CREAM

  • エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーによるブルースロックのバンド。
  • ギタリストとしてエリック・クラプトンが前面に出た最初のロックバンド。クリーム以前はジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズ、その前はヤードバーズだった。
  • エリック・クラプトンが主導権を握っていたので、全曲弾いたアルバムを複数出した初めてのバンドとなっている。ボーカルをとるようになるのもこのバンドから。
  • 「サンシャイン・ラブ」」「ホワイト・ルーム」はロックのスタンダード曲となっている。このほか「政治家」「スプーンフル」「いやな奴」など有名曲多数。

1
FRESH CREAM

1966年。エリック・クラプトンはヤードバーズ脱退後、ジョン・メイオールのブルース・ブレイカーズに参加し、すぐ脱退。ドラムのジンジャー・ベイカー、ベースのジャック・ブルースとクリームを結成した。クリームのロック史における意義は、即興演奏を導入してレコードとライブの演奏に区別をつけたこととリフの創出。決まった曲を決まった形で演奏するのではなく、その場限りの即興性を重視し、ライブをレコードの再現ではなく、新たな表現の場としてライブの位置づけを変更させた。スタジオ盤では演奏時間がまだまだ短いが、「スプーンフル」や「いやな奴」はライブ盤で16分に膨れあがる。曲の長大化はプログレッシブ・ロック誕生の素地を準備した。

2
DISRAELI GEARS

1967年。邦題「カラフル・クリーム」。フェリックス・パパラルディのプロデュース。リフとソロの分離が明確に分かる。ハード・ロックの原型のひとつがようやく見えてくる。「サンシャイン・ラブ」収録。この曲がアメリカでヒットしたのと同じ月にステッペンウルフの「ワイルドで行こう」がヒットし、ヘビーメタルという言葉が初登場する。

3
WHEELS OF FIRE

1968年。邦題「クリームの素晴らしき世界」。2枚組で、1枚はスタジオ盤、もう1枚はライブ盤。同時期のバンドに比べて、音が重いことが分かる。曲が素晴らしい。「ホワイト・ルーム」「政治家」収録。ライブのA面2曲はエリック・クラプトンのギターがすさまじい屈指の名演。最初から最後まで鬼気迫る激しさ。B面1曲目はジャック・ブルースのハーモニカがメーン。2曲目はジンジャー・ベイカーのドラム・ソロがメーン。

4
GOODBYE CREAM

1969年。3曲がライブ、3曲がスタジオ録音。「アイム・ソー・グラッド」は相変わらずエリック・クラプトンが弾きまくる。「バッジ」はジョージ・ハリソンが参加しているという。スタジオ録音のうち2曲はジャック・ブルースがキーボードを弾いているが、ポップには聞こえない。

 
LIVE CREAM

1970年。ライブ4曲とスタジオ録音1曲。ライブは4曲とも「フレッシュ・クリーム」の曲で、「ローリン・アンド・タンブリン」はジャック・ブルースのハーモニカがメーン。スタジオ録音の「ローディ・ママ」はエリック・クラプトンがボーカル。

 
LIVE CREAM VOLUME II

1972年。6曲ともライブ。「ホワイト・ルーム」「サンシャイン・ラブ」「政治家」などの代表曲が収録されているので、クリームのすごさが分かるアルバム。13分の「ステッピン・アウト」以外は演奏時間が4~7分に収まっている。「ステッピン・アウト」はスタジオ・バージョンが存在しない唯一の曲。インストなのでプレイのみを堪能できる。エリック・クラプトンの独り舞台。相当にハードで重い。「政治家」はライブ・バージョンが2種類ある唯一の曲。

 
ROYAL ALBERT HALL LONDON MAY 2.3.5.6 2005

2005年。邦題「リユニオン・ライヴ05」。4日間行われた再結成ライブをほぼ演奏順に収録したライブ盤。2枚組。18曲のうち「フレッシュ・クリーム」から7曲、「カラフル・クリーム」から3曲、「クリームの素晴らしき世界」から6曲、「グッバイ・クリーム」から「バッジ」のみ、T・ボーン・ウォーカーの「コール・イット・ストーミー・マンデイ」のカバーを収録。「ねずみといのしし」はジンジャー・ベイカーがボーカルをとる。「ローリン・アンド・タンブリン」はジャック・ブルースがハーモニカを吹く。「いやな奴」はドラムソロを含む。ハイライトは「ストーミー・マンデイ」だろう。エリック・クラプトンの長いギターソロの中に、同音階による長いタメが含まれ、解放されると歓声が沸く。