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THE HOLLIES

1
STAY WITH THE HOLLIES
1964年。ギター2人の5人編成。60年代前半に出てきたビートルズやローリング・ストーンズ、ハーマンズ・ハーミッツ、マンフレッド・マンなどともにイギリスのビート・グループのひとつとして人気を得た。14曲のうちメンバーによる作曲は「リトル・ラヴァー」のみ。チャック・ベリーやリトル・リチャードのカバーをやっている。当時としてはかなりハードなサウンドだったと思われる。ボーカルは2声が多い。「ミスター・ムーンライト」はビートルズがカバーしたのと同じ曲。「ロッキン・ロビン」はマイケル・ジャクソンのカバーと同じ。「ルシール」はリトル・リチャードのカバー。一般の洋楽ファンにも分かるのはこの3曲くらい。ボーカルのアラン・クラークはメーンのメロディーを歌い、グラハム・ナッシュが高音域、ギターのトニー・ヒックスが低音域を担当する。2003年の日本盤にはボーナストラックが9曲あり、自作曲は2曲。
2
IN THE HOLLIES STYLE
1964年。12曲のうち、メンバーによる作曲が8曲。サウンドもコーラスを主体としたロックで、このアルバムでバンドの個性を確立したといってよい。ロックンロールのカバーが逆にアルバムの中で浮いている感じだ。コーラスはメーンメロディーに高音を加えることが多い。「ホワット・カインド・オブ・ボーイ」はいい曲だ。「カム・オン・ホーム」はコーラスが実質的にサビになる。日本盤はボーナストラックに「ジャスト・ワン・ルック」「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」「イエス・アイ・ウィル」収録。
3
HOLLIES
1965年。自作曲は減ったがサウンドは前作の路線。ブリティッシュ・ビートの雰囲気が主だがフォークロックのギターが入ってきている。「プット・ユアセルフ・イン・マイ・プレイス」「アイヴ・ビーン・ロング」は初期のビートルズのようなポップな曲。「ヴェリー・ラスト・デイ」はピーター・ポール&マリー、「ミッキーズ・モンキー」はミラクルズのカバー。「ローディ・ミス・クローディ」はバッキンガムズが派手なホーン・セクションでカバーした曲と同じ。日本盤ボーナストラックで「ルック・スルー・エニィ・ウィンドウ(恋は窓から)」収録。
4
WOULD YOU BELIEVE?
1966年。ベースが交代。アコースティックギターや12弦ギターが増え、前作よりもフォークロック寄りになっている。「ハード・ハード・イヤー」は間奏のギターが当時にしては不定形のサイケデリックなフレーズだ。「スウィート・リトル・シックスティーン」はビーチ・ボーイズが「サーフィン・USA」のもとにしたチャック・ベリーの曲のカバー。「フィフィ・ザ・フリー」はグラハム・ナッシュの弾き語りによるソロ。「アイ・アム・ア・ロック」はサイモン&ガーファンクル、「ステューボール」はピーター・ポール&マリーのカバー。「アイ・キャント・レット・ゴー」収録。日本盤ボーナストラックに「バス・ストップ」収録。「ア・テイスト・オブ・ハニー(蜜の味)」はハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのカバーで、ビートルズもカバーしている。
5
FOR CERTAIN BECAUSE...
1966年。バンジョーが何曲にも使われ、アメリカの雰囲気がある。12曲全曲がアラン・クラーク、グラハム・ナッシュ、トニー・ヒックスによって作曲されている。ホーン・セクションや木管楽器も使われ、サウンドが豪華だ。デビュー当時のビートグループのサウンドではなくなっている。「ハイ・クラスト」はママス&パパスのキャス・エリオットが歌うような曲。「ストップ・ストップ・ストップ」収録。
6
EVOLUTION
1967年。サウンド上の挑戦が比較的多く、好奇心旺盛であることが聞いていて分かる。この年は英米のロック、ポップスにサイケデリック・ブームが起こり、ビートルズ、ジミ・ヘンドリクス、ジェファーソン・エアプレイン、バーズ等が音楽上の表現領域を拡大していた。このアルバムもその流れの中にある。ジャケットもサイケデリックだ。メロディーは変わらないが、演奏の仕方や楽器の使い方で試行錯誤しているサウンド。バイオリン、パーカッション、ホーン・セクション、ハープシコードなど使用。「ウォーター・オン・ザ・ブレイン」はコンガをアクセントにする。「ララバイ・トゥ・ティム」はボーカルを加工している。「ハヴ・ユー・エヴァー・ラヴド・サムバディ」「ホエン・ユア・ライツ・ターンド・オン」「ゲイムズ・ウィ・プレイ」はポップ。日本盤ボーナストラックに「キャリー・アン」収録。
7
BUTTERFLY
1967年。前作に続きサイケデリックなロック、ポップス。サウンドの工夫は前作ほどではなく、やや落ち着いている。どの曲もバンドサウンドだけで完成させるということはなく、ギター、ベース、ドラム以外の何らかの音を入れている。オープニング曲の「ディア・エロイース」はのようなものがついている。「ペガサス」のエンディングに馬の鳴き声、「ウィッシュユーアウィッシュ」に鳥のさえずり、「ポストカード」にカモメ、エレヴェイテッド・オブザヴェイションズ」は風の音が入っている。「トライ・イット」は録音技術による非現実的な効果を多用する。
8
HOLLIES SING DYLAN
1969年。ギターのグラハム・ナッシュが抜け、エスコーツのテリー・シルベスターが加入。全曲がボブ・ディランのカバー。「風に吹かれて」「時代は変わる」「アイ・シャル・ビー・リリースト」等の有名曲が多い。公式には1975年に発売される「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」収録の「火の車」も含まれている。「私のお願い」「マイ・バック・ペイジズ」はバーズ、「マイティ・クイン」はマンフレッド・マンのカバーで有名。有名曲は有名なだけに原曲と比較され、アレンジが今一歩だ。特に「アイ・シャル・ビー・リリースト」「風に吹かれて」「オール・アイ・リアリー・ウォント・トゥ・ドゥ」などは、原曲やザ・バーズ等の先行例と比較されると苦しい。2003年の日本盤ボーナストラックに「ごめんねスザンヌ」収録。2014年の日本盤ボーナストラックはライブが9曲収録されている。
9
SING THE HOLLIES
1970年。サイケデリック風の曲が減り、ソウル寄りの曲とアコースティック・ギター主体の曲と従来のコーラス・ハーモニーを駆使した曲が混在。「エヴォリューション」のような凝ったサウンドではなく、一般的な楽器でオーソドックスに録音している。オープニング曲はスモーキー・ロビンソンのような曲。「プリーズ・レット・ミー・プリーズ」もフォー・トップスのような曲。「あきらめないで」「プリーズ・サイン・ユア・レターズ」はコーラスが主体のポップス。「過去を映して」はピアノがメーンのイージー・リスニング。日本盤ボーナストラックの「リッスン・トゥ・ミー」「ドゥ・ザ・ベスト・ユー・キャン」はグラハム・ナッシュの最後のシングル曲。「リラックス」は「ララバイ・トゥ・ティム」のようなボーカルの加工をしている。「マン・ウィズ・ノー・エクスプレッション」「シー・ルックド・マイ・ウェイ」「ライク・エヴリ・タイム・ビフォー」はいい曲だ。
10
CONFESSIONS OF THE MIND
1970年。邦題「ホリーズの心」。11曲のうち6曲をトニー・ヒックスが作曲、4曲をアラン・クラークとテリー・シルベスターが共作。この3人が共作することはないが、前者は「心のうちあけ」、後者は「愛なき少年」が優れた編曲とともに収録される。「素晴らしき伴侶」はハモンドオルガンを本格的に取り入れている。日本盤ボーナストラックに「兄弟の誓い」「ごめんねスザンヌ」等を収録。
MOVING FINGER
1970年。「コンフェッションズ・オブ・ザ・マインド」のアメリカ盤。イギリス盤から「別れても」「アイ・ワナ・シャウト」が外され、「マリゴールド/グロリア・スワンソング」「懐かしのガソリン・アレイ」を収録している。
11
DISTANT LIGHT
1971年。ボーカルのアラン・クラークとギターのトニー・ヒックスが、2つのグループに別れて作曲している。それぞれ曲の雰囲気も違う。アラン・クラークのグループはトニー・マコーレイやロジャー・グリーナウェイと共作し、メンバーによるコーラス・ハーモニーを使う。トニー・ヒックスのグループはソロ指向の曲が多い。「いばらの人生」はメンバーがコーラスをつけずに女性コーラスを使う。2声、3声のコーラスを使ったポップな曲が少なく、アメリカ志向になっている。トニー・マコーレイやロジャー・グリーナウェイのような大物作曲家が、いつもの目の覚めるようなメロディーを出せなかったのも響く。「喪服の女」はヒット。日本盤ボーナストラックに「迷える僕」「懐かしのガソリン・アレイ」収録。
12
ROMANY
1972年。ボーカルのアラン・クラークが抜け、スウェーデン人のミカエル・リックフォーズが加入。12曲のうちメンバーが作曲しているのはミカエル・リックフォースの「タッチ」とトニー・ヒックス共作の「ブルー・イン・ザ・モーニング」の2曲。「タッチ」はアコースティックギター主体のミドルテンポの曲。ミカエル・リックフォーズはアラン・クラークほど高い声ではなく、声はやや固い。アメリカを意識した曲が多いので、ボーカルハーモニーはカントリーロックの使い方に近い。「マジック・ウーマン・タッチ」収録。
13
OUT ON THE ROAD
1973年。イギリスでは発売されず、ドイツなどで発売。全曲をトニー・ヒックス、ミカエル・リックフォース、テリー・シルベスターのいずれかが作曲、共作している。オーソドックスなポップスにハーモニーがからむ従来の曲調。クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、「マイ・スイート・ロード」のジョージ・ハリソンを思わせることが多いが、パーカッションが入ったミドルテンポの曲はソウルというより後のアダルト・オリエンテッド・ロックの雰囲気がある。「ザ・ラスト・ウィンド」「トランスアトランティック・ウェストバウンド・ジェット」はクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのようなサウンド。「スロウ・ダウン、ゴー・ダウン」もいい曲だ。日本盤はボーナストラックが7曲あり、「メキシコ・ゴールド」以外の6曲は「ロマニー」の日本盤にも収録された。そのうち「オー・グラニー」はアラン・クラークがボーカルをとっている。
14
HOLLIES
1974年。ミカエル・リックフォースが抜け、ボーカルにアラン・クラークが復帰。オープニング曲から高い声が聞こえる。バンドサウンドが強くなり、ロックに寄った。「イッツ・ア・シェイム、イッツ・ア・ゲーム」「アウト・オン・ザ・ロード」など、ボーカルがパワフルに歌うところもあり、ホリーズのなかではロックンロールの傾向が大きい。コーラスも戻り、アルバート・ハモンドのカバーの「安らぎの世界へ」は大ヒットした。「オウト・オン・ザ・ロード」「トランスアトランティック・ウェストバウンド・ジェット」は前作にも入っていた曲。「ピック・アップ・ザ・ピーセズ・アゲイン」は前作の「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」と同じ曲。前作がドイツでの発売だったため、イギリスで発売されたこのアルバムに流用したとみられる。
15
ANOTHER NIGHT
1975年。オーケストラとキーボードを本格的に使用。ピアノはトニー・ハイマス、ムーグはアラン・パーソンズが演奏している。ムーグはポール・マッカートニーが所有するムーグだと明記されている。曲もサウンドもすばらしく、「エヴォリューション」以来の名作。「セカンド・ハンド・ハングアップス」は素晴らしい曲だ。「アイム・ダウン」も「安らぎの世界へ」に通じる曲。「ルック・アウト・ジョニー(ゼアズ・ア・モンキー・オン・ユア・バック)」はロギンス&メッシーナの「ママはダンスを踊らない」を思わせる。ブルース・スプリングスティーンの「7月4日のアズペリー・パーク」をカバー。他の9曲はメンバーによる作曲で、サビはほとんどが「安らぎの世界へ」のような高い声のコーラス。フランス盤ボーナストラックの「明日なき暴走」はブルース・スプリングスティーンのカバーで、アラン・クラークのソロとして収録されている。バックの演奏はホリーズだという。「アナザー・ナイト」「7月4日のアズベリー・パーク」「アイム・ダウン」はライブも収録している。
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WRITE ON
1976年。前作に続きオーケストラを使用し、トニー・ハイマスがピアノを演奏。ギターはあまり前面に出なくなり、メーンの楽器がピアノとキーボードになっている。ギター主体の曲は「スイート・カントリー・コーリング」「ナリダ」など。オープニング曲ではシンセサイザーのアープが使われる。全体にややソフトなサウンドで、ロックンロール風の「クロコダイル・ウーマン」がロックバンドとしての面影を残す。
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RUSSIAN ROULETTE
1976年。アメリカで流行していたディスコを一部取り入れている。オープニング曲の「ウィグル・ザット・ウォットシット」はそうした曲。それ以外は特に目立つような曲ではなく、結局ディスコ風の曲が浮いている感じだ。ファンク風の金管楽器は複数の曲で使われている。「サンクス・フォー・ザ・メモリーズ」は以前のホリーズのサウンド、「ルイーズ」はロックンロールだが、「レディ・オブ・ザ・ナイト」「ドラッギン・マイ・ヒールズ」はソウル、ファンクの影響がある。ボーナストラックの「コリン」はレゲエ。
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A CRAZY STEEL
1978年。サックスを取り入れ、ピアノやシンセサイザー、パーカッションが入る。時代の流行に合わせ、「レット・イット・ポア」「ハロー・トゥ・ロマンス」「アムネスティ」などはアダルト・オリエンテッド・ロックに近い作風だ。「バーン・アウト」はアップテンポなロック。「カラカス」はディスコ風ソウル。これまでのアルバムで最も盛り上がりに欠ける。
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FIVE THREE ONE-DOUBLE SEVEN O FOUR
1979年。邦題「531-7704」。10曲のうち、メンバーによる作曲は「サテライト・スリー」の1曲だけ。ポップスのカバー集と解釈しても間違いとは言えない。前作に続きアダルト・オリエンテッド・ロックのサウンド。「ハーレクイン」はプロコル・ハルムのボーカル、ゲイリー・ブルッカーが作曲し、ボーカルでも参加している。「ホェン・アイム・ユアーズ」はホリーズの曲では最も長い6分半のバラード。
20
BUDDY HOLLY
1980年。1950年代後半に活躍したロックンロール歌手、バディ・ホリーのカバー集。バディ・ホリーはロックンロールが急激に流行していた50年代後半に、エルヴィス・プレスリー、リッチー・ヴァレンス、エディ・コクランらとともに人気があった白人ロックンロール・アーティスト。人気が絶頂だった1959年に事故死しているため、懐古調で伝説的に語られる。60年代のロックンロール・バンドに影響を与え、ホリーズのバンド名の由来になったとされる。16曲全曲がバディ・ホリーのカバーで、代表曲である「ペギー・スー」がオープニング曲になっている。アルバムの後半に有名曲を置いている。バディ・ホリーの出世作の「ザットル・ビー・ザ・デイ」、生前の最後のシングル「イット・ダズント・マター・エニーモア」、「ペギー・スー」に次ぐ代表作「エヴリデイ」を連続で収録し、最後はフェードインとフェードアウトを繰り返すメドレーになっている。ホリーズの演奏スタイルはこれまでのコーラス多用ポップス。このアルバムで解散。
21
 
WHAT GOES AROUND
1983年。
 
THE BEST OF THE HOLLIES
1996年。ベスト盤。
THE GOLD COLLECTION
1997年。ベスト盤。イギリスのEMIによるベスト盤なので、ほとんどの曲を1960年代から選んでいる。「喪服の女」は入っていない。
THE HOLLIES AT ABBEY ROAD 1963-1966
1997年。イギリスのアビー・ロード・スタジオで録音された曲のベスト盤。
THE HOLLIES AT ABBEY ROAD 1966-1970
1998年。イギリスのアビー・ロード・スタジオで録音された曲のベスト盤。
 
THE HOLLIES AT ABBEY ROAD 1973-1989
1998年。イギリスのアビー・ロード・スタジオで録音された曲のベスト盤。「アウト・オン・ザ・ロード」以降のアルバムから選曲。未発表曲4曲収録。
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STAYING POWER
2006年。ギター2人、キーボードを含む6人編成。デビュー当時のメンバーはギターの1人とドラムの2人。ドラム以外の5人がボーカルをとっていることになっている。キーボードを中心にしたポップス。コーラスは付くが、70年代の美しさはない。ボーカル・アルバムとあまり変わらない。13曲すべてに邦題がついている。
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THEN,NOW AND ALWAYS
2009年。自主制作盤。

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