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TRIUMPH

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TRIUMPH
1976年。邦題「ファースト・アルバム」。ギターとドラムがボーカルを兼任する3人組。カナダ出身。主にギターとドラムが作曲しているが、ベースも1曲作曲している。9曲のうち5曲をドラムが単独で作曲しているのは他のバンドにはない特徴だ。ベースはプロデュースも担当しているので、3人がそれぞれ重要な役割を果たしている。オープニング曲からキーボードを使用し、他の曲ではギターが2人必要な曲も出てくるので、3人でサウンドが完結することにはこだわっていない。ロックンロールを基調とし、オープニング曲の「ハード・ロック人生」では「1日24時間、みんなパーティー」というコーラスが入る。「ストリート・ファイター」は最もハード、「レット・ミー・ゲット・ネクスト・トゥ・ユー」はロックン・ロール。ギター兼ボーカルのリック・エメットが作る曲はポップだったりキーボードが入ったりするが、ドラムのギル・ムーアが作る曲はハード。最後の「眩惑のライト・ショー/ムーンチャイルド」は9分弱の大作。リック・エメットが作曲している。カナダ出身の3人編成のロック・バンドなのでよくラッシュと比較されるが、ラッシュよりもハードロック、ロックンロールが強く、ブリティッシュ・ロックのようなバラードはトライアンフでしか聞けない。この年、ラッシュは「西暦2112年」を発表。
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ROCK N' ROLL MACHINE
1978年。邦題「炎の勝利者」。ベースがキーボードを兼任するようになった。プログレッシブ・ロックに近づいている。70年代後半のアメリカ、カナダはアメリカン・プログレッシブ・ハードロックが全盛期を迎えたので、トライアンフもそうした流れに沿った作風になっている。「ニューヨーク・シティ・ストリーツ・パート1」と「ニューヨーク・シティ・ストリーツ・パート2」は連続して収録されているが、つながっていない。パート1はギル・ムーアがボーカル、パート2はリック・エメットがボーカルを取っている。両方ともギル・ムーア作曲。パート1はフュージョン風の演奏に女声コーラスもつく。パート2はエドガー・ウィンター・グループの「フランケンシュタイン」をイメージして作曲したか。この2曲がなぜ同じタイトルでパート1、パート2になっているのか不明。「シティ」は3部構成でそれぞれにタイトルが付いている。パート1、パート2はインスト。パート3の「ミンストレルズ・ラメント」はキング・クリムゾンの「墓碑銘」に似た雰囲気。リック・エメット作曲。「ロックン・ロール・マシーン」はディープ・パープルの「スピード・キング」、あるいはナザレスの「ラザマナス」のようなサウンドのあとギターソロを経てレッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」につながるロックン・ロール。「ロッキー・マウンテン・ウェイ」はジョー・ウォルシュがイーグルス加入前に発表した代表曲のカバー。
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JUST A GAME
1979年。アメリカを意識したジャケット、サウンドで、作曲のレベルも上がっている。オープニング曲はライブのような歓声が入っている。「レイ・イット・オン・ザ・ライン」「野生の叫び」はハードロック・バラードで、特に「野生の叫び」はすばらしい。どの曲もコーラスがきちんとアレンジされている。「アメリカン・ガール」はバッド・カンパニーの「キャント・ゲット・イナフ」をハードにしたような曲で、途中にアメリカ国歌のフレーズが入る。「ホールド・オン」がヒット。全米48位。前年の1978年にラッシュは「神々の戦い」を発表して全米47位なので、このころは互角の戦いだ。
4
PROGRESSIONS OF POWER
1980年。邦題「重爆戦略」。ハードロック、ロックンロール路線に戻った。全曲を3人で作曲している。オープニング曲の「週末を狙え」はボストンの「スモーキン」をギター2人のハードロックで演奏した感じ。コーラスは前作と変わらず、「アイ・キャン・サバイブ」「ハード・ロード」は高音の透きとおったコーラスが聞ける。9曲のうち4曲はアコースティック・ギターで始まる。全米32位。この年、ラッシュが「永遠の波」を発表して全米4位となり、世界的バンドとなる。
5
ALLIED FORCES
1981年。邦題「メタル同盟」。「ジャスト・ア・ゲームと「重爆戦略」の間のようなサウンド。「ホット・タイム」は定型的なロックンロール。「オーディナリー・マン」は本格的な重層コーラスを用いたバラードで、後半はハードなギターとドラムになる。これまでのアルバムではキーボードがほとんどオルガンだけだったが、このアルバムからシンセサイザーを活用している。「マジック・パワー」「セイ・グッドバイ」はアメリカで受けそうなメロディアスなロック。全米23位。
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NEVER SURRENDER
1983年。A面、B面とも5曲ずつの構成で、B面は「オーバーチャー」と「エピローグ」に挟まれた3曲がボーカル入りになっている。オープニング曲の「トゥ・マッチ・シンキング」はブラック・サバスの「ネオンの騎士」に似た曲。「ア・ワールド・オブ・ファンタジー」「ライティング・オン・ザ・ウォール」は恒例のコーラス、「ア・マイナー・プレリュード」はいつも入っているリック・エメットのアコースティックギター・ソロ。全米26位。
7
THUNDER SEVEN
1984年。これまでよりもシンセサイザーがの登場が多くなっている。オープニング曲の「スペルバウンド」とその次の「ロック・アウト・ロール・オン」がそのイメージを決定づけている。しかし「タイム・ゴーズ・バイ」は必要不可欠な使い方だ。「フォロー・ユア・ハート」は80年代ハードロック。「タイム・キャノン」はボーカル・コーラスだけで曲にしており、コーラス重視の究極の形だ。「キリング・タイム」の序曲にもなっている。最初から最後までハードロックになっている曲がないため、全米35位。
 
STAGES
1986年。2枚組ライブ盤。1カ所のライブではないので、曲間が途切れている。「ロックン・ロール・マシーン」の後半はギターソロで、グリーグの「山の魔王の宮殿にて」が出てくる。スタジオ盤未収録の「ドゥル・メル・セルボ」はドラムソロ。「マインド・ゲームズ」と「エンプティ・インサイド」はスタジオ録音の新曲。全米50位。
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THE SPORT OF KINGS
1987年。さらにシンセサイザーが増え、ほとんどの曲がシンセサイザーとギターでメロディーを作っている。「炎の勝利者」以来10年ぶりに、メンバー以外の作曲者が曲を作っている。前回はカバーだったので、実質的には初めてメンバー以外の作曲者が参加したことになる。「ホワット・ルールズ・マイ・ハート」はメンバー3人に作曲者が2人加わっているが、「ドント・ラヴ・エニバディ・エルス・バット・ミー」はメンバー以外の2人だけで作曲されている。80年代のいわゆるMTVロックをそのまま音にしたような曲が中心で、サビは厚いコーラスだ。「サムバディーズ・アウト・ゼア」はバンド史上最もヒットした曲となった。カナダのアーティストで言えば、ブライアン・アダムスのようなサウンドに近い。全米33位。
9
SURVEILLANCE
1988年。ベースがキーボードを兼任しなくなり、ゲスト・ミュージシャンがキーボードを演奏している。「スポート・オブ・キングス」の路線。12曲のうち6曲はメンバー以外の作曲者が参加している。「キャリー・オン・ザ・フレイム」はもはやシンセサーザー中心のロック。アコースティック・ギターで演奏される「オール・ザ・キングズ・ホーセズ」はデキシー・ドレッグスのスティーブ・モーズが作曲に加わり、そのギターも弾いている。「レット・ザ・ライト(シャイン・オン・ミー)」はハードロックのバラードとしてとても質が高い。リック・エメットによるアコースティック・ギターの独演曲はない。全米82位。
 
 
CLASSICS
1989年。ベスト盤。
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EDGE OF EXCESS
1993年。ギター兼ボーカルのリック・エメットが抜け、ギターのフィル・エックスが加入。ボーカルはドラムが兼任することになった。キーボードはかなり減っている。10曲のうち9曲はカナダの3人組ハードロック・バンド、ヴォン・グルーヴのギター、ムラデンが作曲に関わっている。フィル・エックスが作曲に参加しているのは3曲。ムラデンは作曲のほか、ギターとコーラスにも参加し、ヴォン・グルーヴのボーカル、マイク・ショットンもコーラスで参加しているので、アルバム全体がトライアンフとヴォン・グルーヴの合作のようになっている。「重爆戦略」ほどハードではないが、一般的はハードロックのサウンド。このアルバムで解散。
 
 
LIVE AT THE US FESTIVAL
2003年。ライブ盤。1983年の録音。
 
LIBERTY MANIFESTO/AIRTIME
2007年。トライアンフのギター兼ボーカル、リック・エメットがボーカル、ギター、ベースを担当し、ヴォン・グルーヴのボーカル兼キーボード、マイク・ショットンがドラム、キーボードを担当。トライアンフの「ネヴァー・サレンダー」から「サンダー・セブン」のころのサウンド。リック・エメットによるアコースティック・ギターの独演もあり、トライアンフを模したアルバムになっている。アダルト・オリエンテッド・ロックよりはハードで、ギターもハードロックの音だ。コーラスは女性も含めた厚めの声。

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