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RIOT

1
ROCK CITY
1977年。邦題「怒りの廃墟」。ギターのマーク・リアリを中心とするグループ。このアルバムが出たころ、イギリスではジューダス・プリーストが3枚目の「背信の門」を出したところで、「エキサイター」が出るのは翌年のことだ。リードギター2人のバンドで言えばシン・リジーの方が実力、人気で上だった。このアルバムがいかに先進的であったかが分かる。 このアルバムが語られるとき、「当時のアメリカのハードロックは死んでいた」などとよく言われるが、アメリカン・プログレッシブ・ハードロックは大豊作の年だった。エアロスミスの「お説教」もこの年だった。 「幻の叫び」は今でもライブで演奏される人気曲で、五十嵐夕紀がカバーした。「トーキョー・ローズ」収録。ボーカルはガイ・スペランザ。
2
NARITA
1979年。「NARITA」は三里塚闘争等の成田空港反対闘争からきている。ステッペンウルフの「ワイルドで行こう」のカバー、「ロード・レイシン」収録。
3
FIRE DOWN UNDER
1981年。ベース、ドラムが交代。アメリカではこのアルバムが最もチャートの成績が良かった。99位。これ以外に入っているのは「ボーン・イン・アメリカ」と「サンダースティール」だけ。イギリスでは、当地のヘビーメタル・ファンに受け入れられたというようなことを言っている人もいるが、一度もチャートにランクしたことはない。「アウトロウ」収録。「ラン・フォー・ユア・ライフ」は疾走ヘビーメタル。
4
RESTLESS BREED
1982年。ボーカルがレット・フォリスターに交代。マーク・リアリとそれ以外のメンバーによる曲の雰囲気が違う。マーク・リアリが関わっているのは3曲しかないのに、その3曲だけで十分起伏がある。レット・フォリスターはうまい。
 
RIOT LIVE
1982年。バンド名義の初のライブ盤。
5
BORN IN AMERICA
1984年。どこを切ってもライオットの音。いい曲が揃っている。クリフ・リチャードの「デヴィル・ウーマン」のカバー収録。曲の充実度は最高レベル。
6
THUNDERSTEEL
1988年。マーク・リアリ以外のメンバーを全員入れ替えて作られた代表作。ボーカルはトニー・ムーア。ドラムはボビー・ジャーゾンベックだが9曲中4曲はライオンのマーク・エドワーズが演奏している。ドラムはツーバスを踏み続ける必要があるのか。スピード感はバスドラムを連打しなくても表現できる。
7
THE PRIVILEGE OF POWER
1990年。タワー・オブ・パワー、ジョー・リン・ターナー等のゲストを迎えて制作。曲間にSEが入っている。大半の曲にタワー・オブ・パワーを中心とするホーン・セクションが入っており、「オン・ユア・ニーズ」と「キラー」ではうまく曲の中で生かされている。トニー・ムーアのハイトーン・ボーカルは前作よりも拍車がかかってヒステリックだが安定している。ベースのドン・ヴァン・スタバーンはうまい。
 
RIOT IN JAPAN LIVE!!
1992年。日本公演を収録したライブ。ギターはマーク・リアリとマイク・フリンツ。前作のホーン・セクションのないバージョンが聞ける。「キラーズ」ではホーン・セクションもジョー・リン・ターナーのボーカルもテープを使っている。ボビー・ジャーゾンベックのドラム・ソロが2曲で5分もある。ギタリストのソロもそれぞれ1曲ずつ。ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のカバーはスタジオ録音でホーン・セクション入り。当初日本のみでの発売で、アメリカでは1999年に発売されている。
8
NIGHTBREAKER
1993年。ボーカルがマイク・ディメオに交代。普通のヘビーメタル・バンドになっている。ディープ・パープルの「紫の炎」とプロコル・ハルムの「青い影」のカバー収録。「アウトロウ」のセルフ・カバーもある。日本のソニー・ミュージックが出資し、版権を持つ。ヨーロッパは1994年発売、アメリカは1999年発売。
9
THE BRETHREN OF THE LONG HOUSE
1995年。W.A.S.P.の「ダイイング・フォー・ザ・ワールド」と同様、19世紀初頭の、アメリカ政府によるアメリカ先住民迫害をテーマにした作品。通常、アメリカ国民は義務教育の段階で自国にそうした歴史があったことを学ぶが、「アメリカ政府の移住政策に反対した先住民は、最終的に強制移住させられることになった」という勝者の側の歴史観を記憶することになる。多くのアメリカ人は、先住民の具体的なイメージとして鳥の羽根を頭に飾ったようなファッションを思い浮かべ、狩猟と略奪を中心とする原始的生活を営んでいると思っている。そうしたイメージから、「住み慣れた自分の土地を手放すのが嫌だったんだろう」と移住反対の理由を推測するのである。しかし実際はそうではなく、本当の理由がイメージとはかけはなれたものであるために、詳細を知る多くのアーティストを揺さぶることになる。ライオットが取り上げているのは先住民の中のイロコイ族だが、イロコイ族は「憲法」を持っていた。W.A.S.P.が取り上げたチェロキー族も「憲法」を持っており、三権分立が確立されているという極めて先進的な内容だった。チェロキー族は部族内で新聞も発行されており、文化度が高かった。これらの先住民族は「自分の土地が奪われるから闇雲に政府に反対した」のではなく「土地を追われる法的根拠がなく、理不尽だから」反対したということだ。それでも実際の歴史では強制移住させられているが、彼らは頭が良かったが故に最後まで抵抗することになり、結果的に多くの先住民が迫害を受ける。このあたりのところがアメリカ人に衝撃を与え、アーティストの涙を誘うことになる。ドラムがジョン・マカルーソに交代。ライオットの作品中、最も大仰なイントロを持つ。素人でも分かる音質の悪さはいかんともしがたい。アメリカでは1996年発売。
10
INISHMORE
1997年。アイリッシュ風味。ヨーロッパ市場に活路を見出そうとしている。
 
ANGEL EYES
1997年。シングル盤。アルバム未収録曲3曲収録。
 
 
SHINE ON
1998年。マイク・ディメオがボーカルになってから初のライブ盤。歴代ボーカルのライブがすべて揃った。
11
SONS OF SOCIETY
1999年。ジョージ・ハリソンのようなイントロで始まる。マンネリ化は否めない。ジャケットの左にある十字架はアイルランド特有の円環十字架。紋様はケルト文化を象徴する組み紐紋。右側はマーク・ボールズの「エッジ・オブ・ザ・ワールド」やコーンのアルバムにも出てくるが、「地の果て」を意味している。
12
THROUGH THE STORM
2002年。ドラムは不在で、ボブ・ロンディネリがゲスト参加。コーラスとキーボードが久しぶりに活躍している。「エッセンシャル・エネミーズ」はボーカルに歪みをかけている。UFOの「オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー」、ビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」のカバー収録。インストの「アイル・オブ・シャドウズ」はゲイリー・ムーアの「ブラッド・オブ・エメラルズ」をマイケル・シェンカーが弾いているような感じ。バック・ボーカルでTNTのトニー・ハーネル参加。バイオリンを弾いているのは日本人らしい名前。日本盤ボーナス・トラックはない方が良かった。
13
ARMY OF ONE
2006年。オーソドックスなヘビーメタル。ギター2人の5人編成。ブルーノ・ラベルがキーボードで、TNTのトニー・ハーネルがコーラスで参加している。「サンダースティール」のころの勢いがある。リズム転換や展開を多用せず、中途半端なプログレッシブ・ヘビーメタルにしなかったのがよかった。「ブレズレン・オブ・ザ・ロング・ハウス」のようにテーマを設けて重苦しくしなかったのもよかった。一般的にイメージされるヘビーメタルを忠実にやっている印象。日本盤ボーナストラックの「ロード・レイシン」は日本でのライブ。1分強のベース・ソロが含まれる。エンディングに「THE PRIVILEGE OF POWER」の「キラー」が挿入される。
14
IMMORTAL SOUL
2011年。ボーカルにトニー・ムーアが復帰し、ベース、ドラムも「サンダースティール」の時のメンバー。トニー・ムーアは20年前と変わらない声の力と高さがある。ギター、ベース、ドラムも相当にうまいが、曲のよさはそれを上回る。オープニング曲は「ライオット」なので、この曲が「ウォリアー」「サンダースティール」に次ぐ代表曲になることは間違いない。2000年代以降の最高作。
15
UNLEASH THE FIRE
2014年。ギターのマーク・リアリが死去。ボーカル、ドラムが交代し、ギターも加入して5人編成を維持している。ボーカルのトッド・マイケル・ホール、ギターのマイク・フリンツ、ベースのドン・ヴァン・スタヴァーンが作曲しており、12曲のうちトッド・マイケル・ホールとドン・ヴァン・スタヴァーンがそれぞれ8曲ずつ関わっている。トッド・マイケル・ホールの声はガイ・スペランザに近く、曲調も初期に近い。ドン・ヴァン・スタヴァーンが単独で作った曲はジューダス・プリーストかマノウォーかハンマーフォールかというくらいにヘビーメタルに密着しており、ヘビーメタル特有の強い自己陶酔がみられる。そのような態度を肯定的に捉えるヘビーメタルファンからは好意的評価になるだろう。しかし1990年代以降の趨勢は文化相対主義であり、このアルバムがヘビーメタルファン以外に広がらないのは確実だ。曲調やメロディーはヘビーメタルの範囲内でいい曲が揃い、80年代からのファンを満足させる。

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