SOFT ROCK

  • アメリカの学生によるモダンフォーク、アフリカ系によるリズム&ブルース、モータウン、ガールズグループ、サーフィンなどから影響を受けた、ボーカルハーモニーを重視するポップス。
  • このジャンルをソフトロックと呼んでいるのは日本のみ。海外ではサンシャイン・ポップと呼ばれ、アメリカ・カリフォルニアを中心とするグループに焦点が当てられるが、日本のソフトロックは地域を限定されない。
  • バブルガム・ポップと同様、職業作曲家やプロデューサーが曲を用意し、アレンジを主導する傾向が強い。1960年代前半まではそれが一般的だったが、60年代後半に自作自演が定着すると、白人ポピュラー音楽の主流から外れた。

THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.1

1993年。日本で編集されたソフトロックの企画盤。エタニティーズ・チルドレン、フォー・キング・カズンズ、ロジャー・ニコルス・トリオ、ジャン&ディーン等を収録。20曲のうち10曲はゲイリー・ゼクリー、4曲はロジャー・ニコルスが作曲に関わっている。エタニティーズ・チルドレン、フォー・キング・カズンズ、スパンキー&アワ・ギャング等はアルバムが出ているが、ゲイリー・ゼクリー、ザ・フォルテ・フォーなどはアルバムが出ていない。曲によってはリズム&ブルースやサーフィンの影響を受けたファルセット、サイケデリック・ロックの影響を受けたエレキギターが出てくる。

THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.2

1994年。前半にロジャー・ニコルス、後半にカート・ベッチャーの曲を中心に収録。最初の2曲のカウシルズ、最後の2曲のフリー・デザインは有名だが、その間の18曲は有名グループと無名グループが混在している。ジョン・アンドリュース・タータグリア、サマーズ・チルドレン、ショット等は2010年代に入っても知名度は高くない。

THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.3

1995年。フォー・シーズンズ、フィフス・ディメンション等、ヒット曲を持つグループを収録したという。ロイヤル・ガードメン、トミー・ロー、バッキンガムズ等は、ヒット曲を持つからといって広く知られているわけではないだろう。ソルト・ウォーター・タフィ、スパイラル・ステアケース、ファン・アンド・ゲームス、ハーパース・ビザール等を収録。

MY WORLD OF MAKE BELIEVE(SUNSHINE,SOFT&STUDIO POP,1966-1972)

2018年。邦題「見せかけの世界 あなたの知らないソフト・ロック名曲選1966-1972」。あまり知られていない曲を集めた企画盤。32曲収録。個々の曲の作曲者や歌手、プロデューサーには、著名人と関連する人が多い。大手レコード会社の売れなかったシングル盤等から収録しているのでストリングスやホーンセクションのアレンジはヒット曲と変わらない。

THE SUN SHINES ON MY STREET(SUNSHINE,SOFT&STUDIO POP,1966-1970)

2018年。邦題「陽のあたる大通り あなたの知らないソフト・ロック名曲選第二集」。31曲収録。探せばもっと出てくるのかもしれないが、ソフトロックのこれまでの評価を変化させるものはまず出てこないと想像できる。

SUNSHINE GIRL POLYDOR SOFT ROCK COLLECTION

1998年。ホワイト・プレインズやブラザーフッド・オブ・マン、カウシルズ、クロディーヌ・ロンジェ、ニック・デカロ、イングランド・ダン&ジョン・フォードまで含む60年代後半のヒット曲集。パンチの「フォーリン・レディー」、イングランド・ダン&ジョン・フォードの「シーモンの涙」、ブラザーフッド・オブ・マンの「太陽に歌おう」はソフトロックというよりはポップス。