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ANDRE MATOS

 
VIRGO/VIRGO
2001年。アングラを脱退したアンドレ・マトスがヘブンズ・ゲイトのサシャ・ピートと組んだグループ。ヘビーメタルでもハードロックでもない。黒人コーラスも導入して自由に曲を作ってみたというようなアルバム。クラシック色もほとんどない。しかし、アメリカではプロモーション次第でヒットする可能性を十分に秘めている。
 
RITUAL/SHAMAN
2002年。アンドレ・マトスの新バンド。バンド名やアルバム・タイトル、曲調、諸々に土着的な事物へのまなざしが見える。こうした方向は北ヨーロッパのバンドに多く見られるが、雄壮な雰囲気にならないところにブラジル人の個性が出ている。サウンド自体はオーソドックスなヘビーメタルで、クラシック風という形容はアンドレ・マトスの個性から消えようとしている。
 
 
RITUALIVE/SHAMAN
2004年。ライブ盤。
 
REASON/SHAMAN
2005年。このアルバムはアンドレ・マトスが関わったアルバムの中では最高レベルに位置する傑作だ。サウンドと歌詞がうまく一致し、やや精神的なメッセージをありふれたヘビーメタルで演奏している。ありふれたヘビーメタルとは、90年代に大量に登場した、構成に凝ったヘビーメタルではないということである。プログレッシブ・ヘビーメタル、あるいは一部のヨーロッパ型ヘビーメタルの多くが、曲の途中にテンポの転換、メロディーの強引な接続を挿入し、「構成力」をアピールしたが成功したと言えるバンドは少なかった。演奏する側にとっては作曲能力と知性を示し、他のバンドとの違いを見せる手段であったが、たくさんのバンドがやると逆に埋没し、分かりにくさだけが残った。オーソドックスであるということは、聞きどころが曲の構成力ではなく、他の部分にあることを示している。アンドレ・マトスのボーカルは声域に無理がなく、メロディーの急上昇、急降下が少ない。ストリングスはキーボードではなく実物を使っている。スピーディーな曲がないこと、クラシック曲を引用したと思わせるメロディーが出てこないことがポイントで、これまでとは異なる評価基準を要求する作風だ。このアルバムの全体的なメッセージは「幸運とは生きていることそれ自体である」ということで、アルバムタイトル曲の最後に出てくる。「モア」は80年代のゴシック・ロック・バンド、シスターズ・オブ・マーシーのカバー。ミートローフの「地獄のロック・ライダー」で有名なジム・スタインマンが作曲に関わっている。ジャケットのデザインは「トレイル・オブ・ティアーズ」と関係があるのかどうか分からないが、一般に「トレイル・オブ・ティアーズ」とは1800年代のアメリカ政府による先住民強制移住(「涙の旅路」)を指す。比較的有名な歴史的事件で、アメリカ政府、およびアメリカ史の汚点のひとつ。
 
TIME TO BE FREE/ANDRE MATOS
2007年。アーティスト名としてアンドレ・マトスが使われているが、曲は固定されたメンバーで録音されている。ギター2人、キーボードを含む6人編成で、アンドレ・マトスはボーカル専任。ANGRA時代に近いサウンドで、1曲目はイントロ、2曲目が事実上のオープニング曲となっている。ドラム以外の5人が作曲し、特にギターは多くの曲にかかわっているので、サウンド上もギターの比重が大きい。「ハウ・ロング(アンリーシュド・アウェイ)」は80年代型速弾きヘビーメタル。「ア・ニュー・ムーンライト」はベートーベンのピアノ・ソナタ第14番「月光」を使っている。ヴァイパーの「ムーンライト」以来2回目で、メロディーも「ムーンライト」と同じ。「エンデヴァー」はシャーマンの「リーズン」に収録されていても違和感がないようなすばらしい編曲。「セパレート・ウェイズ」はジャーニーのカバー。アンドレ・マトスがこのバンドとシャーマンを掛け持ちしながら両方続けていくならば、現段階でのサウンドの違いが明確になっており、異なる名義にしたことは成功している。
 
MENTALIZE/ANDRE MATOS
2009年。ドラムが交代。クラシック風のサウンドを抑え、ヘビーメタルとして質の高い曲を揃えた。聞き手に高揚感を押しつけるようなオーケストラ風の音が少なく、比較されるであろうANGRAとの違いが明確だ。前作はアンドレ・マトスの音楽活動を集大成したような内容だったが、このアルバムでは比較的自由に作曲しているようだ。メロディアスでスピーディーなヘビーメタルであることは変わらないが、1曲目が序曲なしに始まるなどの変化がある。「アイ・ウィル・リターン」はコーラスが厚く、覚えやすい。これを2曲目に置いている構成は、かつてのヘアメタル、MTVロックと同じだ。ボーナストラックではクイーンの「手をとりあって」をカバーしている。

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