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THERION

 
 
TIME SHALL TELL
1990年。4曲入りミニ・アルバム。バンド側はデモ扱い。
1
OF DARKNESS...
1991年。典型的デスメタル。ボーカル兼ギター、ギター、ベース、ドラムの4人編成。
2
BEYOND SANCTORUM
1992年。ベースが脱退し、ボーカル兼ギターとギターがベースを代行。ギターはキーボードも弾いている。9曲のうち2曲で女性コーラスが入る。他の曲もハードさとメロディーの起伏が大きくなっている。
3
SYMPHONY MASSES : HO DRAKON HO MEGACE
1993年。ボーカル兼ギター兼キーボードであるクリストファー・ジョンソン以外のメンバーが全員入れ替わった。コーラスはないがキーボードの使用が多くなっている。もはやデスメタルとは呼べない。
 
SYMPHONY MASSES : HO DRAKON HO MEGACE
のちに出たジャケット違い。
4
LEPACA KLIFFOTH
1995年。ギターが抜け3人編成。ゲスト・ボーカルが3人。そのうち2人はバリトンとソプラノで、 11曲のうち3曲で歌っている。曲によってはキーボードがメロディーの主導権を握る。ギターも前作に輪をかけてメロディアス。ボーカルにデス声はなくなった。このアルバム以降はデス・メタルではない。
5
THELI
1996年。合唱団2団体で11人、ソロ歌手2人、ゲスト・ボーカル1人、ゲスト・キーボード2人を使った大規模な作品。ほとんど全曲でキーボードと合唱が使われ、前作までの路線変化を急激に押し進めた。当時、ラジオでもよくかかった。オープニング曲は代表曲。デスメタル色は皆無。
 
A'ARAB ZARAQ LUCID DREAMING
1997年。映画のサウンド・トラック、アウトテイク、カバーを収録した企画盤。カバーはスコーピオンズの「フライ・トゥ・ザ・レインボウ」、ランニング・ワイルドの「アンダー・ジョリー・ロジャー」、アイアン・メイデンの「チルドレン・オブ・ザ・ダムド」、ジューダス・プリーストの「孤立の涙」。サントラはクリストファー・ジョンソン名義のクラシック曲。
6
VOVIN
1998年。再びバンド・メンバーを全員入れ替えた。女性ボーカルが正式メンバーになっている。バンドのメンバーがボーカルをとることはなくなり、全ボーカルをソロ歌手、または合唱団が歌っている。ガンマ・レイ、プライマル・フィアのラルフ・シーパースが1曲でボーカルをとっている。短く刻まれるギター・リフやメロディアスなギター・ソロがヘビー・メタルの範疇にとどまらせている。
 
CROWNING OF ATLANTIS
1999年。カバー曲、アウトテイク、ライブを含む企画盤。カバーはラウドネス、マノウォー、アクセプトの曲。ラウドネスとマノウォーはボーカルがガンマ・レイ、プライマル・フィアのラルフ・シーパース。日本盤のボーナス・トラックに収録されている曲も多い。
7
DEGGIAL
2000年。またメンバーを全員入れ替えた。ボーカルはいない。合唱、ソロ歌手は8人、器楽演奏は11人で、弦楽器、管楽器はすべて本物が使われている。ブラインド・ガーディアンのハンジー・キアシュがリード・ボーカルで参加しているが、帯にも解説にも書かれていない。もはやそんなことは些末なことということだろうか。ヘビーメタルのアグレッシブさは控えめになり、ミドル・テンポが多い。「オ・フォルトゥナ」はプリティ・メイズの「レッド、ホット&ヘヴィ」のイントロにも使われているカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」の一節。
8
SECRET OF THE RUNES
2001年。北欧神話を題材にしたコンセプト盤。「セリ」では合唱とオーケストレーションの大幅導入、「ヴォヴィン」ではボーカルの排除、「デジアル」では生の管弦楽使用、という進歩をしてきたが、今回は管弦楽が大規模化している。総勢17人が参加。弦楽器はビオラ、チェロが2人ずつ、バイオリンは第1バイオリンと第2バイオリンに分かれ、それも2人ずついる。これとは別に、ソロ・バイオリンとソロ・ビオラが1人ずつ。歌手も11人。フル・オーケストラを使う日も近いのか。ホーン・セクションでは初めてトランペットが本格的に登場しているので、ワーグナー、ヴェルディ的な勇壮さに進むことも考えられる。ボーナス・トラックはスコーピオンズとアバとアクセプトのカバー。
 
 
LIVE IN MIDGARD
2002年。2枚組ライブ盤。
9
LEMURIA
2004年。ドラムが抜け3人となり、予想通りオーケストラがクラシック・パートを演奏。オーケストラがチェコ・フィルだということは、オーケストラの質にも妥協しなかったということだ。ソロ歌手は6人。今回は通常のロック・ボーカルも入れており、デス・ボイスもある。
10
SIRIUS B
2004年。「レムリア」と同時発売。「レムリア」よりもヘビーメタル寄りで、特に最後の「グルジェフの航海」では合唱団がなければとてもハードなヘビーメタルだ。「レムリア」も含め、歌詞はほとんどが世界の神話や古代思想に基づいており、ジャケットやブックレットもアーティストの創作意図があらわれている。こうした内容を表現するためには、クラシック音楽の演奏を取り入れる方が理想に近くなると考えるのは当然だ。ただ、オーケストラや合唱団を使うのは、スケジュールや資金上、手っ取り早く調達できるからとも推測できる。実際は、曲の内容によってクラシック音楽の教育を施されていない合唱団、すなわちビブラートのかからないロシアやブルガリアの民族音楽の合唱団を使った方がアーティストの意図に合うだろう。
11
GOTHIC KABBALAH
2007年。前作の「シリウスB」の方向。十分にロックのサウンドで、オーケストラや合唱団が活躍することは少ない。女声を含むリード・ボーカルが多彩だ。セリオンと名乗らなければ、一般的なロックのアルバムとして、ごく普通の評価が与えられるだろう。セリオンのアルバムとして発表する必然性も薄れているサウンドだが、それは逆にセリオンがバンド名だけで訴えることができるようになったということだ。次に求められるのはバンド名による訴求力ではなく音楽によるそれである。
LIVE GOTHIC
2008年。2枚組ライブ盤。「セリ」から「ゴシック・カバラ」まで21曲を選曲し、最後の曲はマノウォーの「戦神トール」のカバー。男性ボーカル2人、女性ボーカル2人、ギター2人、ベース、ドラムの8人編成。1枚目を「ゴシック・カバラ」、2枚目を「セリ」から中心に選曲しており、「セリ」以降の代表曲はすべて入っている。合唱団、キーボードは使われず、ヘビーメタルとしてのライブとなっている。女性ボーカルはソプラノ歌手で男性ボーカルが単なるロック歌手というのは力量的にもアンバランスで、妥協した感が否めない。ロックのボーカルとしてうまいことは、クラシックの男性歌手の代用にはならない。ヘビーメタルに声楽曲を取り入れたことの音楽的な意味をもっと理解するべきだ。
THE MISKOLC EXPERIMENCE
2009年。2枚組ライブ盤。1枚目はクラシック曲をオーケストラ、合唱団とバンドが協演する。2枚目はセリオンの曲をセリオンとオーケストラと合唱団が協演する。クラシック曲はドボルザークの交響曲第9番「新世界より」、ヴェルディ「トロヴァトーレ」から「朝の光が差してきた」(村の鍛冶屋の合唱、アンヴィル・コーラス)、モーツァルトのレクイエム、サンサーンスの交響曲第3番「オルガン付き」、ワーグナーの「ニーベルンクの指環」から1曲と「リエンツィ」から3曲。選曲のポイントは前半の4曲がクラシックファンにも有名なスタンダード曲、後半のワーグナーはそれほど有名とは言えない曲なので、後半の4曲にクリストファー・ジョンソンの趣味が出ていると言える。2枚目のセリオンの曲は「トゥ・メガ・セリ」「ワイン・オブ・アルクァ」が入っていないので代表曲をそろえたというわけにはいかないが、スタジオ録音とは別の編曲をしているとみられるライブは、別バージョンとして聴くことができる。
12
SITRA AHRA
2010年。ヘビーメタルのサウンドにオーケストラと合唱団を加えたサウンド、から大きくヘビーメタル寄りになった。バンドのリードボーカルとギターが全体の主導者だ。ゴシック・メタルのバンドによくある男女ツインボーカルの主従関係が、男性が主、ソプラノが従3になっていると考えれば分かりやすい。割くらいは純粋にヘビーメタルのサウンドで、オルガンの音が60年代後半から70年代初頭のロックを思わせる。
13
LES FLEURS DU MAL
2013年。邦題「レ・フルール・デュ・マル―悪の華」。60年代のフレンチポップをカバーしたアルバム。フランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」はアルバムの最初と最後の2回出てくる。シルヴィ・バルタンの「アイドルを探せ」「あなたのとりこ」はないので、最も知られた曲は「夢見るシャンソン人形」になるだろう。企画盤としては意外性があるが、クリストファー・ジョンソンの音楽的経歴をうかがい知る以外の意義はあまりない。

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