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ONE DIRECTION

1
UP ALL NIGHT
2011年。伝統的なバンドサウンドを基本とし、エレクトロニクスによるポップな曲を挟んでいる。レディー・ガガやアヴリル・ラヴィーン、コールドプレイ、リアーナなど、英米の最先端のサウンドを踏襲し、覚えやすいメロディー、前向きなメロディーを一貫させている。少ない音の数で始まり、サビで音を厚く、ボーカルも多くするという曲が多く、ロッシーニ以来のヒット手法も利用する。メーンボーカルと言えるメンバーはなく、5人がそれぞれメーンボーカルとコーラスをとるようだ。13曲のうち3曲は作曲にも関わっている。「ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル」はアヴリル・ラヴィーン風。「モア・ザン・ディス」はバラード。「アイ・ウォント」は古風と言えるくらいにロックの音、「エヴリシング・アバウト・ユー」「セイヴ・ユー・トゥナイト」「ストール・マイ・ハート」はエレクトロニクスが効いている。「ワン・シング」収録。
2
TAKE ME HOME
2012年。アコースティックギターが多くなり、アメリカでの人気を意識したようだ。若さを前面に出した明るい曲よりはメロディアスで哀感を伴うメロディーが多い。オープニング曲の「リヴ・ホワイル・ウィアー・ヤング」はグループにとってもファンにとっても当事者感を持つだろう。どの曲もヒット性があるが、ヒットしそうな曲が17曲も続くと食傷気味になる。「ロック・ミー」はクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」を意識したイントロ。「リトル・シングス」はエド・シーランが作曲したアコースティックギターのバラード。「キス・ユー」「カモン・カモン」収録。
TAKE ME HOME
2013年。「テイク・ミー・ホーム」にリミックス2曲とDVDを追加したデラックス盤。
ONE WAY OR ANOTHER(TEENAGE KICKS)
2013年。シングル盤。アルバム未収録曲。ブロンディーの「どうせ恋だから」とアンダートーンズの「ティーンエイジ・キックス」のメドレー。
3
MIDNIGHT MEMORIES
2013年。ロック寄りになり、「リトル・ブラック・ドレス」などロックバンドと変わらないような曲も含む。エレキギターの使用が多く、ドラムもドラムセットによる演奏が多い。このサウンドがロックバンドからのものであれば、ロックの快活さとポップさを両立したアルバムとして高い評価を受けるだろう。ワン・ダイレクションは曲に合わせた定型のダンスをせず、5人がそれぞれ自由に動いて歌う。このため曲をダンス風にする必要がなく、ロックとして優れた曲を揃えることに成功している。メーンボーカルはいないので5人が交互にボーカルをとる。アルバムタイトル曲は80年代後半のデフ・レパードを思わせる。「リトル・ブラック・ドレス」はテディ・ガイガーが作曲したアヴリル・ラヴィーンのような曲。
BEST SONG EVER
2013年。シングル盤。「ラスト・ファースト・キス」のライブバージョンを収録。
4
FOUR
2014年。前作に続きバンドサウンド。アコースティックギターもよく使う。バンドサウンドの中にエレクトロニクス、シンセサイザー由来の音を入れて2010年代の目印を残している。ジャケットで使う色を徐々に減らし、モノクロになった。アイドルグループから大人のグループへの転換を視覚的に準備している。「スティール・マイ・ガール」はジャーニーの「フェイスフリー」を思わせるキーボード。「ナイト・チェンジ」はバッド・イングリッシュの「ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル」を前半部分を最後まで続けるような曲。「ホエア・ドゥ・ブロークン・ハーツ・ゴー」は80年代風。ボーナストラックの「アクト・マイ・エイジ」は本編に入れるべきだった。
5
MADE IN THE A.M.
2015年。ゼイン・マリクが抜け4人編成。「ミッドナイト・メモリーズ」「フォー」のロック寄りサウンドとバランスをとるように、ミドルテンポの曲が多くなっている。2010年代に適応した音の使い方を取り入れているが、ギターやキーボード、ドラムは1970年代から80年代を思わせる聞き慣れた雰囲気を多分に残しており、ほとんどの聞き手に安心感を与える。「ドラッグ・ミー・ダウン」はマルーン5風。「オリヴィア」はMIKAのような曲。「アイ・ウォント・トゥ・ライト・ユー・ア・ソング」はギター弾き語りのいい曲だ。ワン・ダイレクションのようにアイドルとしてデビューしたグループは、何枚目かのアルバムで大人路線を決断しなければならなくなり、過去のグループは決断する前に解散、決断して成功、決断して失敗のいずれかを歩んでいる。ミドルテンポやバラード中心のアルバムは、ワン・ダイレクションが早くもその時期を迎えようとしていると読み取れる。

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