」の有名なフレーズ「ノー・フューチャー」がサンプリングされている。アンサンブルを重視したロックという点ではパブリック・イメージ・リミテッドの最高作ではないか。このアルバムで解散。
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THIS IS PIL
2012年。再結成。4人編成。

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