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FALL OUT BOY

 
EVENING OUT WITH YOUR GIRLFRIEND
2002年。ギター2人の5人編成。アメリカ・シカゴ出身。9曲で28分のミニ・アルバム。ポップでメロディアスなロック。メンバーの演奏以外は何も手を加えず、キーボードも使っていない。どの曲も前向きなサウンドで、ミドルテンポやバラードはない。この路線なら、もっとメロディアスで勢いのあるバンドがたくさんあるので、地方の人気バンドレベルにとどまるだろう。
1
TAKE THIS TO YOUR GRAVE
2003年。ギターが1人減り4人編成。アメリカでは人気上昇のきっかけとなったアルバム。前作よりもハードになり、演奏の休止、再開を利用したアンサンブルや歌唱力をつけたボーカルで一般性を獲得している。エモにしろメロディック・パンクにしろ、かなりのバンドがデビューしているので、オーソドックスにそれらの特徴をなぞっても苦しい。日本盤は2007年発売。
2
FROM UNDER THE CORK TREE
2005年。サウンドはメロディアスなパンクということになるが、グリーン・デイやオフスプリングのようなポップさよりも、軽くエモの雰囲気が入ったハードさが功を奏している。若さに任せたおふざけのような曲もなく、音楽に対して真摯(しんし)な姿勢に好感が持てる。もちろん、そうした評価ができるのは曲がいいからである。「シュガー、ウィアー・ゴーイン・ダウン」「ダンス、ダンス」収録。曲のタイトルが一般のロックバンドに比べてとても長いのも特徴。世界的にヒット。このアルバムで日本デビュー。
3
INFINITY ON HIGH
2007年。邦題「インフィニティ・オン・ハイ-星月夜」。1回聞いただけでサウンドの幅が広がったと分かるアルバム。ハードさはやや薄れ、編曲に試行錯誤したロックになった。「フロム・アンダー・ザ・コーク・ツリー」からは大きく離れていないが、勢いや音の破壊力で曲を推進するようなサウンドは少ない。「アームズ・レース~フォール・アウト・ボーイの頂上作戦」はリズム・マシーンを使ったようなイントロ。キーボードも複数の曲で使う。「ユア・クラッシング、バット・ユー・アー・ノット・ウェイヴ」は曲の途中で突然コーラスが出てくる。
 
 
LIVE IN PHOENIX
2008年。邦題「FOBの頂上決戦~ライヴ・イン・フェニックス」。ライブ盤。
4
FOLIE a DEUX
2008年。邦題「フォリ・ア・ドゥ-FOB狂想曲」。前作での変化を押し進め、メロディアスなロックとなった。下位ジャンルを枕詞に付ける必要がないサウンドで、エモやメロディック・パンクといったイメージに収まるサウンドではない。キーボードやストリングス、リズム・マシンは必要に応じてふんだんに使う。バラードやどんよりした陰鬱な曲はない。「アイ・ドント・ケア」はライブで盛り上がりそうな曲。どの曲もメロディーが覚えやすい。エルヴィス・コステロ、ブロンディの女性ボーカルのデボラ・ハリーがロック界の有名人として参加。リル・ウェイン、ファレル・ウィリアムスが現代のヒップホップ勢の有名人として参加している。ボーナストラックが7曲もあり、アルバム収録曲のバージョン違いが5曲、未収録曲が1曲、マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」のカバーを収録している。
 
 
BELIEVERS NEVER DIE-GREATEST HITS
2009年。ベスト盤。
5
SAVE ROCK AND ROLL
2013年。「インフィニティ・オン・ハイ-星月夜」から続くサウンドの拡大が、活動休止、再開を経ても続いている。歌い方や演奏の仕方、曲調、雰囲気で特徴付けられる様々なジャンル、たとえばパンクやエモ、オルタナティブ・ロックのようなジャンル名を持ち出す以前のロックを堂々とやっている。エモばかりでもなく、ポップなパンクばかりでもないが、ソウルやヒップホップまで取り込むような貪欲さを持たず、ロックであることを大前提としたサウンドだ。パトリック・スタンプとピート・ウェンツが活動休止前のサウンドを継承したのはいい判断だった。4曲目まではメロディーの抑揚が大きく、ライブでは盛り上がるだろう。「ジャスト・ワン・イエスタデイ」ではコーラスをバンドメンバーで行わず、女性ボーカルグループに任せている。「ラタタット」はコートニー・ラヴ、「セイヴ・ロックンロール」はエルトン・ジョンが参加している。
6
AMERICAN BEAUTY/AMERICAN PSYCHO
2015年。前作に続く明快なロック。パンクやハードコアのイメージはなく、健康的ですらある。タイトル曲をはじめ、「イレジスティブル」「ツイン・スケルトンズ(ホテル・イン・ニューヨーク・シティ)」「7月4日」など、アメリカだけが世界の全てかのように認識する曲が多い。世界的に発売されることに意識が向いていない、また意識を向ける必要をそれほど感じないアメリカ人特有の感覚とも言える。人気の源泉が奇抜さや難解さや退廃性¥のない安心感のあるロックということならば、ロックバンドとしての発展の余地はまだまだありそうだ。タイトル曲や「センチュリーズ」は覚えやすい曲。
 
SOUL PUNK/PATRICK STUMP
2011年。フォール・アウト・ボーイのボーカル、パトリック・スタンプのソロアルバム。キーボード、エレクトロニクスを中心に、すべての音を1人で演奏しているという。フォール・アウト・ボーイのときのボーカルのほか、マイケル・ジャクソンやマルーン5のような歌い方まで多様だ。バンドのようなサウンドもあるが、エレクトロニクスをふんだんに取り入れてフォール・アウト・ボーイとはかなり離れたサウンドにしたのはいい判断だ。「ラン・ドライ(クロス・ハート・クロス・フィンガーズ)」はマイケル・ジャクソンを思わせる。「ディス・シティ」収録。

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