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BELLE AND SEBASTIAN

1
TIGERMILK
1996年。ボーカル兼ギターのスチュアート・マードックを中心とする7人編成。キーボード、バイオリン、チェロを含み、バイオリンとチェロは女性。メンバーのほとんどが複数の楽器をこなす。フルート、トランペットも聞ける。アコースティック主体のサウンドで、ディストーションがかかったギターはあまり出てこない。アコースティック・ギター、キーボード、ストリングスの上にスチュアート・マードックの控えめなボーカルが乗り、ポップなフォーク、もしくはポップスを作り上げている。雰囲気が自然で、疲れない。日本では1999年に発売。
2
IF YOU'RE FEELING SINISTER
1997年。邦題「天使のため息」。ストリングス、アコースティック・ギター、キーボードのサウンドに、シンガーソング・ライターのようなボーカルが乗る。ボーカルは全曲がスチュアート・マードック。ドラムはバスドラムがなかったり、ドラムそのものが出てこなかったりするので、ロックというよりはポップス。日本デビュー盤。
 
DOG ON WHEELS
1997年。シングル盤。収録されている4曲はすべてアルバム未収録曲。タイトル曲はサイモン&ガーファンクルのような男声ダブル・ボーカル、もしくはボーカルの重ね録りをしている。「ストリング・ビリー・ジーン」は60年代エレキ・サウンド「Belle&Sebastian~ベルとセバスチャンの物語」収録。日本盤は2000年発売。
 
LAZY LINE PAINTER JANE
1997年。シングル盤。収録されている4曲はすべてアルバム未収録曲。タイトル曲は男女ボーカル。「ア・センチュリー・オブ・エルヴィス」は語りのボーカル。日本盤は2000年発売。
 
3..6..9 SECONDS OF LIGHT
1997年。シングル盤。収録されている4曲はすべてアルバム未収録曲。シングルのタイトルは収録曲のタイトルではなく、シングルそのもののタイトル。「3..6..9 SECONDS OF LIGHT」という曲が収録されているわけではない。「蒼ざめたブルジョワジー」は珍しくハードなロックで、サウンドは日本のグループ・サウンズに近い。他の曲はこれまでどおりのアコースティックな曲。日本盤は2000年発売。
3
THE BOY WITH THE ARAB STRAP
1998年。トランペット奏者が加入し8人編成。スチュアート・マードック以外のメンバーがボーカルをとる曲が目立つ。「『気にしない』で『いてもいい』?」はチェロのイゾベル・キャンベルが70年代フレンチ・ポップスのように、ささやくように歌う。「シーモア・ステイン」と「CHICKFACTOR」はギターのスティービー・ジャクソン、「スペースボーイ・ドリーム」はベースのスチュアート・デイヴィッドが歌う。サウンドは前作と同路線。「スペースボーイ・ドリーム」から「ダーティ・ドリーム・NO.2」にかけては朗読が多い。サウンドもストリングスが大きく活躍する。
 
THIS IS JUST A MODERN ROCK SONG
1998年。シングル盤。収録されている4曲はすべてアルバム未収録曲。タイトル曲は7分あり、アコースティック・ギター、バイオリン、オルガン、トランペットで演奏されるミドルテンポの曲。ボーカルは3人出てくる。「ザ・ゲイト」は女声ボーカル。日本盤は2000年発売。
4
FOLD YOUR HANDS CHILD, YOU WALK LIKE A PEASANT
2000年。邦題「わたしのなかの悪魔」。「あやまちの彼女」はスティービー・ジャクソン、「月よ、あなたに早く逢いたい」はバイオリンのサラ・マーティン、「ファミリー・トゥリー(家族という名の檻)」はイゾベル・キャンベル、「朝もやがくれた夢」はイゾベル・キャンベルとスティービー・ジャクソンのダブル・ボーカル。女声ボーカルの比重が大きくなり、メンバーの演奏ではないストリングスが増えた。ハードさや陰鬱さ、詩の重厚さを見れば、サウンドが女性的になっている。
 
LEGAL MAN
2000年。シングル盤。タイトル曲は女声コーラス隊、メゾネッツがコーラスでボーカルをとる。「ジュディ・イズ・ア・ディック・スラップ」はキーボードが活躍するインスト曲。このシングルはベル&セバスチャンのシングルの中で最も人気が高い。日本盤は2001年発売。
 
JONATHAN DAVID
2001年。シングル盤。タイトル曲はギターのスティーヴィー・ジャクソンがボーカルをとる。「そして男は時計を捨てた」はストリングスがメーン・メロディーになっており、バンドサウンドではない。ストリングスの部分を独立させてもインスト曲として成り立つ。ボーカル・メロディーはシャーリーンの「愛はかげろうのように」とかなり似ている。このシングルからイギリスとほぼ同時に発売されるようになった。
 
I'M WAKING UP TO US
2001年。邦題「ウェイキング・アップ・トゥ・アス」。シングル盤。タイトル曲と「アイ・ラヴ・マイ・カー」は60年代のポップス風。特にタイトル曲はいい曲だ。「マルクス&エンゲルス」は歌詞の最後に資本論の一節を引用し、メロディーをつけて歌われる。
 
STORYTELLING
2002年。映画のサウンドトラック。曲の多くがインスト。ほぼ従来のベル・アンド・セバスチャンの路線のサウンド。曲は短く、18曲で平均2分以下。
5
DEAR CATASTROPHE WAITRESS
2003年。邦題「ヤァ!カタストロフィ・ウェイトレス」。チェロとベースが抜け7人編成。バンドサウンドよりも全体の響きを重視したようなサウンドで、ストリングスに加え、ホーン・セクションもメンバー以外の演奏がある。プロデューサーがバグルス、イエスのトレバー・ホーンなので、70年代から80年代半ばまでのポップなロックを思い起こさせるようなサウンドで、一種の懐かしさを誘う。「ステイ・ルース」のキーボードやバック・ボーカルの作り方は、プロデューサーの影が見える。オープニング曲の「オフィス・ベイビー」のイントロはスージー・クアトロの「キャン・ザ・キャン」を思い出させる。
 
OFFICE BABY
2003年。シングル盤。これまでと異なり、タイトル曲はアルバムの収録曲で、一般にイメージされるシングル盤の体裁となっている。このシングルから日本盤の解説もなくなった。「ラヴ・オン・ザ・マーチ」はフレンチ・ポップス風。アルバム未収録曲2曲収録。
 
I'M A CUCKOO
2004年。邦題「アイム・ア・CUCKOO」。シングル盤。タイトル曲はホーン・セクションを取り入れている。もともとトランペットを演奏するメンバーがいるが、この曲は複数の金管楽器を使っている。歌詞は「シン・リジーを聞こう」という内容。曲調もシン・リジーを意識している。アルバム未収録曲3曲収録。そのうち1曲は「アイム・ア・CUCKOO」のバージョン違い。原曲とはかなり異なるサウンドで、シングルに収録する価値がある。
 
BOOKS
2004年。シングル盤。6曲のうちアルバム未収録曲が5曲。トレバー・ホーンのプロデュースで同時代的なサウンドが多い。「アイム・ア・CUCKOO」の日本語バージョン収録。「カヴァーズ・ブロウン~君をお見通し」と「COVER(VERSION)」は演奏を流用している。ギターはイーグルスの「呪われた夜」と同じフレーズ。
 
PUSH BARMAN TO OPEN OLD WOUNDS
2005年。邦題「フルキズ・ソングス~アーリー・シングルズ・コレクション」。過去のシングルの曲を収録。イギリスで発売された順に並んでおり、シングルでの収録曲順も変えていない。日本での発売順とは異なる。
6
THE LIFE PURSUIT
2006年。70年代ポップスを思わせるメロディーが多く、チッコリーやグラス・ルーツのようなあまり有名ではないアーティストが思い浮かぶ。曲調が明るく、60年代後半のアメリカのダンヒル・サウンドとウェスト・コースト・ロックを合わせた印象。イギリスよりもアメリカの雰囲気がある。とても親しみやすい。
 
FUNNY LITTLE FROG
2006年。シングル盤。アルバム未収録曲2曲収録。いずれもミドルテンポ。
 
THE BLUES ARE STILL BLUE
2006年。邦題「汚れなきブルー」。シングル盤。原題の「BLUES」は音楽のブルースではなく、青のブルーを複数形にした単語。「ウィスキー・イン・ザ・ジャー」はシン・リジーのカバー。ベル・アンド・セバスチャンは「アイム・ア・CUCKOO」のシングルでもシン・リジーに言及している。「ライフ・パースート」はアルバムに収録されなかったがアルバムのタイトルになったという曲。
 
THE BBC SESSIONS
2008年。2枚組企画盤。1枚目は1996年から2001年までのスタジオ・ライブ、2枚目は2001年のアイルランドでのライブ。ベル・アンド・セバスチャンはこれまでライブ盤を公式に出していない。1枚目は14曲のうち4曲が未発表曲、2曲がバージョン違い。「レイジー・ジェイン」は途中からのオルガンが爽快だ。2001年までの録音なので、イゾベル・キャンベルも在籍している。ベル・アンド・セバスチャンのイメージどおり、アコースティックな雰囲気のライブになっている。2枚目のオープニング曲はビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」のカバー、「僕は待ち人」はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバー、「ヤツらは町へ」はシン・リジーのカバー。
7
WRITE ABOUT LOVE
2010年。邦題「ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙」。聞き慣れた楽器のみで音を構成するので幅広い世代の安心感をもたらす。曲調も緊張感やスリルとは無縁だ。それでもロックの跳ねるリズム感は保っている。オープニング曲の「予想外の運命」はサラ・マーティンがボーカル。「アイ・ウォント・ザ・ワールド・トゥ・ストップ(世界よ止まれ)」はストリングス、ホーン・セクションが使われる。アルバムタイトル曲はキーボードにゾンビーズやドアーズを思わせるフレーズがある。メーンボーカルが3人いるのは強みで、入れ替わり立ち替わりボーカルとコーラスをとる。11曲のうち8曲は日本語のタイトルがついている。
THE THIRD EYE CENTRE
2013年。2003年以降のシングル盤収録曲やリミックスなどを集めた企画盤。これまでのサウンドを大きく変えたような曲はない。「アイム・ア・クックー」「スーサイド・ガール」「カヴァーズ・ブロウン~君をお見通し」「ザ・ライフ・パースート」はいい曲だ。「パッション・フルーツ」は1960年代のエレキサウンド。「ミスター・リチャード」は60年代ラテンポップス。
8
GIRLS IN PEACETIME WANT TO DANCE
2015年。ボーカルのスチュアート・マードックが作曲の際に自ら歌っているかのように、メロディーの抑揚が声を張り上げなくても出せる範囲内に収まる。ギターやキーボードは不協和音や刺激的な音を使わず、聞き慣れた音を中心に使う。抑制された言動を身体化した、あるいは高度に社会化した若い社会人の音楽。刺激的な音やビートは音楽における意匠(ブランド)であり、それをあえて外に見せない(出さない)ことが抑制されたブランドとして、逆説的にブランドになっている。「ザ・パワー・オブ・スリー」での女性ボーカルはアマチュアレベル。「シルヴィア・プラス」はミュンヘン・ディスコ、「永遠の詩神」はメリー・ホプキンの「悲しき天使」を思わせる。「ザ・ブック・オブ・ユー」はアルバムの中で唯一、ギターに大きくディストーションがかかる。日本盤はボーナストラックもいい曲が多い。

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