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ROYAL HUNT

1
LAND OF BROKEN HEARTS
1993年。キーボードを主体としたハードロック。デンマーク出身。キーボードのアンドレ・アンダーセンを中心とする。ギターはキーボード奏者が兼任。キーボードとギターの主従関係を入れ替えればほとんど話題にされなかっただろう。ボーカルがやや弱いが、デビュー前のラジオでのかかり具合はかなりのものがあった。「マーシャル・アーツ」「キングダム・ダーク」収録。
 
THE MAXI E.P.
1994年。「クラウン・イン・ザ・ミラー」からの曲に、「ランド・オブ・ブロークン・ハーツ」収録曲のアコースティック・バージョンが4曲、未発表1曲。
2
CROWN IN THE MIRROR
1994年。前作に続きレベルの高いアルバムを作った。正式にギターが加入し5人編成になった。バック・ボーカルに女性2人を使い、ライブでも女声コーラスを使っている。「オン・ザ・ラン」「エピローグ」収録。
 
FAR AWAY
1995年。ボーカルがD.C.クーパーに交代。新曲が2曲、ライブが4曲。ライブは初来日公演。
3
MOVING TARGET
1995年。ボーカルの実力で大きく完成度が高まった。あくまでキーボードを主体とし、オーケストラを使用しないため、ロックらしさを保っている。メンバーのほかに、女声コーラスを専任で起用しているところは、バンドの中心人物であるアンドレ・アンダーセンの完璧主義からか。「ラスト・グッドバイ」「タイム」収録。
 
LIVE 1996
1996年。日本公演を収録した2枚組ライブ盤。キーボード・ソロはソロというほど大げさではない。ベースソロ、ドラムソロもある。D.C.クーパーは実力発揮。スタジオ盤とメロディーを変えているにしても安定した歌唱力だ。アンコールはアコースティック中心。女声コーラスが2人いる。スタジオ録音の曲が1曲含まれる。
 
MESSAGE TO GOD
1997年。先行シングル。「ファーラウェイ」のアコースティック・バージョン収録。
4
PARADOX
1997年。ドラムが抜け4人編成。ドラムはナリタのメンバーがプレイしている。コンセプト盤であるため、曲と曲に連関性が必要となり、これまでより曲が長くなっている。過去のアルバムに必ず入っていたインスト曲はない。必然性の問題と思われる。イントロのボーカルはD.C.クーパーの妖艶さを最大限に生かしている。初めてオルガンを本格的に使用した。
 
 
THE BEST
1998年。ベスト盤。
5
FEAR
1999年。ボーカルのD.C.クーパーが脱退し、アーテンションのジョン・ウェストが加入、ドラムはナリタのメンバーが正式に加入し、5人編成となった。ボーカルが変わったくらいでアルバムの評価が変わるほど質の低い作品ではない。コンセプト盤ではないので、作品形態としては「パラドックス」以前に戻っているが、曲の長さは変わらない。冒頭から10分近くある。
 
INTERVENTION
2000年。ライブが2曲、アコースティックが1曲、未発表が1曲。メーンの「インターヴェンション(パート1)」は途中でフェード・アウトする。完全版は「ザ・ウォッチャーズ」に収録。ライブはジョン・ウェストの初のライブ音源。
6
THE MISSION
2001年。再びドラム不在の4人編成となった。D.C.クーパーは低音でボーカリストとしての魅力を発揮するため、「パラドックス」では高音を抑えた曲を揃え、名盤の評価を得た。もちろん、「パラドックス」の名盤たるゆえんは曲の質の高さにあるが、それは今もずっと変わっていない。ジョン・ウェストはD.C.クーパーとは違い、高音でパワーが出るボーカルだ。「デイズ・オブ・ノー・トラスト」はその線に沿って作曲されている。曲の質を落とさずにボーカルに合わせた作曲ができるのはアンドレ・アンダーセンの才能だ。これまで使われなかったような音色のキーボードがかなり出てくる。「サレンダー」収録。
 
THE WATCHERS
2001年。「インターヴェンション」の完全版と短縮版、ライブ4曲、初代ボーカル時代の曲の再録音バージョン4曲の計10曲を収録。
7
EYEWITNESS
2003年。これまでとはかなりニュアンスの違う曲が入っている。ジャズ風であったり、ギター中心であったり、教会オルガン主導であったり、バラエティーに富んでいる。曲間もSEが入って切れ目がほとんどない。典型的なロイヤル・ハントの曲もあるが、バンドの転換点になる可能性もある。
8
PAPER BLOOD
2005年。ベースが抜け、ギターが交代、ドラムが加入。ベースはアンドレ・アンダーセンが弾いている。ほとんどの曲でアンドレ・アンダーセンが高速のキーボード演奏を挿入している。オープニング曲はプリティ・メイズの「バック・トゥ・バック」に似ている。キーボードが中心にいることはこれまでと変わらないが、同じ音での高速演奏が一本調子であることは否めない。この手の演奏形式はヤンス・ヨハンソンやヴィタリ・クープリやリチャード・アンダーソンの活躍によって新鮮さが失われている。ジョン・ウェストは、アーテンションでデビューした当時に比べれば、歌唱力が落ちているように感じられる。デビューから「パラドックス」までは4枚とも質が高かったため、その時期の作品を上回るのは至難の業だ。
9
COLLISION COURSE
2008年。邦題「コリジョン・コース~パラドックスII」。ボーカルがマーク・ボールズに交代。オープニング曲はアルバム全体のイントロのようになっている。「パラドックス」のイントロと同じメロディーを使い、「パラドックス」の続編が始まることを明確に示している。曲、演奏、ボーカルがそれぞれ高いレベルにあり、「パラドックス」と2枚一組にしても遜色がない。ヨーロッパのバンドの場合、コンセプト盤になると、全体的に暗くなりがちであるが、女声コーラスや「パラドックス」のメロディーによってうまく回避している。マーク・ボールズは高音でやや声量が落ちるが、安定感は従来通り。バック・ボーカルでエレジーのイアン・パリー、コーナーストーンのドゥギー・ホワイト、ロイヤル・ハントのヘンリック・ブロックマン等が参加している。ジャケットの左側はロンドンとニューヨーク、右側はイスラムの光景で、イスラム側の上空に軍用ヘリコプターが飛んでいる。コンセプトは宗教で、「ディヴァイド・アンド・レイン」の半月とはイスラムの象徴。
10
X
2010年。オープニング曲とエンディング曲を同じメロディーで揃えた。間に挟まれるのは9曲。キーボードがオルガンとピアノ中心になった。70年代風のサウンドを意識したというが、ロイヤル・ハントまたはアンドレ・アンダーセンの個性も残されているため、70年代を感じさせない。オルガンをよく使うアーティストを思い出すことはない。これはメロディーやフレーズまで70年代風にせず、あくまで演奏レベルにとどめたことが奏功している。マーク・ボールズのボーカルが厚めのバンドサウンドにやや負けている。
11
SHOW ME HOW TO LIVE
2011年。ボーカルがD.C.クーパーに交代。ギターも代わっている。オープニング曲のイントロは「ムーヴィング・ターゲット」の「ラスト・グッバイ」を思わせる。コーラスは女性を含めて4人おり、これも「ムーヴィング・ターゲット」の路線。ギターは以前よりも速弾きが多い。キーボード奏者主導のバンドとはいえ、キーボードがやや過剰だ。D.C.クーパーを復帰させたことは、歌唱力ゆえと思われるので、ボーカルが目立つ曲があってもいいのではないか。7曲で42分。
12
A LIFE TO DIE FOR
2013年。これまでと異なる特徴的なサウンドをあまり持たない堅実な内容。期待に合わせたサウンドとも言える。他のメロディアスなハードロックバンドと比べて曲の良さが抜きんでており、アンドレ・アンダーセンはハードロックではない一般的なポピュラー音楽でも通用する作曲能力を持っていると分かる。曲の聞かせどころをスピードや演奏技術に頼らない。ボーカルメロディーもコーラスを含めて複数の線を作曲しているとみられる。「ア・ブレッツ・テイル」は女性ボーカルをもう少し使ってもよかった。「ランニング・アウト・オヴ・ティアーズ」「サイン・オヴ・イエスタデイ」はいい曲。7曲で46分。
13
DEVIL'S DOZEN
2015年。ドラムが交代。曲調にかかわらず曲全体にキーボードが使われ、そのほとんどが管弦楽を代用するサウンドは、ヨーロッパ人の自意識と権威主義の両面がある。ロック全体の中では体制への恭順として否定的評価をされる。サウンドの挑戦的転換はもはや難しいだろうが、曲と演奏が安定している時がそのチャンスではないか。約6分から7分の曲が7曲で、これが最も作りやすい形なのだろう。コーラスもこれまでどおり厚く、ギターもハードロックらしさを維持するような音量を保っている。ボーナストラックの「モノクローム」はギター中心のインスト曲。

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