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FLORENCE+THE MACHINE

1
LUNGS
2009年。ソロ歌手ではなく、シンガー・ソングライターでもなく、ロックバンドを常に抱えた女性ボーカルという形態を取っている。フローレンス・ウェルチのボーカルは厚みがあり、張りがある。ソロ歌手としてデビューすることも可能な歌唱力があるが、曲はバンドによる演奏が最も適した形になっており、バンドであることの必然性が感じられる。「キス・ウィズ・ア・フィスト」は2000年代以降のロックンロールを踏襲した曲だ。デビュー当時のジェットやストロークスを思わせる。バンドは4人編成で、ギター、ドラム、パーカッション兼ピアノ、ハープの変則的な編成。ハープはよく使われる。「ドッグ・デイズ・イズ・ア・オーヴァー」「ラビット・ハート(レイズ・イット・アップ)」等、かなりの曲でコーラスが重要な役割を果たす。曲によってはストリングスが活躍する。全米14位、全英1位。
2
CEREMONIALS
2011年。プロデューサーのポール・エプワースが全面的に関わり、ほとんどの曲をフローレンス・ウェルチと共作、全曲をプロデュースしている。ポール・エプワースと女性ボーカルという関係は、この年の初頭に出たアデルの「21」と比較される形で注目されている。フローレンス・ウェルチのボーカルが聞きやすく整えられ、生々しさや緊張感は前作よりも下がる。バンドの音の厚みや個々の音色、響き方も、空間をうまく埋めている。フローレンス・アンド・ザ・マシーンがポップスならば、多数の聞き手を安心させるサウンドに持っていくのも理解できるが、「キス・ウィズ・ア・フィスト」のようなロックでデビューしているバンドであれば、不完全さを大きく残した方がよかったのではないか。「シェイク・イット・アウト「スペクトラム」」収録。全米6位、全英1位。
MTV UNPLUGGED
2012年。ライブ盤。バンドはギター、ドラム、ピアノ、ハープの4人編成。ストリングスと合唱団も参加する。「トライ・ア・リトル・テンダネス」はオーティス・レディング、スリー・ドッグ・ナイトのカバーで、ピアノのみの伴奏。この曲に続く「ノー・ライト、ノー・ライト」もピアノのみの伴奏が続く。「ジャクソン」はジョニー・キャッシュのカバーで、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オムが参加している。ヒット曲である「シェイク・イット・アウト」「ドッグ・デイズ・アー・オーヴァー」は最後に続けて演奏される。ロックンロールの「キス・ウィズ・ア・フィスト」をどう演奏するかは注目されただろうが、収録されていない。
3
HOW BIG,HOW BLUE,HOW BEAUTIFUL
2015年。ピアノが加入し、7人編成。オーケストラ、コーラスをふんだんに使っているが、以前よりもロックの力強さ、ボーカルの力強さがある。メロディーは哀愁を帯びており、アップテンポの曲では若干の焦燥感もある。ハープ奏者とピアノは11曲のうちそれぞれ1曲しか参加せず、その楽器をゲスト参加の奏者が演奏していることが多い。弦楽器、管楽器奏者が多数参加し、「セレモニアルズ」の2倍を超える86人が演奏に参加している。バンドとゲスト参加者の音楽的関わりの違いは見出せず、フローレンス・ウェルチとその他大勢という雰囲気になっている。オープニング曲の「シップ・トゥ・レック」はグロッケンシュピールが効果的だ。「クイーン・オブ・ピース」はいい曲だ。アルバム中盤はフローレンス・ウェルチのボーカルを聞かせる曲が並ぶ。全米1位、全英1位。

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