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THE KILLERS

1
HOT FUSS
2004年。ボーカル兼シンセサイザーが全ての曲の作曲に関わり、サウンド上もシンセサイザーが主導する。シンセサイザーは濁りを含んだ厚い音。オープニング曲はベースとシンセサイザーが曲を引っ張る。「ミスター・ブライトサイド」はバンドの代表曲で、「オール・ディーズ・シングズ・ザット・アイヴ・ダン」はゴスペル合唱団によるコーラスがついており、ソウルの説得力が大きい。イギリス盤とアメリカ盤は収録曲が異なっており、イギリス盤は「チェンジ・ユア・マインド」の代わりにクイーン風の「グラマラス・インディー・ロックン・ロール」が収録されている。
2
SAM'S TOWN
2006年。前作にあった古風なシンセサイザーの派手な使い方を変え、キーボードとして使っている。ニューウェーブはイギリス中心のブームであったため、シンセサイザーが大きく使われているとイギリスで好意的に受け入れられるが、キーボードとしての役割に後退すると80年代のハードロックとなってしまう。「ウェン・ユー・ワー・ヤング」はブルース・スプリングスティーンのEストリートバンドのようなキーボードの音となっている。「ボーンズ」はホーンセクションを使ったポップな曲。「ディス・リヴァー・イズ・ワイルド」も、曲調、ボーカルの歌い方においてブルース・スプリングスティーンを意識したと思われる。
SAWDUST
2007年。
3
DAY&AGE
2008年。デビュー作にあったニューウェーブの雰囲気はほぼなくなり、アメリカ南部の出身であることを押し出した。オープニング曲からホーンセクションを使う。「ヒューマン」はペット・ショップ・ボーイズのようなサウンド。「ジョイ・ライド」「アイ・キャント・ステイ」はアコースティックギター、パーカッション、サックスを使う南洋風の曲。
4
BATTLE BORN
2012年。「バトル・ボーン」はザ・キラーズの出身地であるアメリカ、ネバダ州のニックネーム。ニューウェーブの面影はなく、キーボードを含むアメリカンロックのサウンドとなった。ミドルテンポが多い。ミートローフを聞きやすくしたような、キーンをハードにしたような、ブルース・スプリングスティーンを若くしたようなサウンドを並べている。デビュー時の角が立ったシンセサイザー音を失っている分、バンドの魅力が薄れ、中庸のありきたりなロックになっている。アルバムタイトル曲はいい曲だ。
5
WONDERFUL WONDERFUL
2017年。シンセサイザーを中心とするロックを基本とし、曲によってエレクトロ寄りになる。「デイ&エイジ」「バトル・ボーン」ではアメリカの特定の地域を想像させる曲調やタイトルだったが、このアルバムでは地域を限定しない。対象に何かを訴えかけたり呼び掛けたりしている曲が多く、「ラット」「ラン・フォー・カヴァー」「ザ・コーリング」「ハヴ・オール・ザ・ソングス・ビーン・リトゥン?」は明確にその傾向が読み取れる。オープニング曲が不遇な人に共感を示す歌詞になっていて、アルバムタイトル曲にもなっていることを考えると、宗教性、特にキリスト教的精神に富んだアルバムと言える。かつてデビュー盤の「オール・ディーズ・シングズ・ザット・アイヴ・ダン」でゴスペルコーラスを取り入れており、宗教的メッセージを含めることがバンドの特徴としてあったのだろう。その観点で聞けば、「ザ・マン」は現代のマッチョイズムの批判に加えて、宗教的戒めも含まれている。

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