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JIM O'ROURKE

THE GROUND BELOW OUR HEADS
1991年。
TAMPER
1991年。3曲収録の現代音楽。「スピリッツ・ネヴァー・フォーギヴ」「ヒー・フェルト・ザ・ペイシェント・メモリー・オブ・ア・リラ区痰と・シー」はそれぞれジム・オルークともう1人の奏者の2人で録音。「アセンド・スルー・アンスポークン・シャドウ」はバイオリン、チェロ2人、バスクラリネット、バストロンボーンの5人で録音した室内楽で、ジム・オルークは演奏に参加していない。現代音楽の作曲家が、テープや電子オルガンなどその当時の機器と伝統的楽器を使って曲を作ったのと同様に、ジム・オルークもエレクトロニクスを使って、テンポやリズム、音階を解体した音楽を作っている。音を持続させながら、時間をかけて音の強さや音階を変化させていく。現代音楽なのでポピュラー音楽としての一般性は小さい。学生の習作という感は否めない。3曲で46分。日本盤は1999年発売。
REMOVE THE NEED
1993年。「タンパー」の続編のような曲調だが、ジム・オルークが1人で演奏しているので音としては室内楽風ではない。プリペアード・ギターを使っている。現代音楽のプリペアード・ピアノをギターで模倣したことは明らかだ。ライブ録音で、ギターは電気的に増幅されているので、「タンパー」よりも不協和音が多めだ。「シカゴ・ワン」「チューリッヒ・ワン」「チューリッヒ・ツー」「シカゴ・ツー」の4曲で51分。「シカゴ・ツー」は30分。日本盤は1999年発売。
TERMINAL PHARMACY
1995年。初期の重要作とされる。
HAPPY DAYS
1997年。アコースティックギターとハーディー・ガーディーをジム・オルークが演奏する47分の曲。アコースティックギターから始まるが、曲の大部分はハーディー・ガーディーによるドローン。音階もほとんど変わらないが、音の揺らぎはある。40分を過ぎるとハーディー・ガーディーの音階が上がっていき、揺らぎによるテンポも速くなる。最後は再びアコースティックギターで終わる。日本盤は1999年発売。
1
BAD TIMING
1998年。バンド編成で録音。オープニング曲はギターとキーボードを中心とするインスト曲、「94・ザ・ロング・ウェイ」はアコースティックギター、ペダル・スチール、ピアノ、ホーンセクション等によるカントリー。「ハッピー・トレイル」はノイズとアコースティックギターで始まり、やがてノイズが消え、は7分すぎで突然ホーンセクションとキーボード、ドラムを加えた明るいメロディーで意表を突く。ドラムはトータス、シー・アンド・ケイクのジョン・マッケンタイア。4曲ともボーカルはない。4曲で44分。このアルバムから広く世界で発売されるようになった。
2
EUREKA
1999年。一気にポップ化し、全曲でジム・オルークがボーカルをとる。ポップ化といってもポピュラー音楽全体から見れば70年代を思わせるような古風なサウンドだが、リズムがあり、アンサンブルがあり、ボーカルがあるという意味では、これまでの前衛的なサウンドから大きくポップ化している。アコースティックギターやピアノなど、アコースティック楽器を中心に、内省的なメロディーを形成する。「サムシング・ビッグ」はバート・バカラックのカバーで、女性2人がメインボーカルをとる。アルバムタイトル曲はエレクトロニクスを使い、前衛性もあって、前作からの連続性を感じさせる。8曲で42分。
HALFWAY TO A THREEWAY
1999年。EP盤。4曲収録。「ユリイカ」に近いサウンド。「ザ・ワークプレイス」はシー・アンド・ケイクのメンバー2人が参加している。
3
INSIGNIFICANCE
2001年。エレキギターを使い、ロック調のアルバムになっている。「バッド・タイミング」から連続で聞けば、前衛音楽からポップ化、ロック化する過程の一時点ということになるが、このアルバム自体は、これまでにあったロックの中では取り立てて驚異的な部分があるわけではない。ただ、90年代以降のロックでは、通常の部分と前衛的な部分の落差はやや大きい。ロックらしい曲はアルバムの前半に多く、後半はアコースティックギターが増える。最後の「ライフ・ゴーズ・オフ」のエンディングはノイズによる不協和音が入り、定型的に終わろうとしない。
I'M HAPPY AND I'M SINGING AND A 1,2,3,4
2001年。ノートパソコンで制作した音響の前衛作品。3曲で40分超。「リムーヴ・ザ・ニード」の路線だが、それよりも即興的で人工的音響だ。前衛性が大きい。2009年の再発盤は3曲を追加した2枚組。
MIZU NO NAI UMI
2005年。邦題「みずのないうみ」。1曲、39分の前衛音楽。1人で録音したと見られる。過去に録音した習作を公開しており、新しい録音ではない。電気的なアンビエント音楽。同一曲のスタジオ録音とライブ録音を収録している。
4
THE VISITOR
2009年。1曲、38分のインスト曲で、全ての楽器をジム・オルークが演奏しているという。アコースティックギターとピアノを中心に、キーボード、ベース、ドラム等を加えていく。同時に5種類くらいの楽器が秩序的に演奏されており、即興演奏ではなくアンサンブルを組み立てた音楽。それでもフレーズの途中休止、再現、変奏などは随所に現れ、安心感のあるサウンドと前衛性はいかに両立するかを試行しているように見える。アルバムタイトルは、曲に途中から入り込んでくる楽器が訪問者であるという含意があるだろう。
ALL KIND OF PEOPLE ”LOVE BURT BACHARACH”
2010年。バート・バカラックの曲をカバーした企画盤。
5
SIMPLE SONGS
2015年。「インシグニフィカンス」以来のボーカル入り。ジム・オルーク以外の演奏者は全員が日本人。バンドサウンドにストリングス、若干のホーンセクションを加え、60年代後半のビートルズや70年代イギリスのニッチポップ、70年代アメリカのシンガー・ソングライターを思わせる曲調になっている。「ユリイカ」や「インシグニフィカンス」には前衛音楽からの系譜を感じさせる即興的な部分が残っていたが、このアルバムでは終始調和的だ。個人的嗜好としての前衛性が薄れ、多人数によるアンサンブルでアルバムを完結したところが、このアルバムの意義か。「ホテル・ブルー」「エンド・オブ・ザ・ロード」「オール・ユア・ラヴ」はこれまでになかったような盛り上げ方だ。

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