JETHRO TULL

  • イギリスのロック、プログレッシブ・ロックバンド。ボーカル兼フルートのイアン・アンダーソンを中心とする。
  • イギリスのプログレッシブ・ロックバンドでありながら、アメリカで成功した数少ないグループの1つ。
  • 「アクアラング」「ジェラルドの汚れなき世界」「パッション・プレイ」は名盤とされる。
  • 代表曲は「蒸気機関車のあえぎ」「ブーレ」「リヴィング・イン・ザ・パスト」。

1
THIS WAS

1968年。邦題「日曜日の印象」。ボーカルがフルート、ピアノを兼任する4人編成。イギリス出身。10曲のうち4曲はインスト。この時代にしてはハードなロックもあるが、バラエティーに富んだ曲が入り、レパートリーを集めたという印象。プログレッシブ・ロックという雰囲気はない。「ダーマ・フォー・ワン」はドラムソロ入り。全米62位。

2
STAND UP

1969年。ギターが交代。個々の曲のメロディーが覚えやすい上にかっこよく、これを両立しているのはすばらしい。「ブーレ」はバッハのリュート組曲第1番ホ短調を使用。「ブーレ」はフルートとともにベースも重要な役割を果たしている。全米20位。

3
BENEFIT

1970年。アコースティック・ギター、オルガン、ピアノ、フルートがイギリスの民衆音楽の雰囲気を出し、エレキ・ギターとドラムがハードロックの側面を担っている。6分を超える曲が2曲あり、平均的に曲が長くなった。このアルバムまでが初期のジェスロ・タルで、それほどプログレッシブ・ロックの特徴が出ていない時期になる。全米11位。

4
AQUALUNG

1971年。キーボードが加入し5人編成。A面をアクアラング、B面をマイ・ゴッドとし、レコードの表裏で異なるイメージを作っている。バンドの代表作。A面の「アクアラング」、B面の「蒸気機関車のあえぎ」はヒット。このアルバムから、ジェスロ・タルはプログレッシブ・ロックと認識される。「やぶにらみのマリー」収録。全米7位、300万枚。

5
THICK AS A BRICK

1972年。邦題「ジェラルドの汚れなき世界」。ドラムが交代。アルバム収録曲は1曲。44分。実際はA面とB面に分かれているのでパート1、パート2で表記されるが、曲はずっとつながっている。ジェラルド・ボストック少年の詩を歌詞に用い、長大な曲で演奏される点が一般的にイメージされるプログレッシブ・ロックに合うため、高い評価を得た。演奏している本人は当時のコンセプト・アルバム流行に対するパロディーだとしているが、本人の意図と音楽的評価は関係がなく、コンセプト・アルバムとしてすばらしい。全米1位。

 
LIVING IN THE PAST

1972年。シングル曲、ライブを含む企画盤。「許しにより」のピアノ・ソロ部分はベートーベンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、ラフマニノフの幻想的小品集の前奏曲、ドビュッシーの「子供の領分」の「ゴリウォグのケイクウォーク」を抜粋。全米3位。

6
A PASSION PLAY

1973年。「ジェラルドの汚れなき世界」と同様にアルバム全体で1曲。ボーカル兼フルートのイアン・アンダーソンがサックスも担当し、アコースティック・ギターの量が減っている。結果的にサウンドはハードになった。歌詞は難解と言われている。全米1位。

7
WAR CHILD

1974年。ストリングスを多く使い、オーケストラと共演しているようなサウンド。1曲が1分台のほかは9曲が3分から5分台で、一般的なロックと同じ形に戻った。ストリングスとフルートとオルガン等がメロディーを主導していくので、ギターがあまり目立たない。全米2位。

8
MINSTREL IN THE GALLERY

1975年。邦題「天井桟敷の吟遊詩人」。5曲目までは3分から8分、6曲目は4部構成で16分。邦題でイメージされるような民謡風サウンドではなく、前作のの路線を引き継いでいる。全米7位。

9
TOO OLD TO ROCK 'N' ROLL,TOO YOUNG TO DIE

1976年。邦題「ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる」。ベースが交代。アルバムが物語になっている。スターである自分とプライベートの自分を両方描くアイデアは他のアーティストでも何度も出てきており、目新しさはない。サウンドはやや明るめで、ロック・スターを描いている部分は雰囲気が楽しい。全米14位。

10
SONGS FROM THE WOOD

1977年。邦題「神秘の森・ビブロック組曲」。キーボードがもう1人加入し6人編成。いわゆるトラッド三部作の第1作。オープニング曲はジェントル・ジャイアントのようなコーラスから入る。キーボードが2人になったことでシンセサイザーが増え、ストリングスが大きく減った。フルートが入るハードロック。「至高の鐘」は手拍子が入る。コーラスも技巧的だ。歌詞の中のグリーン・マンはヨーロッパで頻繁に登場する植物の神。人間の形をしており、多くは頭髪が枝と葉になっている。全米8位。

11
HEAVY HORSES

1978年。邦題「逞しい馬」。シンセサイザーよりもストリングスが多くなり、「荒地」と「逞しい馬」ではカーヴド・エアのダリル・ウェイがバイオリンで参加している。一般に「神秘の森・ビブロック組曲」と「逞しい馬」はトラッド路線と言われるが、昔のヨーロッパを題材に取った歌詞が多いなどの理由でそう呼ばれるのであって、トラッドのようなサウンドになっているわけではない。全米19位。

BURSTING OUT JETHRO TULL LIVE

1978年。初のライブ盤。全米21位。

12
STORMWATCH

1979年。邦題「ストームウォッチ・北海油田の謎」。ギターが活躍しており、ハードロック並みだ。「エレジー」収録。全米22位。

13
'A'

1980年。ベース、ドラムが交代し、キーボードが2人とも抜けた。4人編成。キーボードはUK、カーブド・エアのエディー・ジョブソンが演奏している。エディー・ジョブソンはバイオリンも演奏しているので、楽器構成から言えばフォーク、民謡風になってもおかしくないが、実際のサウンドはニューウェーブのようなキーボードが多い。「ブラック・サンデー」「プロテクト・アンド・サヴァイヴ」「バッテリーがない!」はそのようなサウンド。このころはイギリスのプログレッシブ・ロック・バンドの多くがポップな路線に変化したが、ジェスロ・タルもこの流れに沿っている。全米30位。

14
THE BROADSWORD AND THE BEAST

1982年。キーボードが加入し5人編成。「A」のサウンドで、キーボードはほとんどがシンセサイザー。フルートもかなり減っている。ジャケットにルーン文字、裏ジャケットに海賊船が出ており、バイキングを想像させるが、そのような内容の歌詞になっている曲は2曲。フルートが少なくシンセサイザーが多いとなると、ジェスロ・タルの個性は大幅に薄れる。全米19位。

15
UNDER WRAPS

1984年。ドラムが抜け4人編成。ドラムはイアン・アンダーソンによる打ち込みで、音がとても機械的だ。エレクトロ・ポップとも呼べる。全米76位。

16
CREST OF A KNAVE

1987年。キーボードが抜け3人編成。ドラム、キーボードはゲスト・ミュージシャンが演奏。「A」や「ザ・ブロードスウォード・アンド・ザ・ビースト」よりは、それ以前のジェスロ・タルの雰囲気をとどめる。フルートの量も復活し、長い曲もある。全体的なサウンドはキーボード主体。グラミー賞のハードロック・ヘビーメタル部門で大賞となった。全米32位。

20 YEARS OF JETHRO TULL

1988年。ボックスセット。全米97位。

17
ROCK ISLAND

1988年。フルートの入ったロックバンドとなり、それ以外のサウンド上の特徴が少ない。ロックン・ロール風のメロディーが出てくるが、80年代前半の機械的なサウンドとは別の方向でアメリカ風だ。全米56位。

18
CATFISH RISING

1991年。前作と同路線。全米88位。

A LITTLE LIGHT MUSIC

1992年。ライブ盤。全米150位。

25TH ANNIVERSARY BOX SET

1993年。4枚組ボックスセット。

NIGHTCAP

1995年。2枚組未発表曲集。

19
ROOTS TO BRANCHES

1995年。全米114位。

20
J-TULL DOT COM

1999年。全米161位。