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PINK FLOYD

1
THE PIPER AT THE GATES OF DAWN
1967年。邦題「夜明けの口笛吹き」。ベースのロジャー・ウォータースとギターのシド・バレットがボーカルを兼任。キーボードを含む4人編成。11曲のうち8曲をシド・バレット、1曲をロジャー・ウォータース、残りの2曲を全員で書いている。詩もサウンドも多分にサイケデリックで、67年という音楽史上特殊な年であるということを考えても、独特の雰囲気がある。あるいは67年だからこその音楽をやっていて、時代を反映しているとも言える。「星空のドライブ」「バイク」収録。全英6位。
2
A SAUCERFUL OF SECRETS
1968年。邦題「神秘」。シド・バレットが抜け、デイブ・ギルモアが加入。ロジャー・ウォータースが主導権を握る。アルバムタイトル曲は12分のインスト曲。すばらしい。シド・バレットが作曲した「ジャグバンド・ブルース」だけが前作のサウンドで、他の曲はゆっくりしたリズム感の希薄な曲が多い。浮遊感がある。全英9位。
3
MORE
1969年。同名の映画のサウンドトラック。音だけを聞くのは評価が難しいところがある。曲としては前作の「神秘」に近いものが多い。「ナイルの歌」「サイラス・マイナー」「モアの主題」収録。全英9位。
4
UMMAGUMMA
1969年。2枚組で1枚目はライブ盤、2枚目はスタジオ盤。ライブ盤の「ユージン、斧に気をつけろ」は新曲。「神秘」はライブでもすばらしい。スタジオ盤はメンバー全員が比較的長い曲をそれぞれ書いており、そのうち1曲は4部構成、2曲が3部構成となっている。いよいよ大作志向が出てきて、プログレッシブ・ロックへ本格的に傾斜する。「毛のふさふさした動物の不思議な歌」は実験色が強い。「統領のガーデン・パーティー三部作」はドラムの作曲らしい曲で、通常のドラムソロとは違う面白さがある。「シンファス組曲」が最も出来がよい。全英5位、全米74位。
5
ATOM HEART MOTHER
1970年。邦題「原子心母」。23分のアルバムタイトル曲が強いインパクトを与える。コーラスがある以外はインストだが、クラシックの緊張感を効果的に取り入れている。長さをまったく感じさせない。4曲ある小品もよい。全英1位、全米55位。
 
 
RELICS
1971年。邦題「ピンク・フロイドの道」。ベスト盤。全英32位、全米152位。未発表曲1曲、未発表バージョン2曲。「アーノルド・レーン」「エミリーはプレイ・ガール」収録。
6
MEDDLE
1971年。邦題「おせっかい」。オープニング曲の「吹けよ風、呼べよ嵐」は有名。前作に続き、23分の「エコーズ」が収録されている。これまでは鳥や動物の鳴き声、生活音を効果音として曲の中に織りまぜていたが、「エコーズ」では楽器で表現している。バンド主体で、「ウマグマ」以前の浮遊感を伴う曲調。この曲が他のバンドの長尺曲の参考になった可能性は高い。詩はのちの「ザ・ウォール」につながる人間疎外らしき事象を取り上げている。全英3位、全米70位、200万枚。
7
OBSCURED BY CLOUDS
1972年。邦題「雲の影」。「モア」に次ぐ映画のサウンドトラック盤。全曲が5分以内で、サウンドも難しくない曲が多い。ピンク・フロイドらしさを醸し出す曲はあるが、根を詰めて聞く必要のないリラックスできるアルバム。全英6位、全米46位。
8
THE DARK SIDE OF THE MOON
1973年。邦題「狂気」。当時イギリスではグラムロックが流行、いわばピンク・フロイドはグラムロック、ポスト・ビートルズに次ぐ第三勢力、プログレッシブロックの最高峰バンドだった。長い曲はないが、A面の曲はつながっている。全英2位、全米1位、1500万枚。アメリカでは741週の史上最長チャートイン記録。イギリスでも292週の長期ヒット。「マネー」は全米13位。
 
 
A NICE PAIR
1974年。邦題「ナイス・ペア」。「夜明けの口笛吹き」と「神秘」のカップリング盤。2枚組。全米36位、全英21位。
9
WISH YOU WERE HERE
1975年。邦題「炎~あなたがここにいてほしい」。「クレイジー・ダイアモンド(第1章)」と「クレイジー・ダイアモンド(第2章)」にはさまれる形で短い曲が3曲。「クレイジー・ダイアモンド」は計9部からなる。シド・バレットに捧げられているという。トータルで26分あるが、ピンク・フロイドの場合、「エコーズ」にしろ「原子心母」にしろ長い曲がどれも有名だ。「あなたがここにいてほしい」という邦題はバンド側の指定。全英1位、全米1位、600万枚。
10
ANIMALS
1977年。ピンク・フロイドのアルバムの中ではかなりロック色が強く、メッセージ性も直接的だ。最初と最後に1分台の短い曲があり、その間に、インテリを表す「ドッグス」、資本家を表す「ピッグ(3種類のタイプ)」、労働者を表す「シープ」がそれぞれ10分以上の長さではさまれている。形式にせよ主張にせよ、このように誰でも分かるようなスタイルで作られているのは、パンクロックとは別の形のカウンター・カルチャーを、パンクロック側の人に理解してもらうためではないか。全英2位、全米3位、400万枚。
11
THE WALL
1979年。前作に続き明確なメッセージ性を持ったアルバムで、2枚組26曲はひと続きの物語となっている。コンセプト盤としてはロックの世界で3指に入る傑作。ピンク・フロイドだけが現代社会のおぞましさを指摘しているわけではないが、多用される効果音、商業上の成功にまったく無関心な曲調、異様に長いインストパートなどが、聞き手の思考を促進する。そして、聞き手の問題意識とアーティストの問題提起が一致するとき、「時代を反映している」としてモダンということになり、時流に乗ることになる。そういう意味では、なじみやすい普通のロックである方が、先鋭的で音響上刺激の強いロックよりは評価されやすい部分がある。ピンク・フロイドの「狂気」やビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」、ニルバーナの「ネバーマインド」は、当時としては先鋭的なロックでありながら時代を反映していたという点でロック史上の傑作とされるのである。全英3位、全米1位、2300万枚。80年の最多売り上げアルバム。ベスト盤以外のオリジナル・スタジオ盤としては世界一の売り上げ枚数。「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2)」は全英1位、全米1位、「ラン・ライク・ヘル」は全米53位。
 
 
A COLLECTION OF GREAT DANCE SONGS
1981年。邦題「時空の舞踏」。ベスト盤。「マネー」は別バージョン。全英37位、全米31位、200万枚。
12
THE FINAL CUT
1983年。邦題「ファイナル・カット~ロジャー・ウォーターズによる偉大なる夢への鎮魂歌」。キーボードが抜け3人編成になった。「ザ・ウォール」と一体の作品だとされている。しかし、詩の内容は前作とはまるっきり違い、世界情勢を批判的に歌っている。やや偏狭な物の見方をしているところもある。それに伴い、サウンドも暗さ、諦観、皮肉、といったイメージが漂う。チャートは健闘したがセールスは不振だった。聞き手の期待が大きすぎた。全英1位、全米6位、200万枚。「ノット・ナウ・ジョン」は全英30位。
13
A MOMENTARY LAPSE OF REASON
1987年。邦題「鬱」。ロジャー・ウォータースが抜け、キーボードが復帰。ベースはキング・クリムゾンのトニー・レヴィンが演奏している。雰囲気は「炎」のころに近く、女性コーラスを使って聞きやすくなっている。全英3位、全米3位、400万枚。「幻の翼」は全米70位、「現実との差異」は全英55位、「理性喪失」は全英50位。
 
DELICATE SOUND OF THUNDER
1988年。邦題「光~PERFECT LIVE!」。ライブ盤。2枚組104分。1枚目はオープニング曲の「クレイジー・ダイアモンド」のみ「炎~あなたがここにいてほしい」の収録曲で、これ以降の6曲は「鬱」収録曲。2枚目は「おせっかい」「炎」「狂気」「ザ・ウォール」の有名曲を収録。1枚目はデイヴ・ギルモアのソロコンサートのようなサウンドだ。全英11位、全米11位、300万枚。
 
 
SHINE ON
1992年。9枚組ボックスセット。そのうち1枚はシングル集。
14
THE DIVISION BELL
1994年。邦題「対」。効果音やインスト曲も含まれてはいるが、一般的なスタイルの曲が多く、緊張感は以前ほどではない。歌詞の内容も先見性があるわけではなく、ピンク・フロイドだから真面目そうに聞こえる、というのが本当のところだ。サウンドは「鬱」と同路線。全英1位、全米1位、300万枚。「テイク・イット・バック」は全英23位、全米73位、「運命の鐘」は全英26位。
 
P・U・L・S・E
1995年。2枚組ライブ盤。1枚目は「鬱」と「対」を中心に、「クレイジー・ダイアモンド」「天の支配」「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2)」等を演奏。2枚目は「狂気」を全曲と「あなたがここにいてほしい」など3曲。MCはほとんどなく、最後のあいさつだけ。「あなたがここにいてほしい」は観客が大合唱。単三乾電池2本で赤い光を点滅させる仕様になっている。全英1位、全米1位、200万枚。
 
IS THERE ANYBODY OUT THERE?THE WALL LIVE
2000年。「ザ・ウォール」のころのライブ。2枚組。4人編成で「ザ・ウォール」をほぼアルバム通りに演奏している。「ワット・シャル・ウィー・ドゥー・ナウ」「ザ・ラスト・フュー・ブリックス」はアルバム未収録曲。全米19位。
 
 
ECHOES
2001年。2枚組ベスト盤。
15
THE ENDLESS RIVER
2014年。邦題「永遠(TOWA)」。ギターのデイヴィッド・ギルモア、ドラムのニック・メイソン、キーボードのリチャード・ライトによって制作され、3人ともほとんどの曲で演奏している。多くの曲はデイヴィッド・ギルモアとリチャード・ライトが作曲し、ニック・メイソンが「狂気」以来約40年ぶりに作曲に関わっている。18曲のうち本格的なボーカルがあるのは最後の「ラウダー・ザン・ワーズ~終曲」だけで、17曲は「鬱」や「対」と同様の雰囲気だ。スクラッチ、エレクトロビート、ノイズ、シューゲイザーのような2000年代的サウンドは取り入れていない。「オータム'68」はリチャード・ライトが1968年に録音したパイプオルガンを使う。ピンク・フロイドがロックバンドとして社会に影響力をを発していたのは「ザ・ウォール」までで、「鬱」以降はいわばムードに流れたロックだ。リチャード・ライトは2008年に死去し、このアルバムが遺作。ピンク・フロイドとしてもこのアルバムが最後だという。

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