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M.I.A.

1
ARULAR
2005年。M.I.A.(マヤ)はスリランカ出身、イギリス・ロンドンに住む女性歌手。リズム・マシーンを兼ねるシンセサイザーでほとんどの音とリズムを作り、ボーカルも1人で担当している。シンガー・ソングライターの演奏楽器がピアノやギターではなくリズム・マシーンだったと解すれば分かりやすい。歌い方はラップに近く、歌詞はさまざまな闘争を題材としている。政治的主張と言うよりは「私は闘っている」という自分自身を語っていることが多い。南アジアで生まれてイギリスに渡ったという経歴はエイジアン・ダブ・ファウンデーションと同じ。サウンドもクラブ・ミュージックで、彼らより踊りやすい。
2
KALA
2007年。アフリカ、西インド諸島(カリブ海)、ジャマイカを思わせるリズムやサウンドが各曲にちりばめられている。スリランカ出身でロンドン在住の女性というアピール材料が仮になかったとしても、サウンドだけで高く評価できる。M.I.A.の聞きどころとして、経歴や闘争的歌詞を持ち出してくるのは典型的な男性視点だ。「何かに立ち向かっていく姿勢」に対する評価は、物事を勝ち負けの話に持って行きたがる男性の思考パターンでのみ高くなる。
3
MAYA
2010年。前作の変わらないサウンド。リズム・マシーン、シンセサイザーを使っていても、80年代にあったような軽めの音になっている。最先端の音を使おうと思えば使えるだろうが、そうしないことが彼女の独自性を保つことになる。古い簡易な音を使うことは、物流のあり方や貧富の固定化を音で語っていることになるからだ。アメリカやイギリス(日本を含む先進国)で、古い電子機械(楽器)が新しい機械に更新されると、古いものはアジアやアフリカ、中南米(発展途上国、アフリカ系アメリカ人)に中古として売られていく。その結果としてM.I.A.のもとに古い楽器がたどり着いている。「テキーラ」のような分厚いシンセサイザー音、アルバムの全体を通して聴かれるやや濁ったリズム音は挑発的だ。

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