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ADELE

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2008年。歌唱力を前面に出したソウル、ジャズ。バックの演奏は若年層に好まれる音楽的特徴、すなわちシンセサイザーやエレクトロニクスを意識的に避けたようなサウンドだ。アコースティックギターの多くもアデルが弾いている。アデルに対する聞き手の支持の要因はもちろん歌唱力であり、またそれを生かす曲にあるが、同じような歌唱力を持つ歌手がアデルと同じ曲を歌っても、アデルほどの支持は得られない。アデルの歌唱力に説得力を持たせるのは、家庭に恵まれなかった19歳の若い女性が、流行を追わずに歌唱力とソウル風の曲で挑戦しているという経緯、つまり「物語」であり、その「物語」はアデルだけに備わっているものだからだ。ロンドンで育ったことも、欧米のポピュラー音楽界では正統性として機能する。「物語」と、正統性と、若い白人の女性というバランスが聞き手を安心させ、もともと存在する歌唱力の高さをかさ上げしていく。注意すべき点は、アデルへの大きな支持の主要因はあくまでも歌唱力の高さであって、物語や正統性は、聞き手がその歌唱力を納得する理由として機能しているだけであることだ。「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」はビリー・ジョエル、ガース・ブルックスもカバーしたボブ・ディランの曲。これ以外は全てアデルの作曲。全米4位、全英1位。
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2011年。バンドサウンド中心になり、シンセサイザーではない本物のストリングスがサウンドを補強する。アデルのボーカルは力強くなっており、バンドサウンドに対峙している。オープニング曲の「ローリング・イン・ザ・ディープ」はシュープリームスを思わせるモータウンのサウンド。「ルーマー・ハズ・イット」も1960年代の感覚がある。バンドサウンドがエレクトロニクスならば、アメリカのアフリカ系女性歌手のアルバムに入っていても違和感がない曲が多い。「ドント・ユー・リメンバー」「セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン」はソウルよりロックに近い。「ワン・アンド・オンリー」はコーラスがゴスペル風。「ラヴソング」はザ・キュアーのカバー。「サムワン・ライク・ユー」はアデル最大のヒット曲。プロデューサーにリック・ルービンが参加しているのは意外だ。全米1位、全英1位。
LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL
2011年。ライブ盤。特定の日の公演だけで1枚のライブ盤を作り、映像とともに出せるのは、安定した歌唱力を持っていることの証しだ。歓声は大きく、女性の聴衆が多い。自作曲のほか、ボブ・ディランとザ・キュアーのカバーを両方やり、ボニー・レイットの「夕映えの恋人たち」もカバーしている。「サムワン・ライク・ユー」は聴衆に合唱させる。
SKYFALL
2012年。映画「007・スカイフォール」の主題歌。「21」の「ドント・ユー・リメンバー」の路線。
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2015年。アコースティック楽器中心の雰囲気を損なわない程度に、エレクトロニクスを取り入れた。ストリングスが使われているのは「ラヴ・イン・ザ・ダーク」だけだ。グレッグ・カースティン、マックス・マーティン、シェルバック、ポール・エプワース、デンジャー・マウスら、2000年代にヒット曲を量産している職業作曲家と共作し、そのチームで演奏も完結していることが多い。アデルがギターも弾いているのは「センド・マイ・ラヴ(トゥ・ユア・ニュー・ラヴァー)」だけだが、この曲は弾き語りではなくエレクトロニクス中心のポップな曲。「ミリオン・イヤーズ・アゴー」はアコースティックギターのみ、「オール・アイ・アスク」はピアノだけの伴奏。「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」はいい曲だ。「ハロー」収録。全米1位、全英1位。

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