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DEPECHE MODE

1
SPEAK&SPELL
1981年。邦題「ニュー・ライフ」。リズムが跳ね、全体としてメロディーはポップだ。全編をシンセサイザーで完成させたロックではないポピュラー音楽。12曲のうち10曲をシンセサイザーのヴィンス・クラークが作曲している。「パペッツ」はクラフトワークの影響が大きい。「ホワッツ・ユア・ネーム?」はシンセサイザーで再現した60年代ポップスのような曲。全英10位、全米192位。
2
A BROKEN FRAME
1982年。前作のメーン作曲者だったシンセサイザーのヴィンス・クラークが抜け3人編成。ポップな曲は少なくなり、シンセサイザーの持続音が持つ人工的な印象をうまく利用した曲が多い。明るい曲調は「ザ・ミーニング・オブ・ラヴ」「ア・フォトグラフ・ユー」など。「シー・ユー」「ザ・ミーニング・オブ・ラヴ」「シュドント・ハヴ・ダン・ザット」等ではボーカルの重ね方にも関心があるようなコーラスがつく。このアルバム以降、メーンの作曲者はマーティン・ゴアとなった。全英8位、全米177位。
3
CONSTRUCTION TIME AGAIN
1983年。シンセサイザー奏者が加入し4人編成。シンセサイザーのほかにサンプラーを使っている。社会的な歌詞が多いので曲調も明るくならない。突然世界情勢のついての歌詞が増えると、前作からの飛躍が大きすぎ、背伸びした印象を受ける。サンプラーも頼りすぎで、歌詞にしろ音にしろ特定の方向に強く吸着していく傾向は中庸や寛容をよしとしない若さが現れている。「エヴリシング・カウンツ」収録。全英6位。
4
SOME GREAT REWARD
1984年。ロックのリズムをサンプラーやシンセサイザーで金属的、機械的に再現する。シンセサイザーを使いながらロックに近づいている。「ピープル・アー・ピープル」は派手に音が広がる。「サムシング・トゥ・ドゥ」「ストーリーズ・オブ・オールド」「マスター・アンド・サーヴァンツ」「イフ・ユー・ウォント」は70年代と異なる別のロックという音だ。「ブラスフェマス・ルーモアズ」は前半の機械的なリズム音、後半の一般的なロックのリズム音、ボーカルの重ね方など、この時点でのバンドの特徴を詰め込んでいる。全英5位、全米54位。
5
BLACK CELEBRATION
1986年。前作からリズムが大きく変わり、パターンを刻むリズムが大幅に減っている。輪郭が甘い音を背景音のように使う曲が増え、それがアルバム全体の暗さを出している。全曲がそのような雰囲気だと聞く側も疲れるが、それを避け「ア・クエスチョン・オブ・タイム」「ヒア・イズ・ザ・ハウス」「ニュー・ドレス」にはリズム感を残している。「ストリップト」は前作のような機械的リズムがある。全英4位、全米90位。
6
MUSIC FOR THE MASSES
1987年。エレキドラムを使い、暗めの雰囲気を徐々に盛り上げていく曲が多い。「ネヴァー・レット・ミー・ダウン・アゲイン」「ザ・シングス・ユー・セッド」「リトル15」はそのような曲。ボーカルの安定感も上がっている。暗い雰囲気を作っているのはメロディー自体と、背景で流れている浮遊感のあるシンセサイザーだろう。リズムが強調された「ストレンジラヴ」「トゥ・ハヴ・アンド・トゥ・ホールド」でもそれが使われ、キーボードとシンセサイザーが根本的に違うことをよく理解している。最後の曲はホラー映画のサウンドトラック風。全英10位、全米35位。
7
VIOLATOR
1990年。シンセサイザーというよりも電子音がリズムの一端を担う。ギターも多く使われ、エレクトロニクスとロックの両方を押し進めた。シンセサイザー中心のバンドがロック方面に近づいたサウンドとしては、数ある答えの中の代表的一例を示したと言える。「スウィーテスト・パーフェクション」は音が鋭く、不協和音も多用する。「パーソナル・ジーザス」はグラムロック風のリズム。「ヘイロー」の後半はストリングス、「ポリシー・オブ・トゥルース」の後半はエレキギターが入る。前作よりは暗さが抜けた。「エンジョイ・ザ・サイレンス」収録。全英2位、全米7位。
8
SONGS OF FAITH AND DEVOTION
1993年。エレキギターによる不協和音が多く、「アイ・フィール・ユー」「マーシー・イン・ユー」などはシンセサイザーのバンドとは思えないサウンドだ。ベースの音程の低さ、女性コーラスはこれまでと異なる。ベースの低さは不穏な雰囲気を作り出すのに貢献している。時代を反映しているとも言える。「ゲット・ライト・ウィズ・ミー」は女性コーラスが入るゴスペル。「ワン・カレス…」はストリングスが中心。全英1位、全米1位。
9
ULTRA
1997年。1人抜け3人編成。エレキギターとストリングスが使われるのは前作と変わらないが、曲の雰囲気は幾分柔らかくなった。「ヴァイオレーター」から「ウルトラ」までのアルバムは曲調が違っていてもバンドサウンドから離れないことは共通だ。前作にあったゴスペルやソウル風の曲はない。インスト曲が2曲ある。全英1位、全米5位。
10
EXITER
2001年。前作をさらにリラックスさせたようなサウンドが多い。ドラムではなくエレクトロニクスでリズムが刻まれる。「ザ・デッド・オブ・ナイト」「アイ・フィール・ラヴド」はギターもリズムも大きく角が立っている。エレクトロニクスに回帰したとはいえ、ヒット性に富むかといえばそうではないだろう。もちろんヒットすることを意識しているわけではないだろうが、ヒット性とは聞き手に対する引っかかりの要素であり、ポップさやダンス性だけの話ではない。「ホエン・ザ・ボディ・スピークス」はミドルテンポの優れた曲。全英9位、全米8位。
11
PLAYING THE ANGEL
2005年。アルバムの前半と後半で曲の傾向を変えており、前半はメロディーの抑揚が明確な曲、後半はミドルテンポの暗い曲が続く。オープニング曲のイントロは耳をつんざくシンセサイザーが使われ、詩と音が一致している。「ジョン・ザ・レヴェレーター」「プレシャス」はバンドサウンドに近く、ボーカルメロディーも分かりやすいため覚えやすいが、そうした曲は前半に偏っている。ボーカルのデヴィッド・ガーンが初めて作曲に参加している。全英6位、全米7位。
12
SOUNDS OF THE UNIVERSE
2009年。古風なシンセサイザー、それを模した現代のシンセサイザーを多用し、エレキギターとともに曲の触感を左右する。「ロング」「カム・バック」や「マイルス・アウェイ」などはシンセサイザーやギターの音のざらつきが刺激を生み、「ヴァイオレーター」の手法を古いシンセサイザーでも用いている。量の多少はあっても、ほとんどの曲でアナログ・シンセサイザーのような音を使っており、好みは分かれるだろう。全英2位、全米3位。
13
DELTA MACHINE
2013年。アメリカのアフリカ系音楽を意識した曲を、従来のエレクトロニクス主体の曲に挟み込み、両方のよさに注目させている。リズム&ブルース調で歌われる「エンジェル」、ブルース調の「スロウ」「グッバイ」はアメリカを意識したというよりも、欧米のポピュラー音楽の共通祖先に対する敬意だろう。「ソフト・タッチ/ロウ・ナーヴ」はリズムの角が立つ曲。「ウェルカム・トゥ・マイ・ワールド」で始まり「グッバイ」で終わる構成は、アルバムを1つの作品ととらえており、エレクトロ音楽のバンドとしてはアルバム志向に傾いている。全英2位、全米6位。

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