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DROPKICK MURPHYS

1
DO OR DIE
1998年。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人編成。16曲のうち2曲でバグパイプ、1曲でティン・ホイッスルが使われる。オープニング曲の「ケーデンス・トゥー・アームス」はスコットランド国歌の「勇敢なるスコットランド」のメロディーを借用し、バグパイプを使っている。バグパイプを使っているからといってただちにアイルランド民謡というわけではないが、「バールーム・ヒーロー」「ボーイズ・オン・ザ・ドッグス」のサウンドはザ・ポーグスをハード、パワフルにしたような印象。バグパイプを使わない曲の多くはメロディックパンクに近いロック。「ファイトスターター・カラオケ」はカラオケに関する歌詞は出てこない。「フィネガンズ・ウェイク」はアイルランド人作家のジェイムス・ジョイスの有名な小説と同じ曲名で、アイルランド民謡にもなっている曲。歌詞も小説の内容に沿っている。バグパイプを使わないアイリッシュ・パンクと言っていいだろう。
2
THE GANG'S ALL HERE
1999年。ボーカルが交代。ほとんどの曲がパンク。アルバムの後半にバイオリンが入った曲が出てくる。歌詞は攻撃的だが、攻撃的態度を顕示するだけの内容ではなく、状況や社会的文脈を解説した曲が多い。そこには地域や同世代に対する仲間意識の高さが見え、他のメロディックパンクのバンドとの違いを作っている。「アメージング・グレース」はバグパイプとバンドでの演奏。ジャケットは「ザ・ファイティング69th」を題材にしたとみられる。「ザ・ファイティング69th」はニューヨークの第69歩兵連隊に属するアイルランド人旅団の、南北戦争での活躍を指す。在米アイルランド移民の誇りとなっている。ジャケットには戦闘機が描かれているので、第2次大戦の場面となっている。全米184位。
3
SING LOUD,SING PROUD!
2001年。ギターが抜け、ギターが2人加入、バグパイプ、マンドリン奏者も加入し7人編成。ギターの1人はアコーディオンも演奏できる。ジャケットもサウンドも明確にアイルランドを意識した。ほとんどの曲でバイオリン、バグパイプ、ティン・ホイッスル等が使われ、アイルランド音楽を取り入れたパンクバンドという紹介が名実ともに通用するようになっている。このサウンドの変化は、プロデューサーがランシドのギター、ラーズ・フレデリクセンファンからバンドの中心人物であるケン・ケイシーに変わったことが大きい。合唱できる曲も多く、連帯感がもてる。ザ・ポーグスのシェーン・マクゴーワンが参加。オープニング曲の「フォー・ボストン」はボストンカレッジの応援歌。「ウィッチ・サイド・アー・ユー・オン?」はピート・シーガーのカバーで有名な労働運動歌。全米144位。
4
BLACKOUT
2003年。バグパイプ奏者が交代。アイルランド音楽が入ったメロディック・パンクに近寄る。「ザ・ダーティ・グラス」は女性ボーカルとデュエット。「ワーカーズ・ソング」はイギリスのシンガーソング・ライター兼教師のエド・ピックフォードのカバー。「ゴナ・ビー・ア・ブラックアウト・トゥナイト」の歌詞はウディ・ガスリーで、アルバムタイトルはここから採られているとみられる。前作ではピート・シーガーの実質的な持ち歌をカバーしており、アイリッシュパンクのバンドでありながら60年代フォーク歌手の姿勢にも共感しているのだろう。「フィールド・オヴ・アセンリー」はピート・セント・ジョンのカバー。フロッギング・モリーもピート・セント・ジョンをカバーしている。ボーナストラックの「イッツ・ア・ロングウェイ・トゥ・ザ・トップ(イフ・ユー・ワナ・ロックンロール)」はAC/DCのカバー。全米83位。
5
THE WARRIOR'S CODE
2005年。ハードな曲が増え、「ギャングス・オール・ヒア」と「シング・ラウド、シング・プラウド」を合わせたようなサウンドになった。曲の多くが2分台で、ハードコア風の曲が戻っている。「シチズンC.I.A.」はバグパイプ等を使わないハードコアの曲。「グリーン・フィールズ・オブ・フランス」は珍しくバラード調。「アイム・シッピング・アップ・トゥ・ボストン」はウディ・ガスリーのカバー。全米48位。
6
THE MEANEST OF TIMES
2007年。前作に続き、全体的にアップテンポだ。3曲目まではバグパイプ、マンドリンが明確に使われ、4曲目から7曲目は一般的なパンクロックになる。8曲目以降はバグパイプ、マンドリンとも使われる曲が多くなる。「(フ)ラニガンズ・アゲイン」「フェアマウント・ヒル」はアイルランド民謡の改作。「ジョニー、アイ・ハードリー・ニュー・ヤ」は有名な反戦歌。もともとはアイルランド民謡で、1860年代にアメリカに伝えられ、アメリカ民謡として「ジョニーは戦場へ行った」に改変された。アメリカで最も有名なケルト音楽グループであるクランシー・ブラザーズが1960年代に取り上げて有名になった曲。ボーナストラックの「ババ・オーライリィ」はザ・フーのカバー。全米20位。
 
 
LIVE ON LANSDOWNE,BOSTON MA
2010年。邦題「ライヴ・イン・ボストン」。ライブ盤。
7
GOING OUT IN STYLE
2011年。ギター兼アコーディオンが抜けバンジョー兼マンドリン奏者が加入し、マンドリン奏者がギター兼アコーディオンとなった。これまでのバンドあるいはバンドのメンバーがプロデューサーを務めていたが、このアルバムからフロッギング・モリーのテッド・ハットになった。一部の曲は、架空のアイルランド移民の生涯をたどる歌詞となっている。架空とはいえアイルランド移民の話はほとんどが実話の伝承であり、伝承を組み合わせて創作したことを架空と呼ぶか実話と呼ぶかは大きな問題ではない。物語に従うため歌詞がメロディーに先行することになり、「ウォリアーズ・コード」や「ザ・ミーネスト・オブ・タイムズ」よりも曲が長い。メロディーはあまり変わらないが、移民の生涯を描くという性質上、多くの曲がアップテンポというわけにはいかず、ミドルテンポもある。このアルバムで描かれている移民は、1840年代末のアイルランド飢饉で多数の餓死者と移民が出る中、ゴールドラッシュと西部開拓で「アメリカン・ドリーム」の噂が広がったアメリカに移り、大陸横断鉄道の建設に参加している。「ペグ・オー・マイ・ハート」はブルース・スプリングスティーンがボーカルで参加している。「ジ・アイリッシュ・ローヴァー」は有名なアイルランド民謡で、1987年にザ・ポーグスとザ・ダブリナーズがヒットさせている。全米6位。
8
SIGNED AND SEALED IN BLOOD
2013年。邦題「サイン・アンド・シールド・イン・ブラッド~勝利への約束」。オープニング曲の「ザ・ボーイズ・アー・バック」が一度聞けば覚えられるようなポップな曲だ。「ローズ・タトゥー」や「エンド・オブ・ザ・ナイト」など、ミドルテンポの曲でもメンバーがコーラスを付けて情緒的にならないようにしているが、ミドルテンポの曲自体が少なく、アルバム全体に高揚感がある。「ザ・シーズンズ・アポン・アス」はクリスマスソングとしても聞ける。全米9位。
9
11 SHORT STORIES OF PAIN&GLORY
2017年。前作に比べ、真面目な曲が多い。それは曲のタイトルにも現れており、「レベルズ・ウィズ・ア・コーズ」「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」などは、バンドのメッセージを出している。オープニング曲の「ザ・ロンサム・ボートマン」は歌詞のない合唱で歌う。全米8位。

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