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RUNNING WILD

 
 
ROCK FROM HELL
1983年。コンピレーション盤に2曲提供。未CD化。2曲ともリメイク版を「ゲイツ・オブ・パーガトリー」と「ブランデッド・アンド・エグザイルド」に収録。
 
 
DEATH METAL
1984年。コンピレーション盤に2曲提供。このうち1曲は「ストーリー・オブ・ジョリー・ロジャー」に収録。このコンピレーションはランニング・ワイルドを売り出すために制作され、ハロウィンの初の公式音源を収録していた。
1
GATES TO PURGATORY
1984年。荒削りを絵に描いたようなヘビー・メタル。この当時は今で言うブラック・メタルを標榜していた。バンドのテーマ曲とも言える「プリズナー・オブ・アワ・タイム」にはすでに「ブラック・メタル」という言葉が出てくる。エンジェルウィッチに影響を受けているとの解釈も可能だ。「ブラック・ディーモン」「サタン」「ヴァルパギス・ナイト」はタイトルだけで悪魔信仰を想起させる。作曲者のクレジットはロックン・ロルフの本名になっている。
2
BRANDED AND EXILED
1985年。サビメロに旋律の頂点が来ない作曲手法は、当時のヘビーメタルで主導的位置にいたジューダス・プリーストの「ヘル・ベント・フォー・レザー」に影響されていると思われる。「ファイト・ジ・オプレッション」は今でも十分通用する名曲。
3
UNDER JOLLY ROGER
1987年。オープニングのタイトル曲は後にリメイクされるが、大砲の爆音が入った初期バージョンの方がかっこいい。歌メロが聞きやすくなってきた。合唱のしやすさは現在のドイツ・ヘビーメタルに受け継がれる。海賊のイメージを打ち出した最初の作品だが、ランニング・ワイルドがイメージする海賊は9~11世紀のヴァイキング(北欧)ではなく、16、17世紀の海賊。「ジョリー・ロジャー」は具体的人名ではなく、海賊旗を意味する言葉。
4
READY FOR BORDING
1988年。ライブ盤。長めのSEのあと「アンダー・ジョリー・ロジャー」で始まる。「パーガトリー」はこのライブ盤のみに収録。最後は「プリズナー・オブ・アワ・タイム」で終わり、再び「アンダー・ジョリー・ロジャー」のフレーズが出てくる。ミュンヘン公演だがMCは英語。ドラムはステファン・シュバルツマン。
5
PORT ROYAL
1988年。サビのメロディーがとても覚えやすい。ボーカルのキーが上がって声域が広くなり、メロディーの上昇下降が分かりやすい。コーラスはひときわ勇壮。現在のスタイルの始まりと言って良い。「コンキスタドーレス」収録。全盛期を迎える。ポート・ロイヤルとはジャマイカにある港の名前。ジャマイカがイギリスの植民地だったころ、イギリスへの砂糖供給地だった。ポート・ロイヤルは、その砂糖運搬船を襲撃する海賊の拠点だった。1600年代のイギリスでは、インドから輸入した紅茶、コーヒーの消費が拡大し、砂糖の需要も大きくなった。ジャマイカは1600年代から1700年代にかけて、世界最大の砂糖生産地であり、イギリスにはジャマイカ移民が多くなる。レゲエのボブ・マーリーがイギリスで人気拡大したのは、そうした歴史的経緯と無関係ではない。
6
DEATH OR GLORY
1989年。日本デビュー盤。グレイヴ・ディガーよりも早く歴史趣味を出した詩を書いている。「嵐の中へ」「ウォータールーの戦い」収録。
7
BLAZON STONE
1991年。邦題「秘められた紋章」。前作よりもギターのメロディーが進歩して曲にもアルバム全体にも起伏がある。シン・リジーの「ジェノサイド」のカバー収録。ギターのハーモニーに関してはシン・リジーの影響が大きいと思われる。
8
THE FIRST YEARS OF PIRACY
1992年。「アンダー・ジョリー・ロジャー」までの曲を再レコーディング。裏ジャケの海賊船ドラム・セットがいい。
9
PILE OF SKULLS
1992年。歴史的事象や物語を詩に用いた曲が増えたが、サウンドは前作とまったく変わらなかったため、音だけ聞いている人にはマンネリと映ったようだ。10分を超える大作が入ったのはこれが初めて。
 
LEAD OR GOLD
1992年。ランニング・ワイルドの日本盤シングルは珍しい。アルバム未収録曲2曲収録。「ハングド・ドローン・アンド・クォータード」は「レッド・オア・ゴールド」と同じ系統の曲。「ウィン・オア・ビーン・ドラウンド」はミドルテンポ。
10
BLACK HAND INN
1994年。ギターとドラムが交代。ドラムはヨルグ・マイケルになった。去った2人はランニング・ワイルドにそっくりの「X-ワイルド」を結成。コーラスでヘブンズ・ゲイトのサシャ・ピートが参加。曲が長大化している。最後の曲は15分。演出のためのSEも増えてきた。
11
MASQUERADE
1995年。加齢とともにボーカルの声も高音が出にくくなっているが、だからといって声域の狭い曲で妥協するということはない。曲はコンパクトに戻った。イントロが1曲になっているので事実上10曲で、日本盤ボーナストラックもなく、シングルもない。
12
RIVALRY
1998年。個々の曲にイントロのような部分があって、物語性や劇場性を盛り上げる。「リターン・オブ・ザ・ドラゴン」はシン・リジーからの強い影響が感じられる。ジャケットはアンドレアス・マーシャルにしてはさえない。
 
THE STORY OF JOLLY ROGER
1998年。ベスト盤。
13
VICTORY
2000年。ドラムのヨルグ・マイケルが脱退。おなじみだったイントロがなくなり、ジューダス・プリーストの「ペインキラー」のようなドラムソロから始まる。ランニング・ワイルドにしては珍しく、アルバムの途中にビートルズの「レヴォリューション」のカバーを入れている。「ツァー」はアイアン・メイデンの「ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイング」か。ドラムの音がやや軽くなり、ギター・ソロもこれまでにはなかったものが出てきた。
14
THE BROTHERHOOD
2002年。6分以上あるインスト曲はアーク・エネミーがやっていると言っても違和感がない。曲が長くなってもランニング・ワイルド特有のメロディーは失われない。普段通りのいい出来。
 
 
20YEARS IN HISTORY
2004年。ベスト盤。
15
ROGUES EN VOGUE
2005年。ギター、ベースが抜け、ドラムが交代。ドラム以外の楽器はボーカル兼ギターのロックン・ロルフが1人で演奏し、コーラスも1人でやっている。ギターはツイン・リードの体裁になっているが、同一人物が両方やると演奏が似るため、ニュアンスの豊かさが劣る。ベースも同じ人がやっているとなると、片手間の感は否めず、曲のパワフルさや躍動感に支障を来している。「デッド・マンズ・ロード」は11分で、2曲をギター独奏で挟んだような形。第1次世界大戦を歌っている。このアルバムで解散。
THE FINAL JOLLY ROGER
2011年。ライブ盤。
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SHADOWMAKER
2012年。ボーカル兼ギターのロックン・ロルフを含む2人で再結成。もう1人はギター兼コーラス。ベースとドラムはゲスト参加となっており、名前は明らかにされていない。解散前と変わらないサウンド。「ミー・アンド・ザ・ボーイズ」はランニング・ワイルドあるいはロックン・ロルフのことを歌い、「ライディング・オン・ザ・タイド」はジョリー・ロジャーが出てくるので、メンバーの一新以外に解散の理由がないくらいだ。バラードやミドルテンポの曲はない。日本盤は出ていない。
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RESILIENT
2013年。メンバーも含め、前作と同じ。10曲のうち最後の曲だけが10分近くあり、それ以外の9曲はほぼ4分台。1990年代前半の全盛期に比べると音の厚みは減り、威圧的な曲調も和らいでいる。しかしサビでタイトルを繰り返し歌い、サビのメロディーが下降する点は変わらない。曲ごとのメロディーは変わっても土台は変わらないというのはロックンロールやブルースと同じで、ロックン・ロルフが名実ともにロックンロールの域に達していると言える。

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