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HEAVENLY/KARELIA

1
COMING FROM THE SKY/HEAVENLY
2000年。4人編成。フランス出身。典型的なヨーロッパ型ヘビーメタル。フランス出身だから他のバンドとどこか変わっているかといえば、それほど違うところは見あたらない。ドイツから出てきてもおかしくないサウンドだが、このバンドの意義はフランス語を母国語とする人が初めて世界水準のヘビーメタルをやったこと。ロックは音節言語であれば多少言葉が異なっても世界的に受け入れられる可能性があるが、拍言語であるフランス語と日本語は受け入れられにくい。これはフランス人や日本人がたとえ英語でロックをやってもロックのリズム感が出せないことを意味しており、ロックをやろうとする者にとっては重大な問題だ。ボーカルはガンマ・レイ、プライマル・フィアのラルフ・シーパースに似ている。コーラスはアイアン・セイヴィアー風。ガンマ・レイのカイ・ハンセンがボーカルで、トーマス・ナックがドラムで、アイアン・セイヴィアーのピート・シールクがギターとボーカルで参加。
2
SIGN OF THE WINNER/HEAVENLY
2001年。ギターとベースが交代。ほぼ全曲がヨーロッパ型ヘビーメタルで、その筋からそれたような曲はない。ハロウィン、ガンマ・レイ直系のサウンド。「ジ・エンジェル」はこのジャンルではかなり短い2分の曲。
3
DUST TO DUST/HEAVENLY
2004年。ギターが1人増え5人編成。3部構成で70分を超えるコンセプト・アルバム。ボーカルがボーカル兼キーボードになり、初めて楽器としてキーボードを使用している。第1部は過去、第2部は現在、第3部は戦い。カバーではなく自作曲の日本語バージョンが入っているのは重要。人間のリズム感は母国語が何であるかに支配されており、ロックは英語のリズム感をもとにできあがっている。世界で拍言語を使っているのはフランス語と日本語だけであり、日本語に合うリズム感と歌詞を苦労なく作ることができるのはフランス語圏の人ぐらいである。英語のリズム感に日本語をあてはめているのではなく、フランス語のリズム感がそのまま日本語のリズム感に一致する。
4
VIRUS/HEAVENLY
2006年。ギター、ベース、ドラムが交代。全曲をボーカルが作詞作曲している。ソナタ・アークティカのボーカル、アダージョのキーボード、ララクライのボーカルが参加している。キーボードも使い、くせのないガンマ・レイのようなサウンドになっている。ボーカルの声や歌い回しがガンマ・レイのカイ・ハンセンに似ているときがあるので、ヨーロッパ型ヘビーメタルというだけでガンマ・レイと比較されることがある。ボーカルの声が変わってもガンマ・レイのようなサウンドと判断できるかといえば、そうは思われない。質の高いヨーロッパ型ヘビーメタルと評価するだろう。「ホエン・ザ・レイン・ビギンズ・トゥ・フォール」はジャーメイン・ジャクソンのカバー。ララクライの女声ボーカルとデュエットしている。「スピル・ブラッド・オン・ファイア」はボーナストラックとして日本語バージョンが収録されている。2、3回聞いても日本語とは分からない。
5
CARPE DIEM/HEAVENLY
2009年。ドラムが交代。「ロスト・イン・ユア・アイズ」はエドガイ、「フェアウェル」はクイーン、「ベター・ミー」はガンマ・レイまたはエドガイを思わせるサウンド。「オード・トゥ・ジョイ」はベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」の「歓喜の歌」を使用しており、ボーカルの歌い方はハロウィンのマイケル・キスクを意識している。コーラスが厚めのドラマチックなヘビーメタルを明快に志向し、影響もとを隠さなくなった。大仰なバラードがないのは、この手のサウンドとしては珍しい。9曲で45分。ボーナストラックを含めても48分。
 
USUAL TRAGEDY/KARELIA
2004年。キーボードを含む5人編成。フランス出身。ギターはヘヴンリーの初代ギター。声楽家6人が参加し、オペラのような合唱を担当している。キーボードもオーケストラを想像させる音が中心。セリオンがヨーロッパ型ヘビーメタルになった感じだが、ボーカルの力量がやや不足しているか。カレリアは、日本人にとっては60年代エレキ・ブームで活躍したスウェーデンのスプートニクスの「霧のカレリア」でなじみが深い名前。ロシアとフィンランドの国境線に隣接するロシア領の地名で、北欧神話やゲルマン民族のルーツはカレリア地方にあるとされている。いわば、アルプス山脈以北のヨーロッパ人の故郷。「ディザーター」はパッヘルベルのカノンを使用していると思われる。
 
RAISE/KARELIA
2005年。ギターが抜けベースが加入。前作と同路線で、「チャイルド・ハズ・ゴーン」は女声ボーカル。ボーカルの力のなさが目立つ。曲の大仰さに頼り、アレンジ面での工夫が乏しい。合唱隊が入っているだけでは売りとして苦しい。「ハイ・ホープス」はピンク・フロイドのカバー。

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