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HAMMERFALL

1
GLORY TO THE BRAVE
1997年。ギター2人の5人編成。スウェーデン出身。このアルバムは発表当時、イギリスを除くヨーロッパで絶大な支持を集めた。それは、ツイン・ギターでマイナー調かつ勇ましい曲を並べるとともに、ファッションやジャケット、詩においてもヘビーメタルの理想を追求していたからだった。ロックンロールやハードロック調の英米風サウンドがなかったことが評価を高くした。ドイツ、北欧においては、何事であっても理想を追う姿は賞賛される。長い年月をかけて築かれた民族性、国民性だ。8曲目まではキーボードがほとんど出てこず、過剰な音で曲を盛り上げるようなことはしていない。最後の長い曲で、必然性をともなって、やっと最低限のキーボードを使用する。ストイックだ。
 
GLORY TO THE BRAVE
1997年。シングル盤。エディット・バージョン。ライブ1曲収録。
2
LEGACY OF KINGS
1998年。前作の延長線上にあり、大きな変化はない。ボーカル・コーラスが2声になっているところは、作曲技法上の進歩といえる。プリティ・メイズの「バック・トゥ・バック」をカバーしているが、これがバンドの弱点をあぶり出している。つまり、ボーカルのパワーが足りないことだ。少なくともオリジナルよりは明らかに弱い。
 
 
HEEDING THE CALL
1998年。シングル盤。
 
I WANT OUT
1999年。シングル盤。ハロウィンのカバー。ハロウィン、ガンマ・レイのカイ・ハンセン、アクセプト、U.D.O.のウド・ダークシュナイダーが参加。3曲目はレインボーの「銀嶺の覇者」のカバー。ギターはウォーロードのウィリアム・J・ツァミス、ドラムはランニング・ワイルドのAC。
3
RENEGADE
2000年。タイトル曲で効果音導入。パワーとスピードで押しまくることなく、ミドルテンポの曲でも純然たるヘビーメタルを追求。
 
RENEGADE
2000年。シングル盤。ヘビー・ロードの「ラン・ウィズ・ザ・デビル」とアクセプトの「ヘッド・オーバー・ヒールズ」のカバー収録。「ヘッド・オーバー・ヒールズ」はアクセプトのボーカルのウド・ダークシュナイダーも参加している。
 
HEARTS ON FIRE
2002年。「クリムゾン・サンダー」に先駆けて発売されたシングル。トゥイステッド・シスターのカバー、イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォースのカバー収録。キーボードでヤンス・ヨハンソン参加。ライブ・ビデオ付きだが、バス・ドラム4つは久しぶりに見た。
4
CRIMSON THUNDER
2002年。ヘビーメタル然としつつ、曲の幅が広がる。インストもあるし、イントロ、アウトロ付きの曲もある。チャスティン、ラウドネスのカバー収録。
 
 
ONE CRIMSON NIGHT
2004年。ライブ盤。
5
CHAPTER V:UNBENT,UNBOWED,UNBROKEN
2005年。このバンドが他の多くのバンドと異なるところはメロディーが普遍的で覚えやすいこと。つまり、作曲能力が非常に高いということだ。どの曲もそうなので、オーソドックスなヘビーメタルで通すと、曲の特徴が同じようになることがある。キーボードかギターで工夫をした方がいいのではないか。
6
THRESHOLD
2006年。従来の路線。伝統的なヘビーメタルをヨーロッパで流行させたバンドなので、路線を大きく変えるのは難しい。しかし、路線を変えないことに支持が集まるのは、流行を作ったバンドの特権でもある。「ザ・ファイア・バーンズ・フォーエヴァー」「ジェノサイド」収録。
 
 
STEEL MEETS STEEL TEN YEARS OF GLORY
2007年。ベスト盤。2枚組。新曲1曲、再録音1曲収録。
 
 
MASTERPIECES
2008年。カバー曲集。
7
NO SACRIFICE、NO VICTORY
2009年。ギターとベースが脱け、ギターには元プードルズのメンバーが入り、ベースはかつてのメンバーが復帰した。オープニング曲はそれほど疾走感はなく、ある程度インパクトが必要なオープニング曲でも速さに頼らずバンドの個性を出している。2曲目は明るい曲調。作曲、編曲の技術がさらに上がり、どんな曲がきても好意的に評価できる段階に達している。ボーナストラックはナックの「マイ・シャローナ」のカバー。
8
INFECTED
2011年。ギターやドラムの音が太くなり、それぞれの音が十分に響く。メロディーを別のメロディーによって交換するヨーロッパ的な作風が減っている。メロディーの後にロックのハードさ、あるいはヘビーメタルの厚切りギターをつないでヨーロッパ臭さを少なくしている。世界的に、すなわちアメリカでも通用するヘビーメタル。
9
(r)EVOLUTION
2014年。邦題「レヴォリューション」。「ノー・サクリファイス、ノー・ヴィクトリー」以前の曲調に戻り、ジャケットのイメージも大陸ヨーロッパ系に戻った。アメリカからは一時的に撤退したとも読める。しかし「レヴォリューション」「リヴ・ライフ・ラウド」「エックス・インフェリス」「インティッド・メタル」等はアメリカのヘビーメタルでも通用しそうな曲で、ヨーロッパ臭さはない。アメリカで通用するといってもそれは1980年代風のヘビーメタルに近いサウンドであり、時代錯誤の感は否めない。再びアメリカに進出したいなら大きな新機軸が必要だ。
10
BUILT TO LAST
2016年。ドラムが交代。前作で回帰したヨーロッパ型ヘビーメタルを受け継ぐ。前作にあったアメリカへの未練はなく、それゆえにヨーロッパのヘビーメタルのファンにしか歓迎されないようなサウンドだが、勢いがあった1990年代末から2000年前半にかけての雰囲気を取り戻している。変化した点を探そうとするのが難しいくらいだ。「インフェクテッド」の世界志向が終わっているのか、過渡期の途中なのかはまだ分からない。

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