HardrockHeavymetal.com

はてなブックマークに追加

BJORK

1
DEBUT
1993年。アイスランドのロック・バンド、シュガーキューブスの女性ボーカルのソロ・アルバム。ボーカルはほぼ全ての部分でビョークの単声で、重ね録りは少ない。エレクトロニクスやプログラミングを用いたポップスが中心。パーカッション、ストリングス、キーボードがメロディーを主導し、ギターの音はほとんど出る幕がない。このアルバムに限らず、ビョークのアルバムは、再現不可能なようでありながら歌手としての実力がよく分かるボーカルが個性となっている。バックでどんな演奏が展開されていようとビョークの声があればそれがビョークのサウンドだ。
 
HUMAN BEHAVIER
1993年。シングル盤。「ヒューマン・ビヘイヴィアー」とそのバージョン違い計6曲収録。
VENUS AS A BOY
1993年。邦題「少年ヴィーナス」。シングル盤。「ヴァイオレントリー・ハッピー」はオルガンだけで演奏される。
 
PLAY DEAD
1993年。シングル盤。「プレイ・デッド」とそのバージョン違い計4曲。
VIOLENTLY HAPPY
1994年。シングル盤。「アンカー・ソング」「来て…」「ヒューマン・ビヘイヴィアー」はスペインでのアコースティックライブ。
BIG TIME SENSUALITY
1994年。シングル盤。
2
POST
1995年。楽器が全体的にアコースティック、器楽中心になり、エレクトロニクス、キーボードの使用は減った。意図してやっているとは思わせないで、自らをうまくコントロールできないと歌えないであろうボーカルは、それだけで価値である。実際は音楽教育を受けているというが、そうした教育や訓練を受けていないかのような歌い方が、ポピュラー音楽慣れした聞き手に新鮮に映る。オーケストラ編曲は70年代に「ツァラトゥストラはかく語りき」をヒットさせたブラジル人キーボード奏者、エウミール・デオダート。
 
ARMY OF ME
1995年。シングル盤。「アーミー・オブ・ミー」とそのバージョン違い計5曲。
 
ISOBEL
1995年。シングル盤。「イゾベル」とそのバージョン違い計4曲。
IT'S OH SO QUIET
1995年。シングル盤。「ハイパーバラッド」のバージョン違い2曲収録。
HYPERBALLAD
1996年。「ハイパーバラッド」とそのバージョン違い計4曲。
JOGA
1997年。シングル盤。「イマチュア(ビョークス・バージョン)」はアルバム収録曲とは違うバージョン。
3
HOMOGENIC
1997年。ドラム、ベース等のリズムは人工的サウンド中心になり、メロディーはオーケストラやキーボードによるストリングスが多い。アルバムの統一感は過去最高ではないか。アコーディオンは日本のCOBAが参加。「ハンター」「ヨーガ」収録。謝意のところにRZAとウータン・クランの名前がある。
 
BACHELORETTE/JOGA
1998年。「バチェラレット」と「ヨーガ」のバージョン違いを各5曲、計10曲収録。
4
SELMASONGS
2000年。ビョークが主演した映画のサウンドトラック。過去のアルバムよりも厚いオーケストラサウンド。女優のカトリーヌ・ドヌーブ、レディオヘッドのトム・ヨークとデュエットしている。
5
VESPERTINE
2001年。「ホモジェニック」と同系統のサウンド。インダストリアル・ロック寄りともされる。「ペイガン・ポエトリー」はすばらしい。しかし、この雰囲気とボーカルはマンネリ化を招きつつある。
HIDDEN PLACE
2001年。シングル盤。「ヴェランディ」はオーケストラを使ったいい曲。アルバムに収録してもよかった。
 
PAGAN POETRY
2001年。シングル盤。
 
COCOON
2002年。シングル盤。
GREATEST HITS
2002年。ベスト盤。ファンの人気投票による選曲なので、人気曲が集まっている。「イッツ・イン・アワ・ハンズ」は新曲。解説には人気投票の順位、これまでのアルバム、シングル、DVDのリストが掲載されている。
 
IT'S IN OUR HANDS
2002年。シングル盤。
6
MEDULLA
2004年。ほとんどの音を人間の声で実現している。ピアノ以外の音はすべて人間の声だというが、だからすばらしいというわけではない。声はビョーク以外の人も使っており、加工しすぎて人間の声に聞こえない音もある。独自の世界を築いているが、それはデビュー以来既に築かれており、今回新たな何かを築いたかどうかは分からない。
 
WHO IS IT
2004年。
7
VOLTA
2007年。「ホモジェニック」「ヴェスパタイン」の路線。パーカッションや減衰音を重ねてサウンドを作り、多彩な声で世界を作る手法は変わらない。「メダラ」がイレギュラーなサウンドだったので、それを除けば継続性があると言える。1曲目のイントロはジョン・コンゴスの「ステップ・オン」を思わせる。2、3曲目はホーン・セクションで聴かせる曲。2曲目はハウス風リズム、3曲目と10曲目は男声ボーカルとデュエット。5曲目は中国琵琶奏者が参加。「アース・イントゥルーダーズ」「ホープ」「イノセンス」はヒップ・ホップ系のティンバランドがプロデュースしており、「ホープ」はティンバランドの色が出ている。アフリカやアジアの民族楽器をポピュラー音楽に多用するのは、遅ればせながらの多文化主義、文化相対主義の具現化と解釈できる。
8
BIOPHILIA
2011年。エレクトロニクスと人の声でほとんどの音を作っており、スタジオで注意深く編集、合成されたサウンドになっている。未開世界の呪術や伝承音楽を人工的に再構築したような雰囲気がある。そのような雰囲気になるのは、演奏とともにビョークの眩惑的なボーカルが大きな役割を果たしている。「クリスタライン」「サクリファイス」「ミューチュアル・コア」はハードなテクノ・ビートが入る。
BIOPHILIA LIVE
2014年。ライブ盤。「バイオフィリア」収録曲を中心に、「ヒドゥン・プレイス」「イゾベル」等、過去のヒット曲を挟む。ギター、キーボードといった一般的な楽器を使わず、新しく考案された楽器を使う。個々の楽器がどういうものかというよりも、ほとんどの人が未聴の音であることを重視して使われている。アナログ楽器と技術の融合はビョークが生まれる前から試みられているが、それ自体よりもそこから出てくる音を通じて未聴感の拡大を狙っている。女性コーラスを24人も集めているのは、未聴の対極にある人間の声と対比しているとも言える。ロンドンでの録音。曲中は静かで、終わると歓声が上がるのは客層の特徴だろう。
9
VULNICURA
2015年。9曲のうち6曲には「9カ月前」から「11カ月後」までの副題がついている。ビョークはシンガー・ソングライターなので曲に個人的経験が反映されていくが、このアルバムではそれが強く出ている。特に「ブラック・レイク」では、エレクトロニクスによるリズムを休止してシンセサイザーを持続する部分に、聞き手の想像の余地を残す。副題のついていない3曲はストリングスがやや減るため、情緒に傾いた部分を少ない分、音楽的に独創性が残っている。「アトム・ダンス」から「クイックサンド」はそれほど陰鬱ではない。

HOMEご意見はこちら → webmaster@hardrockheavymetal.com